下関では、どうしても行っておきたい喫茶店があった。
観光客が多く賑やかな唐戸地区の、歴史ある名曲喫茶「こいぬ」。
山口県下関市赤間町6-7
「名曲喫茶こいぬ」閉店後、「喫茶パーラー」として2021年6月再オープン
私が立てた夢のような計画では、「喫茶リバー」と「喫茶ひぐち」で門司港喫茶の洗礼を受けてから、関門連絡船で悠々と海を渡り、唐戸の街並みをふらり眺めて、開店時間ピッタリに「こいぬ」に入店し、お客のいない空間を束の間貸切、優雅に名曲に浸るつもりだった。
ところが現実は……
「ひぐち」はやってないし、船は乗れてないし、なんでかモーニングを2回食べてるし、「下関市民会館喫茶室」は覗き見するだけで改修中だし、バスを行ったり来たりしながら回り道した挙句、「こいぬ」に着いたのはお昼12時。
全然素敵な感じにはなってないね(^_^;)。
でも予定通りではなくとも、「名曲喫茶こいぬ」の素晴しさは本物だった。
ショパンの『子犬のワルツ』が店名の由来だろうか?
喫茶店との最高の出会いは一目惚れだけ。
近場の喫茶と違い、旅先の喫茶は一期一会。後からじわじわ良さが滲み出ることもあるが、基本入った瞬間こそが総て。
「名曲喫茶こいぬ」は一目惚れだった。
写真を見ると、よくありがちなオーソドックスな茶系だが、実物が醸し出すオーラは伊達じゃない。ドアを開けた瞬間、ゾクッとした。
店内は古い喫茶店に特徴的な高低差のある造りで、窓際が半地下になっていた。
しかし、半地下に座るとこここそが1階で、1階が中2階のようにも思えてくる。
ショパンではなかったが、ピアノ曲が迫力ある音量で流れていた。
名曲喫茶だから飲み物しかないと思い込んでたら、食事メニューもあった。
団体の観光客の席に、強面のマスターが鉄板ナポリタンを運んでいたが、とても美味しそうだった。お店に置いてあるガイドブックを開くと、「こいぬ」ではナポリタンが人気だと掲載。
知ってたら2回もモーニングしないで、ここでナポリタンを食べたのに……。観光客のテーブルを恨めしげに眺めながらアイスティーを飲んだ(ピンぼけ写真のため掲載せず)。
私にとっての山口県の純喫茶二大巨頭は、「純喫茶エトワル」(防府)とこちらの「名曲喫茶こいぬ」となった。
残念なことに、「名曲喫茶こいぬ」は閉店してしまった。
唐戸は下関の中心地。駅からは離れているが、旧下関英国領事館や洋館などが立ち並び、異国情緒漂う一大観光エリア。
名前は忘れちゃったけど、観光名所の波止場(?)。昔行ったことがある「フィッシャーマンズワーフ」(サンフランシスコ)に似てると思った。関門汽船が出るのも、この辺じゃなかったっけ?
光あるところに影あり。寂れた商店街もあった。
これ、最高でしょう? 小粒の電球の縁取りがド昭和なスナックの看板。
脇に書いてあるのは、東小路? 車小路?
ウロコ模様のおもちゃ屋「スズヤ」。
(訪問:2017年04月)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
枡矢です
2020/04/14 URL 編集
エムケイ
数日前、枡矢さんのことを思い出しましたばかりです。
まだ海外にいらっしゃるんですか?
新宿は先週末はガラガラでしたよ。
それはさておき(え?)、「唐戸ますや前」ですが、私もネット検索してみました。
何も出てきませんでした。
結構新しい感じの看板なんですけどね。
ショッピングセンターとかでしょうか?
(なんて書いてたら、どなたか地元の方から情報提供あるのではと少し期待してます)
2020/04/14 URL 編集
枡矢です
2020/04/15 URL 編集
エムケイ
2014年の夏なので、6年前です。
歌舞伎町の暗部にご対面でしたね。閉店してしまいましたが。
歌舞伎町といえばマリエールという喫茶店があり、深夜にCSでちょいちょい放送されるVシネマ(?)でここの喫茶店がよく出てきます。
山内大輔というネットで調べても情報がほぼない監督のなんですが、キャバ嬢とかホストのドロドロを描いたシリーズものでは決まってマリエールが出てきます。
くだらない内容なんですが、結構面白い。
って、どうでもいいですか。
え、帰国中なんですか。
在宅ワークは私と一緒ですね。
2020/04/15 URL 編集
枡矢です
2020/04/17 URL 編集
エムケイ
嬉しいです。10年以上経ってますからね。
>未開拓は、東北、島根、九州あたりですかね。
ですね。あと、四国の高知もです。大体が車がないとアクセスできない所が残ってます。
車はあれば便利でしょうけど、あればあったらで足かせになることもあり、身軽に動くなら車なしかな(^_^;)?
日本橋の恵の記事がベストですか!
書いた本人がもう内容を忘れてます。
昔の記事は読み返すと、「こんな事書いてたんだ?」と恥ずかしさで勢いで削除したくなることもあるので、見返すのは覚悟が必要です。
歌舞伎町マリエール、パリジェンヌ、クローバー。
クローバーのあのお客は、今ではマリエールかパリジェンヌに行ってるんでしょうね…。
2020/04/17 URL 編集