夏の終わりはいつも切ない。
愛知県名古屋市千種区高見1-4-8
他の季節は気づいたら終わってる程度なのですが、なぜか夏だけ感傷的になるのです。
夕方。日が暮れるのが早くなりましたよね。
夏だったらまだ明るいのに…。ふと夏の記憶が蘇る。
名古屋の純喫茶「らん」を訪れたのは、夏の初め。
「本当にやってるのかなあ?」
池下から「らん」に向かいながらも、街並みには特別心躍らず。純喫茶が多いわりに名古屋にあまり来なかった理由はこれなのです。散策欲がわかない。それでも素敵な純喫茶に入れれば一気に気分は晴れるのですが、なんせコロナ禍。4月の関西はフラれまくったので、今回の名古屋も覚悟していました。
「もしやあれでは?」。大通り沿いに木が鬱蒼と茂る趣のある建物が見えてきました。しかし近づいたらそれではなく(あれはなんだったのか?)、さらにその先にあったのですが、通りの反対側を歩いていたので木の陰になって見えず、一回素通りしてしまいました。
壁紙、壁のタイル状のレリーフ、モダンな模様の床。クラシカルな照明と可愛いチェック柄の照明。
上品で純喫茶的見どころが多く、こうやって写真を並べると、耽美的で静かな純喫茶に見えますが、実際は常連のお客さんで賑わっていました。
特等席は絵になる窓辺のテーブル席。しかし、そこだけぽっかり空席。
常連のお客さんはそこには見向きもせず、テレビに近いその他大勢のテーブル席に座っていました。私ら純喫茶マニアと常連客では特等席の捉え方には隔たりがあります。
私以外のお客さんは全員顔見知り。お客さん同士で話をしやすい席が人気。
自宅の畑で出来たキュウリを配るお客さんもいました。純喫茶夏の風物詩(笑)。一人窓際ではぐれている私も、おすそ分けをいただきました。
名古屋のように純喫茶が多い地だと、入れる店が多くてウハウハ。そう思ってません?
それが違うんだな。もし、そんな感じに目につく喫茶店に片っ端から入ってたら、すぐにお腹がガバガバになります。
私の場合ですと、最低限の事前情報から判断して入るようにしてます。と同時に、行くと決めたら必要以上の下調べはしないようにしています。かっこつけた言い方すると、知り過ぎてると面白くないからです。こちらですと、壁のタイル状レリーフからほぼ間違いないと判断し、訪問。実際その通り素敵な内装でした。
メニューは全くといっていいほどチェックしませんね。何が出てきても受け入れるつもりだし、ある意味全面的にサプライズ部門としてのお楽しみ。失敗すると腹が空いてても飲み物だけしかなく、液体でお腹を誤魔化すことも(名古屋だと、&おつまみ)。現地でひもじい思いをする事もあるのですが、こちらでは良い意味でのサプライズ。
暑い日だったので、なんとなくクリームソーダを注文したら、
出てきたのは赤!
これは想定外! 基本クリームソーダは緑だからという意味じゃないですよ。
昭和レトロの雰囲気を作りこんだ喫茶店でしたら、赤どころか4色5色あったりするし、そこで驚くことはないわけです。しかし、こういう地元の常連客が中心の喫茶店では、基本の緑しかあり得ないと思い込んでいるので、本当に驚きました。
赤はグレナデン(ザクロ)でしたよね(^_^;)。長野市の喫茶店で学びました。
「濃かったら足してね」
残りのソーダが瓶で出てきました。こんなの初めて! Wサプライズ。
クリームソーダの赤とお揃いの赤のラベルがオシャレ。
濃さ? 絶妙に私好み。でも、せっかくの粋なサービスだものね。少しだけ足しました。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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