夕方5時。
鉄剣タローから吹上駅に戻ると、すでに日が暮れて真っ暗。さすがに、もうやってないよね?
ダメもとで、駅の近くにある「画廊喫茶 蟻巣(ありす)」に向かった。
埼玉県鴻巣市吹上本町4丁目13-6
電気ついてる!
もしかしてアリの巣? もっと良い字はあるだろうに、それともコノ字使いたくてこの店名にしたのだろうか(逆当て字)?
邪悪な顔つきの蟻。
入り口には絵が飾ってある。画廊喫茶は本当なのね、と入店。
オブジェがあり、その奥が喫茶店…のよう? でもないのか… つかみどころのない店内。
カウンターに座る男性客はチューハイを飲んでいる。
あれ? ここって、もしかしたら喫茶店ではなく酒場? 引き返そうとしたら、人当たりの良いマスターに促されそのまま席に。 メニューはない。何があるのか聞くと、「コーヒーとか紅茶?」という返事。
良かった~ 喫茶店だった。
コーヒー(お菓子付)
しかし、どうにもリラックスできず、ソワソワしてしまう。それは、明らかに私が場違いな客だったからだ。
「近くに住んでるんですか?」
おそらく常連客以外入ってこないのだろう。違和感ありまくりな客の私は、軽く探りを入れられた。
この場を乗り切るには、✨空気を読めずに入ってしまったうっかり者✨という設定。
「鉄剣タローという自販機がたくさんある✨話題の場所✨があると聞いて、✨一度どんなものか見てみたい✨と思って来てみました。せっかくなので、どこか休憩できるところがないか歩き回っていたら、✨偶然こちらを見つけ入った✨んですよ」
まあまあリアリティーあるでしょ?
すると今度は、「絵は好きですか?」
なぜに絵? そ、そうか、ここは画廊喫茶。マスターの関心は私が絵に興味があるか否かだった。
「見ることは好きです」
それなら!と隣のギャラリーに案内された。
マスターが描いた絵が飾ってある。なるほどー!と感心していると、折りたたんでいた大きな屏風絵(?)をアコーデオンみたく広げて見せてくれた。
絵の解説に熱が入るマスター。うんうん、と話をうかがうこと10分。
「あっ! すみせん、どうぞ珈琲飲んでください。冷めちゃいますから」
思ったより話が長引かず安堵(笑)。
席に戻ると、すっかりコーヒーは冷めてる。今度は分厚い画集が出てきた。
須田剋太という司馬遼太郎の挿し絵を描いていた方のものらしい。吹上にゆかりのある画家で、マスターは後援会(?)の副会長。毎年10月に展覧会を開催。
「よかったら来年来てください」とポスターを渡され、親切にも偶然迷い込んだ私に駅までの道案内をしてくれた。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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