【甲西】喫茶 サンコー

滋賀県では彦根以外に湖南市にも行った。

お目当てはJR草津線の甲西にある「喫茶 サンコー」。

愛知や岐阜の喫茶店みたいで滋賀っぽくない外観で店内も素敵だったが、それ以上に生涯忘れられない体験をした。

甲西・喫茶サンコー1

喫茶 サンコー

滋賀県湖南市柑子袋288-51

そもそも滋賀っぽいって何?

前日に彦根の喫茶店を5軒回っただけで滋賀らしさを論じるのは尚早だと思うが、勝手に私が思い描く滋賀人像があった。京都の陰ですっかり存在が薄く、有名なのは琵琶湖くらい。県民の気性も質実剛健、喫茶店もきっと慎ましやかで地味なんじゃないのか、と。

Google mapのストリートビューで事前に外観写真を見てはいたものの、滋賀県にこういう外観の喫茶店が現役で残っているはずはないと、行くまで半信半疑だった。

実際営業時間、定休日その他情報はまったくといってなく、わざわざ行っても無駄足になる可能性があったので、京都の喫茶店でモーニングをした後お店に電話をかけてみた。

「雪がひどくなったら早めに閉めるかもしれない」

えっ!? サンコーやってるの? この日は朝から京都も雪がちらついていたので滋賀県はそれ以上に雪の不安がある。でもなぜかそれを心配するよりも、今こそ行くべきタイミングでは?といった、妙なポジティブ思考に陥り、即サンコー行きを決定。

JR草津線

山科からJR琵琶湖線に乗り、草津で下車。草津とはあの草津温泉の草津しか知らなかったが、滋賀にもあるのね。草色の列車に乗りこみ甲西に向かった。

甲西・喫茶サンコー2

なんとも味気ない風景!

こう言ったら住民の方は憤慨するに違いないが、甲西駅からサンコーのある東海道まで綺麗に整備されてるものの退屈な風景で、喫茶の目的がなかったらまず来なかっただろう。

その分看板が見えてきたときは一気にテンションが上がった。

甲西・喫茶サンコー 甲西・喫茶サンコー 甲西・喫茶サンコー

FFEEの4つ玉が可愛い。本当に、ここ滋賀? 岐阜でこういう喫茶やたら見てるので、まるで中京圏にいるような不思議な気分。

甲西・喫茶サンコー

そして店内にはこんなのもあるのだった。

甲西・喫茶サンコー

入ってすぐのメインの広い空間は常連のお客さんで盛り上がっている。

そこにずかずか入りこむほどコミュ力高くない私は、瞬時にそこを避け左手のひっそりとした空間に進んだが、たまたま座った席の壁にこんなアバンギャルドなプレートが貼りつけられててビックリ仰天。

甲西・喫茶サンコー

まるで目!

すごい! すごい! すごい!

すぐ脇にあるプレートの写真をもっと離れた位置から撮りたい衝動に駆られたが、あまり目立った行動をとって注意されたらこの後居心地が悪くなりそうなので、しばらくはじっと身をひそめ、こそこそと微妙な構図の隠し撮りをしていた。マナー悪くてすみません。

目以外にもこの隠れた空間には素敵なポイントが色々。

甲西・喫茶サンコー

お店の人がお好きなのか、壁には絵画が掛かっていた。

甲西・喫茶サンコー

外国人から見た日本の風俗みたいな絵とか。

甲西・喫茶サンコー

窓から見えるのは専用駐車場。

甲西・喫茶サンコー

隅っこがもしかしたら元は池だったんじゃないかという雰囲気。

ここ、かなりいいなあ。想像してた以上に純喫茶ムードたっぷり。

甲西・喫茶サンコー

入店したのはお昼だったので、ランチ推しだった。メニューも食事がかなり充実してた。でもお腹は少しも減っていないのでミルクコーヒーを注文。

甲西・喫茶サンコー

モーニングは3種類あるのか。値段はちょっと高いけど朝定食いいなあ~

JR草津線は1時間に2本ペース。30分おきなので帰りの時間を計算しつつ、そろそろかとお会計をし、店内の写真を撮りたいとママさんに言ったところ「どうぞ」。

甲西・喫茶サンコー 甲西・喫茶サンコー 甲西・喫茶サンコー

ヤッタ――! せっかくなのであの目の場所をいい感じに撮って、座れなかったメインの空間も…。うわっ! 鹿の頭がある! ああっ! カウンターが凄くカッコイイ。

ところが!

