自家製洋菓子「ベルーン」の系列の喫茶店「ベルーン」。
埼玉県さいたま市見沼区東大宮5-29-6
東大宮には何度か来ていますし、喫茶店にも何軒か入っていますが、こちらの存在は知りませんでした。
なにげに、喫茶店の密集地? 東大宮駅東口を出て少し歩くと、「純喫茶ジュリアン」があるのですが、すぐ近くには「樹里」という喫茶店もあります。以前、「樹里」に行く途中で自家製洋菓子の「ベルーン」でお菓子を購入。その時に入れてくれた箱が可愛かったので、インスタグラムに載せたのですが、それを見た方から、系列の喫茶店もすぐ近くにあることを教えてもらいました。
【追記】自家製洋菓子店の方は2020年末に閉店。
それにしても、こんな場所にあるとは…!
辺りはマンションで飲食店があるような雰囲気じゃないんですよね。人通りもない。本当にここに? 半信半疑でうろつきましたが、見つけられず、一回は素通りしました(笑)。
気づいたら、「樹里」に再会。あれれ?と振り返ったら、洋菓子店と同じ緑色のテント。慌てて引き返したのです。
一応、テントの横側の小さいスペースに「ベルーン」の文字がありますが、看板がないんですよね。
「喫茶ベルーン」って(笑)。メモみたい。ドアに紙が貼ってありましたよ(^_^;)。
こういうの好きな人は堪らないと思います。実のところ、私はツボ。じわじわと愛おしさがこみあげてきます。
夕方の赤みを帯びた光が差し込む窓辺。薄暗い店内。お客は自分だけ。私がこの日の最後の客に違いない。
緑と茶。色違いでお揃いの椅子。背もたれが、ぽっかりと浮く、素敵なデザイン。きっと昔から使ってるのでしょうね。破れた座面には、同じく緑色のテープで補修。キュンとときめきます。
緑と茶の椅子が交互に並んでいる。センスがいい。そう思っていました。しかし、店内をぐるり見渡したところ、緑×緑×緑、茶×茶の並びがあるのが現実。全然交互ではありませんでした。
オリエンタル調の模様が美しい赤い床。
店内にはショーケースが2カ所あり、1つはドア開けてすぐ、もう1つは奥のカウンターの横。ママさんが作ったのでしょうか。色とりどりの折り紙で作った作品が飾ってあります。
天井、壁、カウンターには、さりげなく良きレトロな照明。
純喫茶好きのツボはしっかり押さえています。
…今だと冷静に書けますが、東京近郊でこのレベルの喫茶店がまだ残っていたことに、少なからず感動しました。
清潔感もあり、良い状態を保っていますが、古い喫茶店が持つ哀愁と程よい寂れ感。私の琴線に触れました。
向かいの椅子に、ママさんが『女性自身』を置いていきました。
なぜテーブルの上じゃないんだろう(^_^;)? 外観同様さりげなく控えめなおもてなし。
ちょっと読んでみたい気持ちもあったけど、手を伸ばすのがなにげに恥ずかしい(笑)。
女性週刊誌を差し出すのは、喫茶店の根強いサービス。新宿御苑前「騎士道」、千城台「ニューライフ千城」でも、渡された記憶があります。
緑がお好きなのでしょうか。メニューも緑。
洋菓子店の系列なので、てっきりケーキセットくらいだと思い込んでいたのですが、定食もあるのですね。魚の定食が気になります。
そこで何の魚なのかコック帽をかぶったマスターに聞いてみると、「鮭とサバの味噌煮、あとは肉…」という返事。いや、肉はいいです(^_^;)。魚がいいのです。鮭でお願いします。
焼いた鮭とサラダ。
ご飯とみそ汁。あれやこれや小鉢も付いてます。こちらに大根と鶏肉を煮たもの、ふきと鶏肉を煮たもの。鶏肉かぶりで肉。「あとは肉…」の意味は、肉料理をお勧めしてるのではなく、小鉢のことだったんですか。
当初はそこまで気乗りしてなかったんですよね。でも、好みの喫茶店だった。東大宮に来てよかった、としみじみ食後のコーヒー。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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