前回で書ききれなかった西鶴賀町散策の続きを。
見どころたっぷりの商店街(というか歓楽街?)で、現在は寂れきっているものの昔栄えていた面影があちこちに残っていて、その都度足を止め、いつまでたっても先に進まないのだった。
今回は第2の山場、西鶴賀ビルから始める。
第1とか第2とか、本来山場は1回だけな気もするけど、それだけ盛り上がりが何度もあったということで、どうかお許しください。
西鶴賀ビルはスナックが入っている古いビルだが、2Fには喫茶店を連想させる「コンパル」というスナック、地下には「茶亭さくら」という喫茶店の店名がテナント一覧に並んでいる。
実際の店舗はといえば、2Fは「チェンマイ」というスナック、地下は「ニューたんぽぽ」という店名なので、これは昔のものではなかろうか。
ニューたんぽぽは店名だけ見るとニュー○○系の喫茶ではと勘違いしそうだが、どう見ても喫茶という感じではなく、スナックかキャバクラではなかろうか。居抜きで喫茶時代の内装のままの可能性はあるが、それだけの理由で中に入る気にはとてもなれない。
なぜか店名なしの謎のステンドグラス模様の看板で目隠しをしてた。
このビルで一番テンション上がったのは、こちらの「パブハウス ロマネスク」。
入口の看板には「パーティー コンパのロマネスク」と書いてあったので、コンパなのかしら? 江古田コンパとか閉店したが武蔵小杉にあったコンパブラジルみたいな。
何よりもこのロマネスクを魅力的にしているのは、このシュールなメイド風の黒人キャラクター。
窓のあちこちに貼りつけてあって、数えてみたら12個あった。
ロマネスクのフォントも凄くいいし、ここはまだ現役みたい。中の様子が激しく気になる。どなたかレポしていただけないでしょうか(他力本願)?
「すいとん」という戦時中を連想させるような割烹店は、壁の下の方が下田でよく見かけたなまこ壁になっていた。
まちをきれいに
少し先にまた気になるビルが!
一瞬歌舞伎町の「風林会館」を思いださせる「大八会館」の看板。
「ともこ」の看板から目が離せない。
隣がパン屋さんになってて、なぜかホッとする。
勝手なイメージだけど、パン屋さんや洋菓子店には健全なイメージがある。普段健全なものは物足りないとか言ってるくせに、さすがに不健全続きだと健全さが嬉しい。
エビス顔のイラストのエビスヤ。
くるくる回る看板が80年代のファンシーチックで気に入ってしまった。実はこれと同じものを別のパン屋の店頭でも見かけたので、もしかしたら長野市で共通で使われるテンプレート看板なのかもしれない。
下が石になった「スナックふれあい」。こちらは普通に和風なルックスだが、「タイ調味料売ってます」の貼り紙あり。さっきの西鶴賀ビルにもチェンマイという店名のスナックもあったし、この通りはタイ出身者が多いのだろうか?
かといえば韓国系も。「釜山港」という閉店した店舗もあった。
そしてやっと訪れた第3の山場。
床屋のイガラシ。
ああ、この丸み、このフォント。うっとり。
キング堂
こちらの2軒に関しては言葉は不要でしょう。文句なしに渋い。どちらも現役の様子。
個人的には、イガラシとキング堂が立つこの角が一番の大ヒット!
その後では小粒感を感じてしまうけども、下記の店も琴線に触れた。
とりわけ響いたのが、円(まどか)の看板。
山小屋というよりは山荘といった感じのアルプス。
すずやも少し惹かれる。
西鶴賀町の散策も終わりに近づき、飲食店に共通の特徴があるのに気付いた。
何度か言及してるが、石になってたり、なまこ壁になってたり、このように石が貼ってあったり、派手さはないもの壁の下部を地味に装飾してる建物が目に付いた。
これはこの地域だけの特徴なのか、歓楽要素の強い商店街なら全国的に持つ共通点なのか。どうなんでしょうか?
そろそろ終わりが見えてきた。目的の純喫茶まで近いが、これまで飲食店ばかりだったのに急にホテルが2軒登場した。
宿泊5000円のエイラクというホテル。
隣は民家みたいだが、オーラが強い。
向かいは「HOTELプレジデント」。
よりによって駅から離れたこの場所に固まってるのだろうか(といっても2軒だけだけど)?
このときは妙にテンション高く舞い上がってたので、「なんだかここ凄い!」くらいの感想しか沸かなかったんだけどね。今思えば、なんでだろう? やっぱり元遊郭だから、なんて考えてた。
実は突発的に長野行きを決めてしまい、遊郭に関して下調べを一切してなかった。
お気づきだと思うが、私にとって遊郭とは、昭和の遺産という意味で遊郭建築に興味はあるものの、あえてそのために遠くまで行くほどではなく、あくまで純喫茶のついでという立ち位置にある。なので、「ここが遊郭ですよ」みたいに公の地図で広く明かされてないし、遊郭がどこにあるのかそれすら知らない。そもそも遊郭の特徴もあまり知らない。丸窓とかタイルとかかな~?みたいな適当な知識がある程度。
おかげで今回も遊郭跡がどこか正確には知らずに赴いたため、恥ずかしい話だが、ここまで歩いてきた西鶴賀町商店会こそが元遊郭だと思いこんでいた(笑)。凄いな~、さすが、みたいな。
こちらが目的の純喫茶だが、この先は東鶴賀町になる。遊郭跡地の鶴賀新地があったのは東鶴賀町だということを帰宅してから知った。
過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ない。これからは遊郭についても下調べをしようと反省したところで、次回は純喫茶「珈香」のレポートをする。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
あかりのママ
看板、いい味出してますね。
2017/09/30 URL 編集
あかりのママ
ホテルで家族で行ける店tぴうことでおすすめしてもらって行きました。懐かしいです。
2017/09/30 URL 編集
あかりのママ
2017/10/02 URL 編集
エムケイ
荷物になるのでスルーしてしまいましたが、今思うと入るべきでした。
アルプス、手作り餃子と山菜料理ですか。
アルプスという店名からして店主が山好きな気がしましたが、山菜取りも趣味なのかもしれませんね。
ロマネスクの看板可愛いでしょ?
これはオリジナルだ~~!と勝手にテンション上げてましたが、この記事をアップした日の朝、たまたま今治で入った自家焙煎珈琲アポニーのショップカードを見たらほぼ同一のキャラクターが印刷されてました。
てことは元ネタがあるか、無料素材みたいなイラスト集があるのかもしれませんね。
2017/10/02 URL 編集