東武伊勢崎線の終点に近い境町で、3軒の喫茶店を訪問。まずは純喫茶度の高さと過剰な装飾で、一番パンチが効いてる「豆の樹」を紹介。
群馬県伊勢崎市境栄795
駅からは少し歩くのですが、途中には「街角茶論」という喫茶店があります。
魅力的な外観なので、初めて境町に行った時はそこを「豆の樹」だと思い込み、入ってしまいました。思ってたより駅に近いな…(^_^;)。しばらくしてから別の店だと気づいたのですが、後の祭り。その後で「豆の樹」に行ったら、営業終了。
以前は夜遅くまで営業していたようですが、現在は夕方よりも前には閉まります。
それを踏まえて、お昼前にリベンジ。
群馬県道312号太田境東線沿いにある、ドライバーの目を惹く、ナイフとフォークがクロスしたイラストの看板。
わざわざ出直す価値あるのかしら?
そう思っていました。下調べで見た店内の写真は、物が多く雑然としていたのです。一回フラれたときも、看板のデザインには未練があるものの、後回し物件として、しばらく忘れていました。しかし、昨年から埼玉や栃木の純喫茶巡りをしてて、妙に東武伊勢崎線に縁があり、館林が思ったより楽しかったので、その延長線上で再チャレンジ。ふとした気まぐれ。本当にまったく期待せずの訪問だったのですが、かえってそれが良かったのでしょう。
いちいち新鮮&感動。
群馬県の純喫茶ランキングで一気に上位に躍り出ましたよ。
(群馬県は純喫茶が少ないので、ライバルは少ないのですが…)
最初の感動は、ドア開けてすぐの薄暗いクラシカルな空間。
めちゃくちゃ良くないですか?
群馬県には珍しい純喫茶度です。
1つはシャンデリア。私が純喫茶巡りを始めた頃は、純喫茶といえばシャンデリア。純喫茶のアイコンというイメージがあります。
灯りは消えていましたが、かえって退廃的なムードを醸し出しているので、寂れ好きにはこれもあり。
そして私の大好きなアダルトな黒いレースのカーテン。カーテン越しに透けて見える、コーヒーカップの写真がシュールです。
床も純喫茶らしい高貴な模様。床とカウンターは赤と緑の色違いのクッションフロアなのもニクイ。黒檀の置物、クラシカルなモチーフの入った焼き物の壁。お金は相当かかっていそうです。
物が多過ぎることは否めない。雑然としている。季節感無視でハロウィン、Xmasの飾りがそのまま。写真にも表れてますね。でも、実際その場に居ると、それ以上に遥かに純喫茶らしさが上回ります。
恋は盲目。欠点を欠点とは思わず愛すべき美点にしか見えないのです。そう、入店して一目見るなり、「豆の樹」に恋したのです。
カウンターの中からママさんに促されるまま、右手にある別室へ。雰囲気がガラッと変わります。
大きな窓から、たっぷりと陽の光が射す明るい空間。
窓辺には勢いよく伸びた木々。豆の樹だけに、珈琲の木でしょうか。鬱蒼とした葉の隙間から光が射し込み、濃い陰影を作り出しています。
ミロのヴィーナスも立っています!
シャンデリアもだけど、西洋の彫刻も、純喫茶度の上昇に貢献。
ママさんによると、本物と同じサイズ(原寸大)。「本物なら億するけど、これでも500万円する」と言っていました。本物なら、億どころの騒ぎじゃないでしょう?という言葉は飲み込みましたが、高いということは伝わりました(^_^;)。
ヴィーナスが冠を被ってるように見えるマジック。壁にかかっているリースが重なってるだけです。
さっきまでの薄暗い空間もだけど、こちらの明るい空間も、所狭しと物がゴチャゴチャと飾られていてカオス。閉店しましたが、町田にあった「珈琲の殿堂プリンス」と同じ路線なのです。それは持ち上げ過ぎ(美化)じゃ、と思われるかもしれません。しかし! 少し大袈裟気味にこのブログでは表現します。Twitterとインスタにも上げましたが、反応がいま一つだからです。凡百の雑魚だと思われてる(-_-;)。私の影響力がないから? そんな的外れなツッコミは却下です。さほど推してもいない店が受けることもあるからです。この差はブログでもありますが、SNSの方は段違い。お店の真価や私の影響力とは別のコントロール不可な力が働いている気がします。宣伝ツールとしては瞬発力があるので、上手く操ればブログの比ではないのですが、今はまだブログの方が正しく伝わる気がします。
それはさておき…
床はイタリア製の大理石。
壁にはレリーフがかかっていますが、これは完全体ではありません。
片割れが隣の部屋に置いてあります。
ママさんは海外旅行によく行かれるようなのですが、こちらのレリーフも海外で購入したもの。飛行機で運ぶときにサイズがオーバーしてしまい、切ったのだそう。
これ以外にも、高価なものとチープなものが分け隔てなく、棚にも床にも飾られています。ママさんに聞けば、色々教えていただけると思いますが、かなりの話好きなので、切り上げるタイミングが難しいかも(^_^;)。
スパゲッティー推し(イタリア直輸入の麺)なので、マーレーというピリ辛のナポリタンを注文。たしかに美味しい。ぷりぷりのエビ3匹、イカなどシーフードもたっぷり。量が多いので、お腹いっぱいになります。
+150円でミニサラダとコーヒー。
コーヒーはとろっとしたコクがあり美味。
贅沢を言えば、食後に出して欲しかった。スパゲッティーと同時に出てきたので。食後にゆっくりコーヒーを飲みたかったな、というのが本音。
なのだけど、お会計のとき、「セットの分はサービスです」と言われたので、そんな不満も一瞬で消えましたよ(^_^;)。ただよくよく考えると、消費税は別なので、実際には1000円オーバー。単に元々高いだけじゃ? でもまあ、ママさんのキャラとでもいいますか、得した気分になりました。錯覚なんですけどね。
あとね、「ウチは群馬県で一番古い喫茶店よ」と言ってましたが、これは怪しい。43年だというのですが、県内1位の座には最低半世紀は必要でしょう。高崎に「コンパル」があるじゃないですか。ただ、これも私もママさんのキャラでしょうね。その時は私も、「群馬一古い喫茶店!それは凄い」なんて驚いていました。本当にそう思い込んでたので、演技じゃありません(笑)。
店名入り玄関マット。マッチを期待しちゃいますよね!
しかし、渡されたのはヨーグルトでした。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
たけ
残念な話、どうやら12月でお店を閉めてしまうみたいです。
お店の雰囲気もおばさんの愛想とてもよかっただけに残念すぎます……
2021/09/13 URL 編集
エムケイ
でも、12月で閉店!
あの時はそんな雰囲気ありませんでしたが、とても残念。
営業時間が短いので行きにくいのですが、まだ日があるので、もう一度行けたらと思います。
本当に残念。
2021/09/15 URL 編集