どこからどう見ても、薔薇好き以外の何者でもない「喫茶 薔薇」があるのは、JRA中山競馬場のお膝元・北藤商店街。
「薔薇」って読めても書けないよね(-_-;)。
千葉県船橋市藤原1-6-10
Googleマップでは藤原1-6-9
最寄り駅はJR武蔵野線の船橋法典。ちょっと歩くんだけどね。
友人から「良かったよ」と聞いていたので行ってみようと思ったけど、営業時間も定休日も分からない。しかし、中山競馬場がすぐ近くにある。ということは、土日も営業してるに違いない。
ダメもとで日曜日に行ってみた。
ああ、やっぱりやってない。喫茶店には日曜日は行くべきじゃないね。でも、閉まってるからこそ薔薇のシャッターが拝めたと思えば、かえってラッキー。
それから3カ月後の土曜日。居酒屋など夜営業の店が多い立地なので、夕方に来てみた。ちなみに「喫茶薔薇」の隣は花繋がりで「居酒屋さくら」。
やってる!
おおーー! これは雰囲気ある!
横幅は狭いけど、奥行きがある。吸い込まれていく……。
カウンターが中心で、奥に三角形のテーブルが一つある。お籠り感があり、「そこしかない!」という良き席。
運良く先客がなかったので、聞かれるより前に、「ここいいですか?」と聞き、そこに座った。
しっとりと溶け込んでるので写真では分かりにくいが、さすが店名が薔薇だけあり、あちこちに薔薇モチーフの装飾があしわられている。壁に掛かってる絵の女性の胸元にも薔薇。
当時(昨年秋)は床に着目する高尚な文化が今ほどは盛り上がってなかったので、薔薇モチーフにしか目が行ってなかったが、後から写真を見直すと、素敵な床が写り込んでいた。
メニューが出てくるのを待ったが、「あまりないんですよ。トーストか飲み物くらいで」と言われ、コーヒーを注文。
カップとソーサーは当然のごとく薔薇の絵柄。
もちろん、お手拭きのトレイも。
店内のBGMといえるものはテレビ。夕方の報道番組で、半グレをインタビューしたものが流れていたが、音声を変えた無機質な高い声が静かな店内に響き渡っていた。
帰り際にママさんと少し(いや、かなり?)お話させていただき、田舎にいると気が滅入るので、東京に時々遊びに行くという話が出た。「ここは田舎でしょう?」と話を振られたが、どうだろう。船橋はそこそこの都会ではないでしょうか(法典だけど)。
薔薇好きママさんに共通の特徴。こちらのママさんもお話好きだった。
お店の人に聞かなければ分からないことは、知らなくてもいい。その場で見たこと、感じたことに意味がある。長く喫茶店巡りを続けて、それが一番自分にとって心地良いスタイルになったが、しかし聞いて良かったと思うこともある。
あの三角テーブルコーナーの壁に飾ってあった、胸元に薔薇の女性の絵は、東郷青児氏の娘さんが描いたもの。そして、外の素敵な薔薇のシャッター画は、少しでも街が明るくなるよぅにとイラストレーターに描いてもらったもの。絵には、こだわってる。
しかし、分からないのは、カウンターにかかっている木製のメニューの「海苔とーすと」。「それはねえ…」とあるとも無いとも曖昧な反応。メニューは少ないのに、手間のかかる「海苔とーすと」。やってるの? やってないの? どっちなの?
「もう少しで閉めるから、はいどうぞ」
ゆで卵を1個渡され、「絶対また来てね」と社交辞令ではない心からの言葉で見送られ、すっかり暗くなった夜の北藤商店街を少し歩いた。今度は「海苔とーすと」を食べに行こうか。あるかどうか分からないけど。
昔は遅くまで営業していたが、現在は12時~19時。定休日は水曜日。ただし、これは訪問時点での現在なので、変更の可能性大。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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