都心でも、いまいちピンとこない泉岳寺。
平日にすべきだったか? ひとけがなく無機質な街を歩きながら、土曜日に来たことを後悔。
してたら、「コモ(COMO)」は営業中だった。
東京都港区三田4-19-23
2020年1月閉店
やってないと思ってたのに。
ドアが家みたいで微妙だけど、この地ではやってることに意義があるのだ。チモトコーヒーの看板を横目に入店。
これは…とても良いよ。
狭いながらも、純喫茶のエキスがギュッと詰まっている。
黒の椅子で統一し、シックでモダンな内装。その椅子はつやつやと光沢を放っていたが、間近でよく見ると、同色の黒の材料で補修の跡があった。
十字架のようなクラシカルな模様のパーテーションも雰囲気あり。
BGMはクラシック音楽。
入るだけで充分だったはずが、良い意味で期待は裏切られた。
運良く、窓際の広いソファー席が空いてたので、そこに座った。
もし他の席だったら、狭い店だし、圧迫感あったかもしれないけど、ここだけ天国だった。明るく、広々してるし、お店の人の目が届かない。
目の前には謎なディスプレイ。
『おとこの夢』って何? 官能小説のタイトルみたい。
っていうか、本当はその隣の方が重要なんだけど。
LAGO DI COMO(イタリア北部にあるコモ湖)
こちらが店名の由来みたいね。
コーヒーを注文すると、パーテーション越しに豆を挽く音が聞こえてきた。
酸味のあるブレンドコーヒー。後からチョコレートも出してくれた。
使い込まれたシュガーポット。
謎ディスプレイのそばにマッチが1個置いてあった。
ひっくり返すと、壁に飾ってある絵と同じだった。コモ湖は表向きで、本性はこちらにあるのでは?と深読みしたくなるシュールな絵。
ママさんに聞いてみたが、前店主から居抜きで引き継いだときすでにあったもので、ビアズリーの絵ということ、それ以上は知らなかった。
ちなみに元は夏目漱石の長男のお嫁さんの店だったんだって!
外観からは想像できない由緒ある喫茶店だった。
エムケイ
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