【姫路】茶房 大陸

姫路での喫茶店巡りは厳しいものだった。

日曜日なので過度な期待はしていなかったが、新幹線もとまるし、世界遺産の姫路城もある観光地だから、それなりにやってるんじゃないかと思いきや、休み、閉店のオンパレード。さすがに朝からへこむ。

やっと入れたのが、洋菓子店の営む喫茶店「茶房 大陸」。

おでんケーキ？　入口にはネタっぽい菓子のPOPがかかってたので、もしかしたらフザけた雰囲気の店内なのかもと、おそるおそる入店。

薄暗い店内は、アンティーク調の正統派。

壁には重厚なエンブレムが飾ってある。

洋菓子店の喫茶というと、商品を全面にアピールする店が多く、喫茶はあくまでも併設という印象だが、こちらはむしろ逆。喫茶の印象が強い、というか喫茶の印象しか残っていない。たしか隅っこにショーケースがあった気もするが、薄暗いのでまったく何が置いてあるのか覚えていない。

椅子の背には店名入りで、老舗感を醸し出している。

好みのど真ん中ではないが、朝のスタートを切るにはふさわしい落ち着いた空間。

モーニングが750円。観光地価格だ。高い。

朝から散財をする気になれず、珈琲だけを注文したところ、

「モーニングは付けますか？」と店員さん。

なんと飲み物代だけでモーニングが無料で付くのだという。あの750円のは豪華なセレブバージョン？　そうだな、きっと（＾＾；　ただならもちろんお願いします！

濃いめのコーヒーに付いてきたモーニングは、半トースト、バナナ、ゆで卵。

充分過ぎる量だよね？

なんか表面ぷちぷちしてる？

薄暗かったのもあり、最初はもしかしたらチーズでも乗ってるのかな？と思い、口にすると、全く想像していない味がする。

甘じょっぱくて、時々粒々感もある。

甘さ×塩気。この組み合わせは鉄板。ハッピーターンもそんな感じだが、ハッキリこれはハマる。やめられない止らないの一気食い。

そんなこれまで経験したことのない美味しさのトーストは、

アーモンドトーストというんだって。

アーモンドバターというのを塗った姫路名物のトースト。あの粒々感はアーモンドだったのね。

某テレビ番組で紹介されたらしいが、姫路市内の喫茶店のモーニングで圧倒的に多く食べられている、とのこと。

知らなかった。全国に普及しないのだろうか？　こんなに美味しいものを姫路市民だけで独り占めしてるなんてズルいぞ。

個人的には、小倉トーストよりも好き。食べ終わった後にすぐまた食べたくなる。後引く美味しさなのである。

あれから日が経っているが、今でも時々あの美味しさを思いしてしまう。