京都の人はこの辺を山科と呼んでいる。
それは京都市山科区にあるからという単純な理由ではなさそう。きっと区内でもそう呼ぶ地区とそう呼ばない地区があるんじゃないかと思っているが、それはこの記事の本題ではなくて、タイトルを付ける際【山科】にするか【東野】にすべきか迷い、私にとって自然なのは最寄り駅の方なので【東野】にしたということを、予めお断りしたかっただけである。
では、東野「純喫茶 リリー」を紹介。
京都府京都市山科区西野左義長町6
訪問したのは、雲仙でモーニングをした後。雨が降る中傘を差しながら、単調な面白みのない道を延々と歩き退屈だったという記憶が残っている。
高速道路(?)の脇の陰になった目立たない場所にひっそりと、だが魅惑的な外観でそこに佇んでいた。
ダートコーヒーは和歌山県でよく見かけるが、京都もエリア内なのね。
しかしながら、庇が純喫茶なのに、こちらは≪喫茶≫になってるのが解せないところ。たった一文字ではあるが≪純≫を省略するのには何か意図があるのだろうか?
でも素敵だから入っちゃうけど。
やっぱり素敵!
どこもかしこも全部好き。年輪があり、深みがあって渋い。
椅子がどうだ、照明がどうだ、壁がどうだ、みたいな一つ一つの細部を分析することにさほどの意味はない。全部なの、全部。
実際、落ち着いてみると、カウンターの土台(?)の部分は後から直したのか、北欧カフェなんかにありそうな白木でできてて、そこだけ不釣り合いではあったが、これも年数が立てば良い色合いになって馴染むに違いない。姫路城も今では不自然なほど白いが徐々に落ち着いてくると言われているし。
↓↓↓あと、これ見て↓↓↓
化粧室!
書初めか?と思うほど立派な毛筆体。
こここそが本物の京都ローカル喫茶だ、と早々に断言したいくらいの京都地元感。
先客はカウンターにおばあちゃん1人。大御所っぽい馴染みまくったオーラ漂わす、超常連客風だが?
我々が入店したのを見て、お店の人を呼ぶと奥から女性が出てきたが、もしかしたら大御所常連客に見えたおばあちゃんも店の人かも?
事実そうだった。大ママなのかしら。カウンターから立ち上がるたびに、「ああ、しんど」が口癖で、後から入ってきたお客さんと老いについて延々話をしていた。
メニューの表紙は、外の庇と同じタッチで百合の花の絵。
あとこれは偶然なんだけど、この写真、シュガーポットに百合の花が挿してあるように見えない? 奇跡の一枚。
まだモーニングサービスの時間内ではあったが、お腹いっぱいなので飲み物だけということで紅茶を頼んだら、カップがこれなのはどうして?
でも、こういうアンバランスさもお茶目で好き。
壁には手書きのメニューが貼ってあるんだけど、ここだけ切り取ると脱力系のゆるい店みたい。でも良いセンス! ひらがなで≪ふろーと≫にすることで全体のバランスが取れている。
壁には蘭の写真が掛かっていた。
帰り際にマッチがあるか、おばあちゃんマダムに聞くと返ってきたのは、
「そんなん、ないわあ」
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
おりか
2017/06/14 URL 編集
エムケイ
私も大好きです。
2017/06/15 URL 編集
有限会社コトブキ
京都市内に住む人々は山科区を山科と言い、山科区内に住む人々は山科駅周辺を山科と言いますが、東野は山科区内の人々や京都市内の人々は東野と言います。
東野が区別されるのは同じ区内に西野もあるし、椥辻駅周辺を山科区内の人々は椥辻と言いますので、管理人様の東野と捉える判断は間違えてません。
当方は京都市伏見区向島に住んでましたが、京都市内の人々は伏見と言わずに向島と言います。
つまりは京都市内の人々は細かな知名を主として言う傾向があります。
栃木県下都賀郡大平町富田出生の京都府京都市東山区博多町出身の京都府京都市伏見区向島育ちの愛知県丹羽郡扶桑町高雄中海道在住の有限会社コトブキでした。
2020/06/10 URL 編集
エムケイ
このブログで店名の前に【】でくくっているのは主に駅名ですが、駅前なら迷わずですが、どこの駅からも遠い陸の孤島の場合は、【】の中身をどうしようか悩みます。
>京都市内の中心地に当たる下京区・中京区・東山区(祇園)界隈を京都市内に住む人々は京都と言い、
この辺りはもしかしたら横浜もそうなのかな~?と思いましたが、明らかに田舎の横浜市在住の人も「横浜に住んでいる」と言ってるので、京都と横浜はまた違うかな~と思いました(^_^;)。
2020/06/10 URL 編集