「ナポレオン」に後ろ髪引かれつつ、西天下茶屋の銀座商店街へ。
5年ぶりに訪れたのですが、線路越しに見えてくるのは、どこか懐かしいあの風景。
本当にこれは勝手な思い込みなんだけど、この線路が此方と彼方の生活圏を分ける境界線のように思えます。電車さえ通ってなければ自由に行き来できるんですが、なんとなく。
右に行くか、左に行くか。何かを選べば、何かを捨てる。Y字路に人生の縮図を見せつけられます。
人間関係も同じですよね。あっちを立てれば、こっちが立たず。誰を選ぶのかの岐路。誰かに好意を示せば、誰かを否定することにもなる。人を褒めることですら覚悟がいります。
西天下茶屋のY字路を目の前にし、朝っぱらから人生について深く考えさせられました。
…というのは真っ赤な嘘。この時はそんな余裕はありません。前日の不始末をいかに挽回するかで必死でしたからね。人生うんぬんについては、ブログの文章をもっともらしくするために、今さっき考えたばかりです。ただY字路のある風景が好きなのは本当。想像力が掻き立てられます。
比喩ではなく、リアルなセピア色。
年月の経過と煙草のヤニで染まった純喫茶の店内のような、渋く年季が入ったアーケード商店街。やさぐれてて好き。
さらにセピア色を助長するのは「マル屋」。
一般的にはどのくらいの知名度なのか分かりませんが、大阪で純喫茶巡りをする人にとっては、避けて通れない純喫茶界のアイドルでもあります。私もすでに訪問済。
2016年2月の段階で八十一年の貼り紙ありましたので、そこから5年足して八十六年でしょうかね(^_^;)。
お目当ての純喫茶はこちら?
残念ながら、今回は別の純喫茶です。一回入ってるから用済み? いえいえ、そんな単純な問題ではありません。
外観も内装も渋くてカッコイイし、ビジュアルは強烈に好みなのですが、どうしてもあの時の酸っぱくて飲みこめなかったコーヒーを思い出してしまうのですよ……
そのくせ写真は山盛り撮っています。被写体として消費しているのは認めます。眉をひそめる人もいらっしゃるでしょう。
しかし屈折してはいるものの、やはり私は「マル屋」を愛しているのです。それは間違いありません。
愛すべき年季の入った短冊メニュー。
驚異的なまでの値段の安さ。
(5年前と値段が一緒。消費税どうなってるんでしょう?)
「天プラうどん」の表記がプラスチックっぽい。
曇りガラス越の変色した食品サンプル。
入らないくせにやたらチェックしまくってますね。身近にあったら、定点観測するに違いありません。
【前回の訪問】【天下茶屋】コーヒーショップ マル屋
ぐぐ…フォント具合が可愛い。「の」の字の大きさの使い分け。
「マル屋」の2軒隣のおもちゃ屋「森たばこ店」。
あれ? おもちゃ屋なのに、たばこ店と思いましたが、ちゃんと煙草も売ってますね。
たばこ屋からスタートし、おもちゃまで手を広げたのでしょうか。
完全に昭和のまま時が止まっています。永久保存したい風景。
今回はこちらに入りました。「マル屋」が強烈なので、影が薄くなりますが、こちらのビジュアルも充分パンチが効いています。
次回へ続く。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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