可愛いを詰め込んだレトロな宝石箱。
愛知県津島市鹿伏兎町西永和9
前回の「喫茶らん」は名古屋市ですが、今回の「エリーゼ」は津島市。甲府の記事の最後で、名古屋の純喫茶を紹介すると書いた手前、少しだけ後ろめたいけど、名古屋からは近いし、名古屋枠に入れてしまおう。
名古屋の純喫茶は粒揃い。
たしかに見どころも多いし、ああ素敵だなと思うけど、どこか想定の範囲内。ある程度予想できる素敵さなんですよ。
ところがこの日最後に入った「エリーゼ」には想像を超えるときめきがありました。
バイパスでしょうか。車がひっきりなしに行き来する大通り沿いで目を惹くテントの看板。
普通こういうテント系の看板は建物に付いてるものですよね。看板だけ独立したテントは珍しい。だけど可愛い~~! 端っこが2又に割れたエリーゼのフォントも可愛い~~!
建物本体はこんな感じ。黄色×緑のテントを惜しみなく贅沢に使っています。
こんなの大好き! 外観だけでワクワク。どうせなら建物と看板をなんとか一枚の写真におさめたい。道路を渡って遠くから撮ってみたりもしたのですが、そんな姿をお店の人に見られたら大変。入る前から怪しまれてしまう。それにこんな事に時間をかけてたら、純喫茶巡りでよくある「お客が途切れたタイミングで営業終了前だけど閉まる」可能性も。小雨もポツポツ降ってきたし、早速入店することにしたのです。
窓ガラスには「暴力追放」の文字。
開け放ったドアから、薄暗い店内で光るオレンジのライト、造花。
これは! ドキドキしながら、慌てて入店。
ここからは一気にすべてをご覧ください。
ひゃ、ひゃあ~~!
これは好き、好き、好き。ときめきしかない。外観もとても可愛いけど、店内はそれ以上。入った瞬間「エリーゼ」の虜。
これがあるから愛知に行くのです。
前回名古屋(ここは津島だけど)は街並みに魅力がない(言い切った)と書きましたが、街並みの無機質さも吹き飛んでしまった。本当に来て良かった。
この店で目が釘付けになったのは、花の形をしたライト。
壁に3つ付いてました。可愛い&スペーシー。こんなの他の店で見たことない。
お店に入ると、「暴力追放」カレンダーの裏側に、オードリーヘップバーン似のオシャレなママさんが座っていました。
「お好きな席へどうぞ」
果たしてそう言われたのかどうか。頭がフワフワお花畑、頭の周りは蝶々が飛んでいるので、それすら覚えていないけど、先客はなくて、店内はまあまあ広い。どこに座ろうかウロウロキョロキョロ。
ママさんはバンドを組んでいるのでしょうか? ドラムセットやエレクトーンが置いてあったり。
椅子の脇にトレーニングマシン(?)が置いてあったり。ゲーム機の上は物置状態だし、どこか家っぽさもある。
しかし恋は盲目。それすら好意的に受け止めてしまうのです。
やっぱり全体を眺められる奥の窓際しかない。
首尾よく奥の席を広々と贅沢に使わせていただいたのですが、こんな最高の空間を私一人で貸切ってもよいのでしょうか?
メニューも可愛い。
3つにグループ分けされています。古い食堂でも、「料理の部」、「飲み物の部」といった具合に、グループ分けしたメニュー表があるけど、私的にツボにハマるポイント。
既視感が?と思ったら、氷見の「モリカワ」のメニュー表と似ている。
アイスカフェオーレ。グラスがポコポコと丸い模様が入った分厚くゴツイタイプ。愛知ではグラスが可愛い店ばかり。立て続けにこの手のグラスが出てきて、その都度心の中で歓声を上げていました。
コースターは手作りでしょうか? 80年代っぽい赤いギンガムチェック。
ミックスサンドの中身が卵焼きなのも嬉しい。
ゆで卵を潰したのも美味しいのですが、温かい玉子焼きの方が好き。
ゆで卵と柿ピーはサービス。
営業時間は夕方5時までですが、4時半頃にお皿を下げられてしまいました(食べ終わってます)。
他にお客さんも入って来ないし、早じまいしたいんでしょうね。やっぱり急いで入って良かった(笑)。
店内が最高なので去り際は美しくありたい。「マッチをください」なんて言うミーハーな客と私は違うのよ。そう思っていたのですが、そんなカッコイイ人間ではありません。ためしに聞いてみた。そしたら、「1個でいいの?」
(えっ? もっとくれるの?)
一瞬そう悪魔が囁いたのですが、いただいたのは一個だけ。
黄色×緑色とはいきませんが、「エリーゼ」のフォントが看板と同じ。
お菓子もくれました。至れり尽くせり。
この後勢いづいて津島にも行ってみたのですが、到着したら夕方。喫茶店には一軒も入れなかったのですが、すでに喫茶欲は充分に満たされていたので、これはこれで良かったのかも。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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