奈良県天理市田部町510-18
閉店
喫茶店というよりは、生活感のないお金持ちの家、という印象だった。不思議な感じがする。
誰もいないからかな?
そう、誰もいなかった。お客さんだけじゃなくて、お店の人も。
窓から植木の手入れをしている男性の姿が見えた。もしや、あの方が店主? 呼びに行くと、果たしてその通りだった(笑)。
内装は純喫茶そのものでとても素敵だった。
特に造りが良い。
カウンター、アールをくぐった奥の別室、窓が大きい半地下の3つに空間が分かれていた。それぞれで椅子も違う。
外観もスタイリッシュだし、もしかすると名のある建築家が手掛けた可能性も。
奥の別室を覗くと、壁がコルク、椅子は赤のベルベットで好み。だけど少し狭く閉塞感があった。この部屋がどうなってるか興味はあったが、もう見てしまった。好奇心を満たす以外に留まる理由はあろうか? メインの広い半地下に決定。
ところがやっと席が定まり座っても、気持ちがソワソワして落ち着かない。喫茶店に居るという気がしないのだ。内装はこんなに純喫茶なのに。
その理由が分かった。メニューの類が一切ないのだ。席に着きメニューを見る無意識の行為が喫茶店において案外重要だった。
「コーヒー、紅茶、コーラ……」
マスターが口頭で読み上げたので、アイスコーヒーをお願いした。
背が低いグラスで登場。
ストローを挿してみるも定まらず、フラフラと頼りなく揺れていた。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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