湯浅は歴史のある町だった。
醤油発祥の地であり、400年以上前に建てられた古い建物を数多く残し、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
しかしすべては現地を歩き、初めて知った。純喫茶の下調べはしても、その舞台の町に関しては手つかずでまっさら。和歌山駅からJR紀勢本線で紀伊田辺方面、その程度の子供並の知識しかなかった。
ペデストリアン・デッキが景観には邪魔だと思うのは私だけではあるまい。
その点湯浅はエライ。駅を出て障害なくすんなりと町に溶け込める。一番最初に目を惹いたのが、一二三旅館&一二三食堂。
向かって左が旅館で、右が食堂。
ひふみと読むのだろうか。経営者は一緒だろうね。
食堂の窓はガラスブロックで埋め尽くされており魅力的だが、ドアの貼り紙は長期休業を知らせるものだった。いずれ再開するのだろうか? ここは入りたかった。残念!
隣は「珈琲館 シャルム」という純喫茶で営業中だった。細い階段を上って2階をのぞくと先客で席が埋まってたので、すぐに引き返した。
一二三食堂の左側の道を進み、散策しながらチェックしていた喫茶を目指す。
建物が少しゆがんだ古い木造の有田みかんの店。暖簾(のれん)には高級果実という文字。
高級果実というとマンゴーやメロンを思い浮かべるけど、みかんには庶民的なイメージしかないなあ(^_^;)。この店が出来た頃はみかんが高級だったのだろうか?
喫茶店ぽい建物があり近寄ると案の定。埃をかぶった自動ドアには喫茶・軽食の文字が入っているが、中はすでに空っぽの元・喫茶だった。
こちらが目的の喫茶その① 喫茶・軽食 ロワール。
2階に並ぶ窓ガラスが香ばしく、一瞬ワッ!とテンションが上がったけども…
外に看板も出てて、店内も電気がついてたのでドアを開けてみたが誰もいなくて、喫茶の雰囲気ではなさそう? ヤマザキパンが置いてあった。パン屋?
隣の美容室(?)のドアに貼ってあるシールがほのぼのしてて心が和む。
ロワールの現状確認を済ませ、次なる目的の喫茶その② キセイに向かったが、その途中で見かけた諸々を報告していく。
有田駅前通周辺商店街に有田みかんの店がもう1軒。オレンジ混じりで、さっきの店よりも、みかんみかんした外観。
ところでこの“有田”みかん、どこからどこまでが有田なんだろう。ここに来る前にモーニングした純喫茶「まるき」は有田市、こちらは有田郡湯浅町だけど、有田市と有田郡をひっくるめて有田みかんなのかしら?
喫茶店もあったが、縦長のテントが魅力的な「テル」はシャッターがおりてて、「ドンキー」は営業してたけどなんとなくスルーしてしまった。
この細道からキセイ方面までは道が細々して、迷路のようになっている。
あれは! 石碑の立つ角の建物に凄くそそられた。
特に琴線に触れたのは、端っこにある激渋の理容院。下の方は水色のタイルが細かく貼ってある。建物の形はどこか歪んだ感じ? 真ん中が内側に凹んでいて、ドアも斜めに設置されていた。
千原理容院という名前だが、左に「小鳥部」という赤文字が入っている。小鳥…部?
ええっ! 熊野古道?
随分と情緒があって歴史ありげだと思ってたけど、ここってそういう所だったの? もっと山奥にあると思ってたので、少し驚いた。
それに熊野古道って、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、世界遺産に登録されてなかったっけ?
世界遺産ならここぞとばかりにアピールしまくるはずなのに、どこにも書いてないのが不思議。
なんだか商店街みたく店が並んでいるけども、現役の店は少ない(それどころが全然ない?)。まるでシャッター通り商店街みたく、木の戸がおりた店がずらりと並ぶ。この先に、喫茶キセイがある。
キセイでは純な大箱ぶりを堪能。
次なる目的の喫茶その③は県道23号線沿いにあるのだが、その途中で1軒の喫茶店の前を通り過ぎた。
タナベというリカーショップで自家焙煎珈琲の喫茶店を併設している。こちらも下調べの際にチェックしているが、この日は定休日だった。事前に見ていた店内写真が小さすぎてどんな内装かよく分からなかったが、実物をこの目で見るためにも営業中だったら入りたかった。
次回は目的の喫茶その③からスタートし、湯浅の街並みの報告を終わらせる。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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