そんなのはサンコーの歴史始まって以来なかったらしく、私の行動は目立ってしまった。

「なんで写真なんか撮ってるんだ? 写真を撮るのはやめてここに座りなさい。話をしよう」

常連のお客さんに声をかけられ、「でも電車の時間が…」と口ごもってると、「次の電車にしなさい」。

ええーーーー! 次のって! 30分ないよ><

でも…なんだかんだで、そのお客さんのテーブルに座らされ、なぜこんな事をしてるのか、1人で回ってて危険はないのか? あれこれ質問をぶつけられもう大変><

「どうせならなんか食べていきなさい」と食事を勧められる。お腹空いてないのに~~><

ママさんから、「はいどうぞ」とメニューを渡される。うわ~~断れない>< まあ食べれば食べられないこともないし、ピラフを頼んだ。お腹いっぱいとはいえ、胃の中身はほぼ液体なので、意外に食べられる。食べ終わったので、さーーー出ようとしたら、今度は別のお客さんがコーヒーでも飲んでいきなさい。

もうこうなったら、成り行きに任せよう。それで皆がハッピーになれる(?)

結局次の電車も間に合わず、予定より1時間後の電車に乗り、京都に戻った。

とうとう目の壁を良い感じに写真に撮ることはできなかった(それどころではなかった)。

甲西・喫茶サンコー

あの時は、なんて店だ! という思いでくたくただったが、3カ月経った今となっては、この京都&滋賀の純喫茶巡りで真っ先に思い出すのがこの喫茶店となった。

利用金額

  • ミルクコーヒー 420円

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コメント

SHIHO

目の壁飾りはかなり印象に残りますね☆
そして、それ以上に印象的なお客さんたち(笑)(≧∀≦)
『写真を撮るのはやめてここに座りなさい。話をしよう』って!よほどエムケイさんの行動に興味津々だったのですね☆
東京からわざわざ…寒い中こんな所まで…話を聞くからには何かしらおもてなしを…という展開になってしまったのでしょうね(´∀`)

Googleのストリートビューで喫茶店の外観を確認する時って、見たいお店の前にトラックが停まってたり、道の反対側からだったりでヤキモキすること、よくあります(^◇^;)

エムケイ

>SHIHOさん
目の壁飾りは今だもってその意図が謎です。
お店の人がこだわっているという雰囲気でもないので、価値の分かるこちら側がお伝えしないと、取り外してしまいやしないかとヒヤヒヤします(笑)

ええ、お客さんは飾り以上に印象的です。
実のところは写真以前の入店時から注目されていたそうです。
お客さんは顔見知りの人ばかりなので、見知らぬ客がためらうことなく入店し、さっと自分たちとは別の空間に向かっていく姿が「あれ?」と思わせたようです。
ピラフもコーヒーも御馳走になってしまい、いい方たちでした。

> Googleのストリートビューで喫茶店の外観を確認する時って、見たいお店の前にトラックが停まってたり、道の反対側からだったりでヤキモキすること、よくあります(^◇^;)

分かります!
そう、なぜか狙ったかのように、変な角度にトラックのような背の高い車が喫茶店の前を陣取ってますよね(笑)。
たまにそのせいで、ひょっとしたら凄い店なんじゃと期待して行って、意外にたいしたことなくてガッカリというケースもあります。
ストリートビューマジックですね。

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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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