江戸川区もアクセス悪し。
今回訪れたのは、東京の端にある篠崎新町商店街。千葉県がすぐそこというギリギリの境目にある。都営新宿線一本なので電車だけならさほどの不便はないが、とにかく駅から遠い。瑞江と篠崎のほぼ中間に位置。
正直こんな面倒な場所には行きたくないのだけど、この商店街に行きそびれた純喫茶が1軒があったので、20分かけて瑞江から歩いた。
東京都江戸川区下篠崎町13-12
閉店
その名は「蜂の子」。
律儀にも蜂の巣の中に蜂の子が入っている。
この形、珍しいかも。上に物が置けそう。
極めてオーソドックスな店内は、茶系の落ち着いた雰囲気。
すでにご近所らしき女性陣が賑やかにお茶していたが、そこそこの広さがあるので特にうるさくは感じなかった。
この店の一画に、蜂の子文庫という店独自のセレクションの本棚がある。
外観や内装よりも個性が出ているのがこのコーナー。もし人にこの店のことを聞かれたら、真っ先に蜂の子文庫と答えるだろう。
小説とか普通の本に紛れて、喫茶店を経営する人のための真面目な実用書が置いてあった。30年以上前の古い本だった。
特に気に入ったのが、紅茶のソフトドリンクのコーナー。
色合いに昭和独特のレトロ感がある。
ああ、左右が真っ二つに割けている。古い本だからしょうがないか。中央にあるフルーツポンチみたいなのがカラフルで素敵。ソフトドリンクというより、デザートだよね?
6番のグラスにたっぷりの、さいの目に切ったゼリーは紅茶のゼリーかしら?
写真ばかり見て、細かい説明は全然読んでない(笑)。
昔の喫茶店では、ソフトドリンクはこんなに華々しかったのだろうか? もしそうだとしたら喫茶店を切り盛りするのも大変。
ページをめくったら、ぱらっと昔の雑誌の切り抜きが本の間から出てきた。
NOWな女性にアッピールする!
笑っちゃいけないけど、NOWの部分に反応。ネタ抜きに現代だったら使わない言葉のセンス。これは相当古いんじゃないの?(^_^;)
週刊女性ネムネム・ファッション????
忘れられてた昔の広告が日の目を見る瞬間。興味はある。しかしこれ以上は、蜂の子のレポとは違う昭和文化の研究とか別の路線になってしまうので、ひとまず終了。
そうそう、ここは喫茶店なんだもの。注文しないとね。
トーストメニューが充実。のりトーストとかカレートーストなんていう変わり種も。
トースト、サラダ、コーヒーの揃った蜂の子セットがお得だし良さそうだけど、あいにく胃袋にその隙間はなかったのでレモンスカッシュを。
なんだかロマンティックなビジュアル。
ストローがくるくる螺旋状。いいね!これ!
(ペアルック着たカップルが、ハートの形をした二股に分かれたストローで1つの飲み物を飲んでる図が頭に浮かんだ)
さすが喫茶本で研究するだけある。しかも見た目だけじゃなくて、中身のレベルも高かった。氷は細かく砕いたもので、レモン果汁がたっぷり入ってた。
コースターも有。
なにこれ? 看板の蜂のイラストとお揃い! 嬉しい。
ここで再度蜂の子文庫に話を戻す。
想像だけどお客さんからの寄贈も多いんじゃないかしら? だって……
バンビの絵本を開いてみたら、
欄外に鉛筆で脚の蹄(ひづめ)が書き足してあった(^_^;)。
いくら何でもお客さんが店でこんな事するわけないだろうし、お客さんのお子さんもしくはお孫さんが存分に楽しんだ後捨てるのもなんだしでいつも通う蜂の子に持ち込もうとなったのではないかしら?
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
tama
遠いとしか言いようのないこの辺り(泣)
私が夏に訪問したときは、緑道をランニング・お散歩帰りの方々でにぎわっていました。お子様セットにはバナナが一本まるまるでてきて子供たちは大喜びでした。私も近々再訪して蜂の子文庫をチェックしてみようと思います!
2017/12/04 URL 編集
SHIHO
掘り出し物がありそうでワクワクします♪
紅茶のソフトドリンク特集…確かにドリンクというよりデザートですね☆
この時代のお菓子の本などは食器やテーブルセッティングが豪華で見入ってしまいます。
NOWな女性にアッピール(笑)
吹き出しそうになりました…(^◇^;)
「ハートの形をした二股に分かれたストロー」…の部分を読んだ時、ふと『かぼちゃわいん』のエルちゃんと春助くん思い出しました(*^^*)
2017/12/05 URL 編集
エムケイ
緑道…
歩いていたら、蚊にさされました。
蜂の子文庫、面白いですよ。チェックしてみてくださいね。
2017/12/05 URL 編集
エムケイ
> NOWな女性にアッピール(笑)
ネタ抜きに大真面目なところがむしろ受けます。
> 「ハートの形をした二股に分かれたストロー」…の部分を読んだ時、ふと『かぼちゃわいん』のエルちゃんと春助くん思い出しました(*^^*)
かぼちゃワイン、懐かしい。
「ハートの形をした二股に分かれたストロー」
たしかに出てきそうですね。
2017/12/05 URL 編集
さくらこ
この本(ソフトドリンクの)見に行きたい(笑)
こういうの好きなんですよ~。
4番のグラスなんて実用的じゃ無さ過ぎ!!運んでる時にこぼれそう・・・
篠崎は従兄弟が住んでいるのですが足を踏み入れた事はありません。
うちから遠いので面倒なんですよね。都内の端から端って感じですから。
わたし、エムケイさんのようにフットワーク軽く何処でも行ける方を心底尊敬してます!
2017/12/10 URL 編集
エムケイ
もし喫茶店開業とかでなくとも、自宅で喫茶メニューを再現したい人ならとても参考になると思いますよ。
そこまで本気でなくとも写真だけでも楽しめます。
4番は、こんなグラスあるんですかね?
実用性よりも面白さ重視ですよね。
私のストローも随分遊んでます。ハートでなかったのが幸いです。
篠崎は本当に端っこという感じで、体感的には船橋とかの方が行きやすいイメージあります。
しかもここは駅からも遠く、行きは歩きましたが帰りはバスを利用しました。
バスはやたら本数多く、数分単位でバンバン来ます。また自転車をビュンビュン飛ばす人も多く、歩いててドキッとします。
2017/12/10 URL 編集
ハコスカ
最近純喫茶にハマり、色々と参考にさせて頂いています。
純喫茶蜂の子ですが、家からも近くいつか行こうと思っていたところ、今日目の前を通った所、閉店の張り紙が出ていました…
早めに行っておけばよかったと非常に後悔しています。
2018/05/09 URL 編集
エムケイ
参考にしていただいて何よりです。
ところで蜂の子、閉店ですか?
ちょっと想像できないです。
ご近所の方のための貴重な憩いのスペースという感じで、現役の店という感じでしたので。
本当にいつどこが閉店するか分からないですね。
2018/05/10 URL 編集