喫茶店まで自転車で向かった。
気仙沼行きは当日決めたので、場所確認は現地。
レンタサイクルのスタッフのお姉さんに聞くと、地図にマーカーで印をつけてくれ、「この道を左にまっすぐ行ってくださいね」と親切に道順を教えてくれた。
観光客に優しい気仙沼。好印象です。
なぜ自転車を借りたかというと、駅から離れているので時間節約のため。
今だから白状すると、お目当ての喫茶店は1軒だけ。当日朝お店に電話したら営業してると言われ、晴れてるし(前日は台風)。それだけで来たのです。
それ以外……全然考えてない(笑)
旅先での純喫茶巡りに関しては今でもロマンを大切にしているので、行く前から必要以上に下調べしたくありません。しないとは言いませんが、最低限。1軒お目当てがあれば、現地で思わぬ出会いを期待したい。
ねっ!素敵でしょ?
とはいえ、気仙沼、本当にそれ以上何もない可能性もある。
もし他に何もなかったら、さっさと引き返し、一ノ関で純喫茶巡りをしようと考えていました。友人から10月に閉店するラーメン推しの喫茶店があると聞いていたので。
ちょっと良さげな気になる物件はポツポツありますが、足を止めるほどのものはありません。これは気仙沼2時間コースかな?
ペダルに力を入れて、喫茶店のある市街地を目指します。
結構キツいカーブを曲がると、えっ!
西洋建築もどきの建物があるじゃありませんか! 「もどき」なんて言い方失礼でしょうか? 交差点の角に堂々と立つ美しい建物です。
さすが気仙沼! 三崎港(神奈川県)もそうですが、漁業で栄えた港町には、その繁栄を象徴するようなゴージャス感漂わす西洋建築をよく見かけます。
美しいレリーフの装飾。今は景観のためだけに立っているのでしょうか? 装飾は西洋なのに、そばに書かれているのは、味噌、(醤)油の文字。日本の食文化です。右から左に読むんでしょうか。
足元のタイルも綺麗。
和洋折衷という点では、グッと俗っぽくなりますが、こちらも。前から見ると洋風のスナック、後ろは和風の木造。
こういう頭でっかちの斜めテントは純喫茶でもたまに見ますよね。神田の「ロフト」とか。店名にちなんだ「ブーケ」が入口に飾ってありますが、私の願望かもしれませんが元は純喫茶だった気がします。
町内商工案内図。昔を知る資料になるので、すかさず写真を撮ります。
(流れ上喫茶店に向かう途中を装ってますが、写真を撮ったのは帰り)
他にも小ネタはいくつかありますが、冗長になってしまうので省略。
ひなびたお土産屋さん「山豊」を発見。
いいじゃないの!この感じ好きよ。これは2時間コースは無理。観念しました。骨を埋める覚悟で、じっくり気仙沼と向き合うつもりです。そう簡単に来れる場所じゃないですしね。
市役所。
「八日町」というそうです。
マンホールの蓋は消防車。たしかに火を消すときに水は使いますが、こういうのはその土地の名物を絵柄にするんじゃないでしょうか?
気仙沼に事務機器やデザインルームなんてあるの!? いや、もちろん役所がそばにあるしそういう需要があるのは分かるけど、気仙沼にそういうものを求めていない。漁師的なものだけしかないと思っている(^_^;)。ひなびた漁村というイメージ。気仙沼の何を知ってる?って話ですが、それを望んでいるのです。憧れの気仙沼のイメージ以外は受け入れたくない、見たくないのです。
たとえば、こんなの。魚モチーフの飾りのついた街路灯。こういうのを求めているのです。
ゆるい字体で「くるくる喫茶」。えっ!? 喫茶店!?
中が丸見え、とてもシンプル。やってる感じがないし、まあ…ね。
ファザードが凝って年季の入った酒屋「成澤」。縦長の看板には「なりさわ」とあります。
「くるくる喫茶」と「成澤」の間の道を南下すると、目指す喫茶があるのですが、きれいめ新し目の建物が多く、形は古そうなのですが、渋みがありません。海の近くなので、東日本大震災の大津波で……その可能性は大。迂闊な事は言えません。
人気もない静かな通りを自転車ですいすいーと喫茶店に向かいます。っていうか、そろそろイライラしてきませんか? いつまで「喫茶店」って言ってるんだよ!名前出せよ、という声が聞こえてきます。まあまあ、お待ちくださいね。
おっ!渋い建物。この通りで初めて自転車を止めました。
「珈琲専門店ヴァンガード」。趣がありますが、生気がありません。東日本大震災の影響で廃業してそのままだと思い、あっけなくスルー。
のちにこちらは現役のジャズ喫茶で、この日は定休日だったという事を知る。私好みの渋くて枯れた風情の茶系の内装写真(おお…)。思い付きで来ると、こういう事もあります(-_-;)
お目当ての「喫茶店」が見えてきました。まん防の期間でしたし、海の近くなので、魚のマンボウと勘違いしてしまいますが、「喫茶マンボ」。
開店時間から15分ですが、店の前には車。続々とお客さんが入っていくのが見え、私もすかさず入店。次回は「喫茶マンボ」の紹介をします。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
ななむ
西洋もどきの建物は昔はお料理学校でした!
震災前はもっと素敵な建物があったのですがいまはすっかり跡形も無くなってしまい残念です😭
2022/01/15 URL 編集
エムケイ
お返事遅れて申し訳ありません。
すっかり見落としてました。
西洋もどきの建物はお料理教室だったんですか!
味噌、(醤)油の文字があったので、西洋風ゴージャス系の建物と噛み合ってないなあと思ってましたが、そういう事だったんですね。妙に納得。スッキリしました。
震災前は…
私も歩きながら、新しい建物多いなあ…気仙沼なら震災前はもっと古い建物があったんだろうなあ…
そんな事考えながら歩きました。
2022/01/30 URL 編集