日曜日の赤坂見附。
気になる喫茶店があり来てみたが、周囲の店同様休み。ただ、これも想定の上だったため特別落胆はしなかったが、駅までそのまままっすぐ戻るのもシャクなので、来た時とは違う道をテクテク歩いていると、植物が趣深い店に出遭った。
「生きている珈琲」のキャッチコピー、壁には「珈琲の店」。
東京都港区赤坂3-18-2
店名は「コヒア アラビカ」。
喫茶店? 営業中の札が掛かっている。入るしかない。
狭い路を挟んで向かいには、政治家が乗っているような黒塗りの高級車がとまっていて、圧迫感があった。
もしかしたら、そういう客が利用する高級喫茶なのかしら? 赤坂だし。
階段が緩やかなカーブを描いているのが不思議な感じ。
地下の店。
門前払いされなければよいが。思い切ってドアを開ける。
……普通?
秘密めいた薄暗い店をイメージしていたが、思ったより明るく健全。テーブルの配置は平板で、一瞬で店内が見渡せる。拍子抜けしてしまった。
先客はなし。外の車はただそこにとまっていただけである。
カウンターにはマスター。背後の棚にはコーヒーの黄色い缶が並んでいる。テーブルは10卓程度。それなりに高級だと思われる木のテーブルで、椅子には白い毛のクッション。壁は白の漆喰、アンティークな黄色い照明。シックと言えばシックなのだが、う~~ん(-_-;)
とりあえず珈琲でも飲む? 門前払いされてないし。
珈琲専門店らしい革のカバーがかかったメニューを渡される。
!!!!!!!!!!!!!!!!!
高い!
1400円だって!
真っ先に目についたのが、左上の1400円。値段のインパクトが大きく、ストレートコーヒーみたいだが、何の珈琲なのか全然頭に入ってこない! もっと高いのもあるし、2000円? え、なにそれ? 焦ってしまい、眼球が左右上下キョロキョロ。
一番値段が安いのはどれだ?
右下に800円を見つけ、ホッと一息。だが、これはケーキ。
ブレンドコーヒーがあった。1500円。
はああ~~~ 高い!
銀座の「カフェ・ド・ランブル」も高いが、それでもあの店で飲んだブレンドは700円だった。その価値も充分ある。こちらは倍以上の値段。
一体どれほどのレベルのコーヒーが出てくるのだろうか? そして、そんな高次元のコーヒーが出てきたところで、私にはそれを受け止める度量はあるのだろうか?
とはいえ今更引き返す勇気もなく、覚悟を決めて、マイルドブレンドを注文。
カップに「A」のロゴ。もしかして赤坂のA?
(後で考えたが、これはアラビカのAだと思う)
*
果たして1500円のお味は?
薄い。勝手に高い珈琲=濃厚、と思い込んでいたが、思い描いていたのとは真逆。酸味もあった。
元々私は濃すぎる珈琲は苦手で、程よい酸味はむしろ好き。良く解釈すれば透き通った味とも言えるし、だからこれもアリだとは思うが、飛びぬけて美味しいかというと、どうかな~? 普通に美味しい程度だと思った。
ミルクを加えると完成するタイプ? そう思い足してみたが、単にミルク分加算されただけで劇的な変化はなし。
もしかして、ただ高いだけ?(-_-;)
*
日曜日でもあるし、さすがにこの高さもあってか、他にお客は入ってこなかった。ヒーリングミュージックが流れ、とても静か。だが、それがかえって落ち着かず、長居できる雰囲気でもないし、ただコーヒーを飲んだだけだった。
赤坂の一等地を貸し切れた、という少なからぬ満足感はあったが、私にはそれ以上の価値を見出すことはできなかった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
あかりのまま
最近できたお店でしょうか
2016/02/09 URL 編集
バクゼン
私も、こんな店構えなら入ってしまいそうです。
2016/02/09 URL 編集
カカポ
1500円て...私も大昔、うっかり入った銀座のお店で同じような目に遭いました。『薔薇や』というゴウジャスで妖しい佇まいの喫茶店でした✨
2016/02/09 URL 編集
エムケイ
最近のお店ではないようです。
家に帰ってから調べたらかなりの有名店らしく(私は知りませんでした)、日本一高いとか、50年近く営業してるとか、相当な老舗でした。
2016/02/09 URL 編集
エムケイ
緑の多い入口から勝手にお茶の水と神保町の中間にある「プリマベーラ」みたいな内装を期待してしまいました。
2016/02/09 URL 編集
エムケイ
銀座の「薔薇や」という店があったのですね。
ゴージャスで妖しいのですか!
