盛岡で一番好きな喫茶店。
岩手県盛岡市内丸4−6
純喫茶が多いから水沢で2泊。…のはずが、なんのための水沢? 寝に帰るだけで、肝心の純喫茶はほぼ回れていない(^_^;)
でも、水沢近いしね。これまで水沢を遠くの僻地だと思ってたんですが、一ノ関から簡単に行けるし、また別の機会でもいいかなと。
それというのも、盛岡には水沢以上にどうしても行っておきたい純喫茶があったからです。それがこれから紹介する「パァク」。
盛岡駅からアーケード商店街を抜け、盛岡城跡公園という大きな公園がある。人が集まり賑やかで店も多い。「パァク」があるのは、公園のそば。
しかし私には店名の由来の公園よりも、神社の印象の方が強い。鳥居のせいですかね。公園内にある櫻山神社の参道にあるのです。
日陰になっているのもあり、独特のひっそり感。
今この場でこの喫茶店が見えているのは私1人だけ。皆、そのまま通り過ぎていくのでした。
大きなP。流れるようなフォントのPark。ああ、これは間違いなく素敵な純喫茶だ。
奥にさらにもう一つ扉がある。
うわああああ!好き!
入った瞬間、大好きになりました。即、珠玉認定。
10年以上前からいつか行きたいと思ってはいましたが、「想像上の美化した喫茶」というだけで、いざ行ったら、「ああ普通に良いね」程度かも……そんなおそれもありました。
しかし!ここは本当にいい!想像より遥かに素敵。
淡いモスグリーンの壁には店名の「Park」。日陰になっているせいか、薄暗くひっそりとし、永遠に時を止めている。内装だけでこの雰囲気を出すのは至難のわざ。実際、内装の凄さだけで言えば、そこまでではない。他にいくらでもある。
「どこでも好きな席でいいですよ。他にお客さんいないですからね」
お店の女性から、にこやかに声をかけられる。
(女性が2人いましたが、どちらがママさんかは不明)
窓際に座り外を歩く人を眺める。
奥の空間から店内全体を見渡す。
どちらもとても魅力的に思えたのですが、外を見るより、私は「パァク」の中を見たい。奥の空間へ。
もしかしたら団体向けだったりして? 「大丈夫ですか?」と聞くと、「大丈夫ですよ」とニッコリ。
世の中に根っからの善人はいないと思っていますが、もし例外があるなら、「パァク」こそがその唯一なのかも。悪の入り込む隙がないほど、暖かく優しいオーラを身にまとっていました。
流れている音楽は静かなクラシック。ああ、分かっていらっしゃる。心が浄化されていきます……
外を通る人が遠くからスローモーションの映像を見ているように、ゆっくり流れていきます。
胸がしめつけられるような切ない感じ。
素敵な喫茶店のひとつの特徴。絵心がある手書きメニュー。
「アルペン物語」、「シュプール」。なんなのそれ?
絵から察するに、シュプールはフロート系のようですが、アルペン物語は不明。
残念ながら「パァク」の素敵さにドギマギしていたので、そこまで踏み込めませんでしたが、想像力をかきたてる抜群のネーミングセンス。
(詳しく書いていらっしゃる方がいるので、そちらに任せます)
きちんと製本されたメニュー表を渡されたのですが、魅力的なメニューが多いですね。どれにしていいのか分からない。
しかし選択肢は多い方が嬉しい。絞り込んだメニューの店も素敵ですが、それは迷いが多い大人向け。輝かしい未来がある人間には、あれもこれも悩む贅沢な時間が必要なのです。
とりあえず朝起きてから、水以外まだ何も口にしていない。なら、モーニングセット?
ただ端から端まで眺めましたが、モーニングセットはないようです。その代わりトーストのセットが色々ある。だけど自家製ソフトクリームも食べたい。欲張りな私。
ところが「パァク」には、そんな煩悩を瞬時に解消してくれる素敵なメニューがあります。
「あずき」の文字はメニューのあちこちにあるので、「パァク」の自慢なのでしょう。盛岡にいながら名古屋っぽさをも味わえる、あずきトースト。ソフトクリームまで付いてる。
これだ!
完全食ではなかろうか?
トーストもさっくり美味しい、あずきも美味しい、コーヒーも美味しい、サラダのウサギさんリンゴも可愛い。そして、程よく小さいソフトクリーム。
お子様ランチみたいです。
味について「美味しい」で済ますのはあまりにも素人臭くないか?そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、空間丸ごと素敵な「パァク」でそのツッコミは無意味。美味しいの一言で良いのです。
…なんて実際は素敵さに胸いっぱいで、冷静に味を評するだけの余裕がないが本当(^_^;)
ほっと一息。
純喫茶巡りで初めて遠征した広島の事を思い出しました。広島ではかなり多くの店で食後のお茶が出てきましたからね。
「パァク」だけのために盛岡に行く価値あり。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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