東鶴賀町が元遊郭・鶴賀新地だということを帰京してから知った。
遊郭愛(?)がほぼない私にとって、別にスルーしてもさほどの痛手はないはずだが、軽くガッカリしている。純喫茶と同じでこの世界も一度失われたら最期だからだ。下調べさえしておけば。
とはいっても、珈香を出た後、無自覚なまま少しだけ東鶴賀町らしきエリアを歩き、ぐるりと一帯を散策しているのでレポートしておきたい。
無自覚にというのは、珈香の向こう側というのが、西鶴賀町以上にがらんとして見るべきものがなさそうに見え、軽く流しただけだから。
ただ、なんとなく雰囲気的にここは何かありそう(独断と偏見)と感じた所がポツポツあったので、すかさず写真を撮っている。
これとか。
これも。タイル地の壁に切手みたいな菱形の装飾。なんでここだけ?
これとかも。
赤い丸ポストがぽつんとあり、妙にほっこり。
この辺は道幅に対してやけに閑散として寂しく、歩いてても虚しくなってしまい、適当なところで右に曲がった。
どう見ても喫茶という雰囲気ではないが、昔は喫茶だったのだろうか。「喫茶フレンド」という看板があった。
えど家
これはなんだったっけ? ホテルとか(覚えてない)?
う~~ん、こちらも。どことなく影がある。
長野中央病院の近くをウロウロ。
しかし陰があるといえば、ここが一番ではなかろうか。
2階の小窓には格子が嵌っていた。
このわき道がどことなく日本特有の湿っぽさがあって、でも一般の家みたくもあり、足早に駆け抜けた。
飲食店もあって、建物は新しいみたいだし、気にし過ぎかしら?
あっ!
床屋イガラシとキング堂のある角に戻ってしまった。なんだかねじ式みたいね。
この角を左に行くと権堂駅方面、右に行くと珈香方面。どうせならまだ歩いていない道を歩きたい。そのまま真っすぐ進んだ。
デジャブ? この手の場所を歩くと必ず鳥居に出会う。
古いアパートの細長い電灯。なんか湿っぽい。
適当な所で左折すると、長野カトリック教会。
寺
随分と信仰心の篤い人が多い場所だ。ここからそう離れていない場所に善光寺もあるのだった。
そして、また元の権堂商店街アーケードに戻ってきたのだった。
ビルの名前はレッドコア扇谷。
スナックに紛れてマッサージの店もあり。ここでもタイ、バリが。
内側のエレベーターも赤の円筒形。まるでマトリョーシカだ。
このビルの建つのは権堂東入口という交差点で、左右の通りにも飲食店がズラリと並んでいる。
気になる店一覧。炭火焼肉「銀座」が少しツボ。どこに行っても銀座っていう店あるんだなと感慨にふける。
でもこれから出会う店は、これらを雑魚に思わせてしまう破壊力があった。
Night Town '60
でかでかと掲げる'60のインパクト。
なぜにそこまで60年代推し? 60年代風の内装で店内を固めているのだろうか? Night Townというと、夜の町。
'60の脇から入ってみた。
なんて即物的な。バズーカにまたがる女子のイラストには「突撃キャバレー ミッドウェイ」とあり、その下には「ミッドウェイ ワンダフル」とある。どれが本物の店名だろう?
入口がマジックミラーになっており、倉敷市水島の喫茶Qのイヤ~な感じが頭をよぎった。
隣の建物の2階もなんかありそうな感じ。
わき道にはクセのありそうな店と店舗跡がズラリと並んでいた。
この日は長野電鉄1日乗車券(結構高い)を購入しているので、権堂は充分堪能したのでこの位で終わらせ、次に移動することに。
駅に向かう大通り沿いからふと脇を見ると、さっき雑魚扱いした銀座が見えた。
こうやって眺めると、かなりの貫禄。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
カカポ
おはようございます。
東京の向島とか京島などには、おっ!というようなデザインの建物が残っています。今ではどこも製造していないタイル張りや波ガラスの嵌まった窓など。
地方の元遊郭も 廃れながらもクセの強さ、なんかありそう感出しながら 生き長らえているのですね。
おっしゃる通り、日本独特の湿っぽさが往時の面影を濃くしているようです。
純喫茶探訪の副産物は、こうした物件の再発見でもあります。
いつもありがとうございます。
2017/10/04 URL 編集
エムケイ
元遊郭に関してはかなり粘り強く興味を持たないと、詳細な住所等調査が必要なので、結構適当に歩きましたが、なんか匂うぞみたいな空気はあるような気がします。
勘違いかもしれないけど。
純喫茶なんかも時に微妙に怪しい(これ以上首を突っ込んではいけない)というお店があります。
これが本当に怪しいのか、怪しく見えるだけなのか、実際のところは分からないのですが、分からないからこその面白さもあり。
純喫茶を回ってるとそれ以外で興味深い物件と出会います。
2017/10/06 URL 編集