10年越しの訪問。やっと!
山梨県甲府市中央1-13-9
「なんか教会みたい」
「カフェロッシュ」を見た時の第一印象。2011年に初めて甲府で純喫茶巡りをしたとき、銀座通り商店街で出会った。薄暗く神聖な感じがし、入ろうとも思った。しかし前のめりかというと……。
店名に「純喫茶」が付いてるとか、怪しげな紫のガラスドアとか、強烈場末な純喫茶を優先していたのです(今も変わりませんが)。当時はまだ甲府にもそういう怪しげな純喫茶が今よりはずっとありました。素通りしますよね……。
その後も何度か店の前を通りかかりましたが、私用の臨時休業が常態化しているガチの純喫茶とは違い、こちらはいつも営業している(笑)。いつでも入れるんじゃないか。後回しでいいでしょ。そう高をくくっていた。そんな舐めた態度はいつか報いを受けます。それがこの日。甲府の純喫茶からことごとくNO!を突き付けられたのがその証。
カフェ・ロッシュよ! お前もか?
他の喫茶店にフラれた後なので、貼り紙にはナーバスになっています。こちらも休業? それとも最悪の閉店のお知らせ?
しかし、カフェ・ロッシュは他の喫茶店とは一味違う。8月14日~22日の営業時間を20時までに短縮するとお知らせする、親切な貼り紙なのです。なんていい店。今時20時まで営業する喫茶店がどれほどあるというのか。
その代わり開店時間は遅い。岡島百貨店の「ドトール」でモーニングをし、歓楽街の散策をし、11時過ぎに舞い戻ってきました。
雰囲気のあるアンティーク調の門も開き、一目でサンプルと分かるケーキとコーヒーの見本が出ています。
薄暗い通路の奥に看板があります。
秘密めいた雰囲気に気分が盛り上がります。他の喫茶店にフラれたという理由だけで入るわけではありません。これは単なるきっかけ。遅かれ早かれ、いつかは入ることが運命づけられていたのです。
この写真は補正したものなので明るく写ってますが、実物はもっと暗い。薄暗いを越えて真っ暗。
読書には向きませんが、ひそひそと小声で語らったり、瞑想するには良い空間。
開店直後の一番乗り。
「お好きな席へどうぞ」とのことですが、
席1つ置きに、大きな×印の紙。
こちらに限らず他の店でも見かけますが、あまり見栄えのいいものではない。コロナ禍でソーシャルディスタンスを維持するために致し方ないと思いますが、何とかならないものだろうか? シックで落ち着いた内装だけにもったいない。
意外にも店員さんは若い男性。
カフェといっても、10年前でも手練れたオーラが出ていたし、今なら老舗の域に差し掛かっているはずです。
勝手に、口ひげをたくわえた白髪のマスターが立つ図をイメージしていました。
息子さん、もしくは修行中の従業員でしょうか?
メニューは自家焙煎を標ぼうしているだけあり、コーヒー推し。ブレンドだけで何種類もあります。
そんな時は店名を冠したブレンド。ロッシュブレンド。100円引きになるのでケーキ(レモンタルト)もセットで注文。
ケーキが先に出てきました。
素敵な絵柄のお皿。
少ししてロッシュブレンド登場。
苦味が強め。あ~惜しい。10年前ならストライクゾーンど真ん中の味です。もちろん今も美味しいと感じますが、昔ほどではないのです。今はもっと酸味がある優しい方が好き。昔は酸味が苦手だったんですけど、不思議ですね。
伝票の裏を見ると、このように書かれています。
コーヒーはネルドリップ。苦味が苦手な方はアメリカン・コロンビア・ブルーマウンテン・モカをご注文ください、とのこと。
今の私はアメリカンが当たりだったのかも。
でも、こうも考えられます。ロッシュブレンドは基準のコーヒー。ここからがスタートで、自分の好みの調整をはかりながら、理想に近づけていくのではないか。さらなる苦味を求めるのか、苦味控えのものにするのか。
なーんてね。コーヒーの好みも変わるので、その時々でピタリとハマるお店を探せばいいだけだと思います。
これまで裏春日通りへ繋がる怪しいわき道が続きましたが、次回は銀座通りに繋がる控えめな(?)わき道を歩きます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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