神奈川県藤沢市鵠沼石上1-5-15
閉店
この日は静岡県プチ遠征の日。新幹線を使うには微妙な距離なので、普通電車で向かった。先は長い。いただいた情報をもとに、中間地点にあたる藤沢で途中下車。
駅からは近い。
思い返せば数年前。北口にあるなら南口もあるだろう、的ノリで、「ただひたすら歩き回る作戦」で、南口を2時間ほど探索しまくった。一応、無くはなかったが、琴線に触れる純喫茶には出会えなかった。まさかこんなに近くにあるとは…。あの時間、あの労力。一体なんだったんだろう?
これからは、己を過信するのはやめ、人からの教えを乞おう、と思った。
ゲーセンやら、パチンコ店やら、時代に取り残されたような、猥雑な一角。飲み屋が集まる、奥田センター飲食街入口にあった。
ハマヤ珈琲という、見たことのない珈琲銘柄の看板。
裏側はこのようになっておりました。
使い込まれた渋い木目調のドアに手をかけ、店内へ。
山小屋風のランプが天井から下がり、
漆喰の壁に木製のテーブル、椅子。
窓際は少し段差があり、転びかけた(笑)。バリアフリーの概念などない時代の名残ですね。
ところで、この椅子。背もたれが見たことのない独特の形状をしている。脚もまた独特で、ギザギザしてて、なんかエイリアンのような。
うっすら漂うH・R・ギーガー色。地味にカッコイイ。
いわゆるモーニングセットというものは無いが、トーストやサンドイッチのセットが多数。おそらく終日注文可。
セットドリンクは珈琲、紅茶、カフェオレ、ミルク(アイス可)から選択。1日の始まりは珈琲で。
これがこの日、私の朝食、チーズトーストセット。
マスターは寡黙な雰囲気だった。ベストに蝶ネクタイという伝統的な純喫茶ファッションに身を包んでおり、お客とは一線を引いているような印象。
ただ、メニューを見ると、所々表現がポップだった。
例えば、ウィンナーコーヒー。カッコ書きで、(クリームたっぷり!!)
あんみつ、みつ豆のあんこは自家製。北海道小豆を煮て甘さ控えめ。アイスクリームと合います☆
文末に!!や☆を使っていた。メールの絵文字のノリだろうか?
ピンク電話が鳴った。
「はい、はい、今、忙しいので…💢」
忙しいって。客は私だけなのに。(ノ゚ο゚)ノ 単純にセールスの電話をあしらってただけかもしれないけど。
あまり話したくないタイプなんだろうか? でも、どうだろう?思い切って、話かけてみた。
喫茶店好きであり、椅子が個性的で素敵なので、ぜひ写真を撮らせてください、と。
すぐに相好を崩し笑顔になった。
椅子は特注であること、昭和50年代から内装を変えていないこと。自店に対する愛着を語るマスター。
「結構、写真撮っていく方多いですよ☆」
!!や☆が、目の前のマスターと重なる瞬間でもあった。
珈琲館 戸田屋 マッチ (2014年)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
散人
ふと思い立って検索したら、閉店していたというさびしいお知らせ↓↓↓
https://fujisawa.goguynet.jp/2020/02/07/todaya/
随分前に1回利用しただけでしたが、この小さい商店街自体が魅力的でした。
藤沢駅近辺では北口の「灯」後に入った、カフェ的?な「もるげん珈琲」も
閉店しています。
2020/08/14 URL 編集
エムケイ
あの小さな商店街はグッときますよね。
「灯」も懐かしい。
閉店後の「もるげん珈琲」のことは知りませんでした。
外観写真を先ほど見ましたが、滅茶苦茶「灯」の面影ありますね!
2020/08/16 URL 編集