今回彦根で回った純喫茶の中で一番好みだったのが、銀座商店街にある「喫茶 紅屋(ベニヤ)」である。
滋賀県彦根市銀座町2-21
なぜこちらの店なのか?
端的に言えば、“純”だから。
内装がこうだから、店主のお人柄が良いから、コーヒーが美味しいから、そういう言葉にしやすいものじゃなくて、なんか得体の知れない感覚的なものを私は勝手に“純”と呼んでいる。少なくとも純は健全ではないかな。妖しげな感じ? ひっそりとした感じ? 全体の雰囲気から感じるものなんだけどね。伝わるかな?
ではさっそく「喫茶紅屋(ベニヤ)」について。
看板が素晴らしい! この独特のフォント、色合い。
紅屋の店名に相応しく深紅の椅子で統一され、天井には抽象的な模様のステンドグラス。壁は煉瓦調。
所々観葉植物が配され、目隠し代わりになっている。
オーソドックスといえばオーソドックス。特別珍しくない、よくあるタイプ。しかし座ってから身体が場に馴染んでくると、案外細かいところが凝っているのに気付いた。
近い所で言えば、テーブルの形。単なる四角ではなく、一辺が緩やかなカーブを描いている。
あとは、これ。
窓際だけ丸テーブルで椅子が可愛い!
背もたれがダイヤ型で、くりんと丸まった装飾で囲まれている。このコーナーは常に視界に入って、目を楽しませてくれる。座り心地で言えば、他のソファー的な椅子の方がずっと良いだろう。鑑賞用? 実際私もこのオーソドックな方に座った。
BGMも“純”な雰囲気作りに大きな役割を果たしている。
クラシックギターのラテン風の切ない旋律が流れていた。
どうせなら赤いものを頼めば良かったのに、あえて調和を壊すべくホットオレンジ。
多分だけど…天然ではないね(笑)。人工的な甘味だった。
ディテールにはこだわらないと書いておいて前言を撤回するようで気が引けるが、灰皿が深紅で統一されてるのは流石。しかもシュガーポットの下の部分も赤。帰り際にいただいたマッチも当然のように赤。
紅屋はとても素敵な純喫茶だった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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