【南千住】ニューダイカマ（閉店）

隈なく歩いたわけではないが、山谷の中でもこのアサヒ通りは歩きやすいという印象。

たしかに庇が破けた店がほったらかしの店が目立つけど。でも、そんなの全国どこの商店街でもよく見かける光景じゃないかしら？

それよりは純喫茶ラブを始めとして、地域に根付いた喫茶店が何軒か残っているので、何度か足を運び、一店一店目に留まった喫茶店には全部入った。

何度か足を運ぶうちに、窓に貼った可愛いシールが純喫茶っぽいニューダイカマというカレーの店がいつも気になっていた。だが、喫茶店ではないので胃袋のタイミングが合わずスルー。

この日は良い具合にお腹を空かせ、南千住からこちらを目指して歩いた。

やっぱりカレー推し。他にナポリタンやミートソースも有。

純要素ありのレトロな内装。

カウンターと小さなテーブル３つ程度のこじんまりした空間。

テレビでは劇的ビフォーアフター、途中から東ちずるの事件物に切り替わった。

料理はマスター、接客はママさん。２人とも気さくで優しい方だった。

同行者はナポリタンを注文。

楕円形の銀皿にケチャッピーな絵に描いたような昭和レトロなナポリタン。想像通りの期待裏切らずなルックス。

一方私の頼んだカレーライスといえば、

えっ！　なんか凄いの出てきた。

本格のインドカレーの店で出すようなアラジンと魔法のランプみたいな器で。

しかもなんか凄く黄色い。

（この写真は茶色く写っている。本当に黄色いのである）

定食屋で出てくるようなのをイメージしてた。ワンプレートの茶色いルーがかかった家庭のカレーみたいなのを。ちょっと驚いた。これ、多分驚いたのは私だけじゃないはず。ある意味期待裏切りまくりだ。

そして、この黄色いカレー。凄く美味しい！　専門的に味の描写が出来ないのがもどかしいが、美味しい美味しい言いながらぺろっと平らげてしまったのが、美味しさの証拠。今思うと普通なんだけどね。

具はほぼなく肉はほぼ筋状だったったので、肉々しさが苦手な私にとってはかなり理想的なカレーだった。

あー美味しかった、ごちそうさま。

…だよね？　えっ？

コーヒーも出てきた。スプーンには角砂糖。

メニューにはコーヒー付って書いてなかったけど……。サービス？

小さなデミタスカップだったので、残してもさほど心苦しさはない。でもそんな小さな心遣いが妙に嬉しくて、それに食べ終わった後はコーヒーが飲みたくもあった。

「カレーにはコーヒー合うよね」なんて言いながら、結局全部飲み干してしまったのだが、同行者が耳元でこっそり。

「さっき見ちゃった、ブレンディーだよ、これ」

えっ！　そうなの？　これだけ喫茶店を回って、これだけサイフォンだネルドリップだ本格的なコーヒーを飲んでいるのに、インスタントとの違いが分からない（笑）。

カウンターに堂々とブレ○ディーの瓶が置いてあるのを帰り際に確認。インスタントであることを隠さない姿勢が純だった。