【錦糸町】喫茶 ニット

花壇街という錦糸町のエキスを凝縮した界隈にある。この裏にはラブホ城的な外観のギンギラギンの２４時間喫茶があり、私はソコも結構好きだが、ある意味濃いので人を選んで勧めている。万人向けなら、間違いなく喫茶ニットだ（決して無難という意味ではない）。

ここは内装もだが、外観にも純喫茶らしさが溢れている。

花壇街だからかな？　店先に花壇があるのにときめく。

ライトアップされた食品サンプルケース。

食事のセットメニューが充実している。

この店で最高に良いのは“高低差”。

入口から奥にかけゆるやかに傾斜し、奥から窓際を見下せる造りになっている。

茶系の艶々した椅子、目隠し代わりの癒しの観葉植物、ダイヤモンド型の鏡に優美なランプ等、魅力的なポイントは数あれど、それらを引き立てているのが、この高低差である。

どんなに広くて、席がゆったりしていても、どことなくのっぺりし落ち着けない店があるが、高低差があればまた違ったのかなと思う。

BGMはイージーリスニング。

奥の調理場には、蝶ネクタイのマスターがいて、たしかニットのベストを着ていたと記憶している。

まるで教科書のような純喫茶ぶりである。

それでいて夜には水割り片手にしっとり過ごしたくなるような艶っぽさもある。

この日はモーニングで訪れた。開店後まもなかったため席は選びたい放題。朝の恩恵を一番得られる窓際の席に座った。

モーニングメニューはABCの3種類。

Cのツナサンドに心が揺れたが、結局喫茶店らしいオーソドックスなA。

これは何？　お塩の蓋に音符。

引っ張ってみた。なるほどこうなっているのか。

こちらは純喫茶巡りを始めた頃に出会い好きになった店だが、何年経っても、何回訪問しても、ああいいな、また来たいなと思う。

錦糸町で一番と書いたが、よくよく考えると、東京の中でもかなり好きな純喫茶だということに今更ながら気付いた。