なぜ今更、「神田白十字」?
実を言うと、つい最近までこの店を思い出す事はほとんどありませんでした。
神保町界隈では一番好きな純喫茶だったのにね(^_^;)。薄情にもほどがあります。
一つ言い訳をしておくと、それは私が純喫茶を趣味として回っているからなのです。
次々と別の純喫茶の記憶が積み重なっていき、閉店した店については記憶が押し出されていく……
しかし、2015年6月に公開した「神田白十字」の記事には、閉店後2年経ってもなおコメントをいただけてます。30年前のお客さん、40年、50年前にアルバイトされていた方々のコメントを読み返すと、当時の「神田白十字」の姿が私の中でも蘇ってきました。
入口の両サイドに一階から三階までの高さのスピーカーがあり、ガラドのレコードプレーヤーで音楽かけてましたが、5~6年前に来たときにはもうなかったと思いますが、当時(40年前)は結構大音量で音出ししてました。
近くの日大の学生さん、お勤めの方、名曲のリクエストを受けていました。
元はお客さんからリクエストを受付、レコードを大音量で流す名曲喫茶だったようです。私が訪れたときはBGM的にクラシック音楽を流していましたが、レコードではなかったし、大音量でもなく、当然リクエスト受付のシステムもありませんでした。
ところで初めて神田白十字を訪れたとき何を注文したんだっけ?
そもそも初めての訪問はいつだっけ?
純喫茶にぃさんのブログ(2009/04/27)に触発され、3か月後に初訪問しました。
当時のメモが見つからないので写真で判断するしかないのですが、どうやらピザトーストセットを注文していたようです。
そしてメモは無いのに、初めて飲んだコーヒーが煮詰まってて不味かった事は記憶に深く刻まれています。
「神田白十字」のコーヒーに関しては、「美味しかった」と言う人もいれば、私のように「不味かった」と言う人もそこそこいて、味にバラつきがあったようです。
これから6年後に訪問した時、この不味さを忘れてうっかりコーヒーを頼んだら、不覚にも結構美味しかったり。バイトの人次第?
店名入りの伝票の裏側の文章「クラス会・ゼミ・御会合等に10~80名様迄の団体席の用意がございます。」
こちらでの会合の経験はありませんが、トイレが2階にあったので、見ることはできました。
真ん中に仕切りがありますが、同じような椅子がズラリと並ぶ席が2つありました。
親交を深めるのにはイマイチな配列ですが、形を重視するかしこまった会合には良さそう。実際ここで会合をした人はいるのでしょうか?大昔じゃなくて現代で。
テーブル番号が入ってると純喫茶度が高くなる。
大箱の純喫茶でたまに見られます。小樽の「コロンビア」にも入ってましたね。こちらの場合はテーブルそのものではなくメニュー立てに番号が付いていました。
黄ばんで変色してるので、どれだけ古いメニュー表なのか。もしや創業以来?かと思ったのですが、電話番号が4桁なので、それほどではなかったようです(1991年以降)。
それでも消費税変更や社会情勢の変化などでメニューにも細かな修正が施されていて、いっそ作り変えては?とも思うのですが、使いまわしてる古いメニュー表を眺めてあれこれ想像するのも楽しい。
コーヒーカップのイラストの下に広げてる(?)のは何でしょう?謎。
バナナ、レモン、パイン、キウイの4種類のジュースの(100%)の部分が消してある。
これ、逆に言うと、他のジュースは(100%)なのでしょうか?
いや、きっと頼んだら、「今はやってません」と言われると思う(←決めつけ)。
ココアが地味に3種類あることに驚き。
アルコール類もおつまみも普通にあります。
たまに「アルコールがメニューにあるから純喫茶じゃない」とか言う人いるけど、私からすると全然分かってないな、と思ってる。アルコールなんてあったっていいんです。むしろ純喫茶度の高い、大箱で使い勝手の良い、私好みの店ほどアルコールあるからね。
ここはまごうことなき純喫茶です。
ソーダポップの“ポップ”が何か気になって頼んでみた。
普通のソーダでした。これはストロベリー。
見ての通り。ブルー(緑っぽい)ハーブティーにレモンスライスを入れると酸化して色が変わりピンクになる。
理屈は理科の実験のアルカリ性から酸性への変化なんですが、こういう夢のあるメニューは好き。
味?普通に美味しかったんじゃないの?こういうのは味よりも見た目だから!
とても広い純喫茶でしたが、テーブルには全て店名のシンボルの白い十字が埋め込まれていました。
完全な特注ですよね。こういうのある純喫茶って、そうはない。っていうか、他にある???
てっきり創業時のテーブルだと思い込んでました。ただ、それにしては傷もほとんどないし綺麗なので、よほど手入れがいいのだろうと思っていました。
しかし前回の記事のコメントで30年前のお客さんから、「当時のものと違うのでは?」と指摘がありました。
私が訪問したときは一度もステンドグラスに電気はついていませんでした。
大箱純喫茶あるある。「予約席」には予約が入っていない。
意識してなかったのですが、改めて写真を見直すと、右上の柱のそばに電話ボックスらしきものが写り込んでます。
本当に今更すぎて書くのが恥ずかしいんですが、この「神田白十字」の創業年はいつなんでしょうか?
純喫茶にぃさんのブログで2009年の時点で創業60年以上と書かれているし、どこかで戦後という記述もチラリと見たので、1945年~1949年ではないかと(^_^;)。
正確な創業年をご存知の方いらっしゃいますか?
【2021-12-27追記】「神田白十字」の開店は1947年頃だそうです。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
chariot
2021/12/27 URL 編集
エムケイ
2009年の時点で62年前の開店ですか。
1947年頃の開店なのですね。情報追記しておきます。
2021/12/27 URL 編集