まず最初にお断りしておきたいのは、これから並べる写真はいずれも過去のものだということです。
もちろんブログを書いてる時点でリアルタイムではありませんし、何年も前のものを平気で載せがちな当ブログですので、何を今更と思われるかもしれません。
ただ、何年経っても変わらぬ風景というものがあるのも事実。おそらく前回の仲見世商店街のイメージは、ほぼ一緒だと思います。
しかし、この新仲見世商店街は、もう全然! まったく別物に変わってます。
アーケードが綺麗さっぱり撤去されてしまったらしい。いつの間に~~~!
リンクを貼っておくので、気が向いた方は読んでみてください。爽やかに青空が広がる風景に衝撃を受けます。
まあ、たしかに、初めて見たときから老朽化が著しく、薄暗くて、怖気づく雰囲気でした。撤去されるのも時間の問題でした。治安も悪くなりますし、老朽化で照明の落下などの危険性もあったので、撤去は正しい判断であります。
アーケード撤去の7ヶ月前、2020年3月に訪れました。
仲見世の健全な雰囲気よりも、戦後の闇市のような薄暗い新仲見世の方がダントツに好みでした。その雰囲気に大きく影響してるのは老朽化したアーケードだったのは皮肉なことです。
なんで古い方が新なんだろう? ずっとそう思っていましたが、実際に新仲見世の方が後にできたみたいですよ。
【参考】仲見世:昭和29年(1954年)扇形電飾アーチ完成(南口)、昭和36年モダンアーケード完成、昭和57年アーケードリニューアル工事
新仲見世:昭和44(1969)年アーケード建設をきっかけに誕生
仲見世は途中でアーケードをリニューアルしてるから新しいわけです。新仲見世は、50年以上そのまま。古いわけですね。この理屈は純喫茶にも当てはまります。古すぎる純喫茶は、むしろ新しい(^_^;)。
もうこれが最後だからね。私が好きな暗い新仲見世の風景を、これでもかと載せていきます。
が、その前に、こちらから。
仲見世と新仲見世の間にある通り沿いで、気になった写真を撮ってから、新仲アーケードへ。
昼間でも、この暗さよ。
良くも悪くも寂れ慣れした今の私には、ただただ素敵な風景だけど、初めて見たときはヤバい!と思いました。
日専連カード新規会員募集。1969年のアーケード設置時のものでしょうか。今も、あるのかな?
屋外でも床…と呼んでもよいのでしょうか。色合いと模様が素敵です。
馬蹄の変形したような模様。
水玉模様
模様の切り替わる瞬間が好き。
「喫茶よしもと」なんていう喫茶店もありますが、入ったことはありません。たしか沼津に吉本の劇場があったけど、その関係かしら?
大好きだったアーケードを背景とした「ケルン」の入口の風景。もう見れないのですね。
でも、店内は変わらず昭和30年代のお茶の間のような素敵さをキープしています。商店街を散策して沼津を去る前に入りました。別に記事を書きます。
新仲見世の出口に「喫茶ダニエル」はあります。
2017年3月に一度入ったことがあります。「ケルン」とは雰囲気が随分違います。綺麗で上品でスマートな空間です。
紅茶はきちんと淹れたであろう味。美味しい! スプーンには蜂蜜。たぶんハニーティーを注文したんだと思いますが、よく覚えていません。
マッチは店名のみですが、こだわった字体が素敵です。
アーケードが撤去されることを知っていたわけではないのに、無意識にアーケードを大きく映り込ませてます。
新仲見世の出口には「ユニバーサルビル」という高度経済成長期の匂いぷんぷんするビルがあります(ダニエルの向かい)。こちらにも「ケルン」同様、別の記事で書きます。
今では青空の下にあるであろう喫茶店のことを想う。ああ、眩暈がします……
(訪問:2020.03)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
梅鉢
千楽の先を永代橋の方へ曲がり、現在の超有名天丼店「伊豆家」のハス向かいあたりに、かつて「ダイヤコーヒー」がありました。あの周辺の市民には喫茶店の原風景となった名店です。木製のコの字カウンターの中、一段下がった所に店主が布ドリップコーヒーを淹れていました。カウンターには常に茹で卵の籠とケーキケース、コーヒーカップは白い厚口のホテル仕様。自家焙煎工場は少し離れた市役所近くにあり、町中が香ばしい匂いに包まれいました。西日が眩しい二方ガラス戸の角店の佇まいはまさに昭和の沼津を代表するものでした。商店街の奥、白い椅子カバー、薄暗く落ち着いた店内の「ケルン」とは対照的でした。
もうひとつ忘れられないのが、上土商店街にあった、日本一美味しいと多くのコーヒーファンを惹きつけた小さな店「カフェ・ド・プチ」。ここは前身を「カフェ・カーネス」と名乗り同じ上土の通りの向かい側の路面店で営業していました。近所に手ごろな物件ができ、駐車場ビルの2階に移転し、店名を「カフェ・ド・プチ」に変えて営業をはじめました。蝶ネクタイにメガネの店主が点滴で抽出するコーヒーは、初めて味わう者には衝撃的で、コーヒーがこんな香り高く味も濃厚な飲み物だったとは。。。と驚かれます。コーヒーと客の質の高さは忘れられません。弟子の方が第4小学校の近くで営業されていましたが、もうあの味を伝える店はないと思われ残念です。東京の名店と呼ばれる多くの店にも行きましたがあの味に勝る店をいまだに知りません。
沼津銀座に「ハニー」というジャズ喫茶があり、沼津の牛伏にかつて居住していらした日野皓正さんや実弟の元彦さんも顔を出す小さな有名店がありました。あの頃はどの街にもあったジャズ好きやスノッブが集まる紫煙もうもうの店。大人への入り口のようで生意気盛りの中高生たち憧れの店でした。
2021/02/04 URL 編集
エムケイ
大変素晴らしい貴重な情報です。
いずれも知らない店なので、簡単にネットで調べてみました。
1.ダイヤコーヒー
googleで「沼津市本出口町339−1」の住所で出てましたが、閉業という情報はないので、まだ現役なのでしょうか?
土日のみ9:30~17のようですが、土日なら行けるので、行ってみたいのですが…
2.「カフェ・ド・プチ」(前身を「カフェ・カーネス」)
上土商店街はあげつち商店街なんですね。こちらは情報が見つからず、静岡市の別の店が出てきました。点滴で抽出するコーヒー。これは他店でも見られる抽出方法なのでしょうか?
病院の点滴みたいなものでしょうか。だとすると、とても時間がかかる根気がいる抽出方法ですね。
3.「ハニー」というジャズ喫茶(沼津銀座)
昔は盛り場には必ずジャズ喫茶があったのでしょうね。
ジャズ喫茶全盛期に大学生だった人からお話をうかがうと、珈琲一杯で半日くらい粘ったという話。
当時は風呂なしアパートで、とてもレコードなんか買えなかった、でもジャズがどうしても聞きたくてジャズ喫茶に通いつめたなんて聞きます。
あまりにも貴重な情報なので、圧倒されました。
ありがとうございます。
2021/02/04 URL 編集
あらま
昔ながらの佇まいのお店で。長泉に移った後、閉店してしまったようですが。
2021/02/28 URL 編集
エムケイ
近くに甘味の梅鉢というお店があったのですね。
2021/03/02 URL 編集