【植田】珈琲館 角(かど)

野間食堂でラーメンを食べてから。

勿来にも行きたかったが、時間的な制約(純喫茶の営業時間)もあり、植田を選んだ。駅前にはひとけがなかったが、純喫茶には2軒入れた。

植田・珈琲館 角(かど)

珈琲館 角(かど)

福島県いわき市植田町中央1丁目9-8

植田・エリーヤ

先に入ったのは、友人からお勧めされてた「エリーヤ」。

青い天井、白い壁の良い雰囲気で、店のオリジナルドリンク「もみじ」を飲んだ。ミルクをオレンジジュースで割ったたもの。他にメロンジュース割りの「わかば」もあった。

植田ではここ1軒だけのつもりだったが、いわきに戻る電車まで時間が余ってしまったので、ぶらぶら辺りを散策。

植田・珈琲館 角(かど)2

珈琲館 角(かど)

どんな店だろう?

ドアは開いているが、中は薄暗い。おそるおそる中を覗き込むと、んんんん? なんか渋くて良さげ。植田に来ることはしばらくないだろうし、時間もあるし(←そこ)、入ってみた。

植田・珈琲館 角(かど)3 植田・珈琲館 角(かど)4 植田・珈琲館 角(かど)5

いぶし銀といった感じの、渋い茶系。

明かりを抑えた店内は薄暗く、小窓から射し込む陽の光がまばゆい。

カウンターや椅子は浅はかではなく深みがあり、幾重にも積み重ねられた年輪が感じられた。

中には寡黙そうなマスター。

こういう店ではコーヒーしか頼んではいけない気がする。

植田・珈琲館 角(かど)6

サイフォンで淹れたコーヒーは、すっきりとした良い後味。美味しい!

私は社交的ではなく、純喫茶巡りにおいても、店主と客という壁がなかなか越えられない。また、痕跡を残したくはないし、特別扱いされるよりは、その他大勢の1人として溶け込みたい、という思いも強い。

だが実際には、自身の理想とは相反する行動を取っている。

琴線に触れると、素の自分では有り得ない行動を取ってしまう。こちらでもそうだった。

「喫茶店巡りをしていて、あちこち回ってます。こちらのお店が素敵なので、写真を撮ってもいいですか?」

一見したところ寡黙に見え、そういうチャラい欲望を露わにした人間など軽蔑する違いない、そう見えたマスターだったが、意外にもあっさりと「いいですよ」と快諾。2016年1月で創業40年になると言いながら、お店のマッチを渡してくれた。

植田駅は以前スーパーひたちが止っていたが、2015年3月のダイヤ改正で通過駅になってしまい、東京から来る人にとっては不便になったこと、いわきは茨城県寄りなので天気予報も福島県のものより関東の方が参考になり、放送されるテレビ番組も東京と同じだといった、ローカルな話題も出た。

私が特急で「いわき」から来たという話をすると、その都度どこの喫茶店でも「平(たいら)ね」と言い直されたのだが、その理由についても教えてくれた。

いわき市は1966年に大規模合併で誕生し、旧平市にあった現在のいわき駅は、しばらく駅名が「平」だったのだという。

あーーー! 道理で! 地元の人にとっては、いわきは平なんだね。これまでムズムズしてた気持ち悪さが、スッキリ解消。

いわきの純喫茶は個性派揃いだが、その中でも、いわきについて教えてくれた「珈琲館角」は忘れ得ぬ純喫茶となった。

植田・珈琲館角マッチ
植田・珈琲館角マッチ (2015年10月)

利用金額

  • コーヒー

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コメント

バクゼン

No title
ご無沙汰してます。

自分でも思いがけない行動をとりたくなる、わかります!
つい昨日、私も、ふらっと立ち寄った地元の老舗喫茶で
ママさんに話しかけ…る一歩手前でひっこみました(笑)
今度行ったら、きっと話しかけると思います。

こちらのお店、本当に年輪を感じますね!
この深みや厚みって、何かで計ることはできないのに
はっきりと「感じる」ものですね。

エムケイ

>バクゼンさん
喫茶巡りも杓子定規ではいかなくて、常にライブ感覚です。

お店の人に話しかけるのも、良いタイミングがあっても、なんとなく躊躇すること。ありますよね。
次来たときは!と思って、それっきり閉店してしまったり。

お店の年輪、感じますね。
いくら古い家具をどこからか調達して、レトロ喫茶風な内装を実現しても、不思議と年季は感じないんですよね。
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エムケイ

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