それなら高くても入場料として割り切れるのですが・・・。
内装に惹かれる要素があまりなかったので、高い!と思ってしまいました(^^;
2016/02/09 URL 編集
chariot
でも、居直ってしまって値段のことを考えないでおけば、
それなりに楽しめます。
ただ、居直るのも勇気が要るので、2回しか行ったことがありません。
2016/02/09 URL 編集
エムケイ
どうやら有名な店だったようですね。
後から行かれた方のレポートを読めば読むほど、知らなかったからこそ入れた気がします。
値段の高さもですが、他にも色々高いハードルがあるようですね・・・。
2016/02/11 URL 編集
紅茶っちゃ
2016/02/12 URL 編集
わらび
2016/02/13 URL 編集
blackcoffee1964
確かに知らずに入ると驚くお値段ですね~
上野「北山珈琲」と同じぐらいでしょうか。
珈琲好きとしては経験したいところです。
勿論、余裕のある時に(^^;)
2016/02/13 URL 編集
いちプロ
赤坂近辺に住んでいる人がいたので 案内されて
入りました。おいいしかったですが、高かったですね。
新宿の「凡」 銀座の「カフェ・ド・ランブル」なども もう少し
リーゾナブルですから。
2016/02/13 URL 編集
エムケイ
長崎ですか。たしかに観光地はここぞとばかりに値段つけますね。
こちらのコヒアアラビカの値段の根拠は分かりませんが、ひとつに赤坂というのもあると思います。
あれから調べましたが、伊豆高原にも支店があるようですが、そっちではブレンドが1000円みたいです。
てことで500円は赤坂代てことになりますね。
あとは豆? 貴重な豆で輸入するのが大変とか管理が大変とかみたいです。
2016/02/14 URL 編集
エムケイ
30年前なら事前にネットで検索もないですし、あの店は店に入って、メニューを開いて初めて、値段を知りますものね。
>バブル真っ盛りの赤坂における神話だったのかと思いきや、その後の時代の波をくぐり抜けて来たなんて、更なる驚きです。一流料亭も、高級バーも、当時の赤坂を彩ったお店はもはや跡形もなくなっているというのに。
この部分はまさに私がなんとなく思ってたことを見事文字化してくれてます。
本当、今でも生き残っていることに敬意を表します。
2016/02/14 URL 編集
エムケイ
有名な店のようですが、調べて有名だということを知りました(笑)。
メディアの露出固くお断り、とかですかね?
「北山珈琲」
私もこちらのような店だと思いました!
まだ入ったことありませんし、どうもメンドクサソウ(^_^;)
いつか面倒くささを好奇心が勝ったときに行くかもしれません。
2016/02/14 URL 編集
エムケイ
やはり老舗だけに、入ったことある方は多いのですね。
「カフェ・ド・ランブル」ももちろん高い珈琲はありますが、間違って入っちゃった人でもなんとか飲める金額のコーヒーありますからね。
たしかコヒアアラビカでは最低1400円だったと思います。
新宿「凡」はまだ入ったことありませんが、値段は高いものの、ポットでコーヒー2杯分あるそうなので、ゆっくりしたいときはいいかもしれませんね。
2016/02/14 URL 編集