続くときは続く。
阿佐ヶ谷の喫茶店「CAFE KEGON(ケゴン)」と「珈琲 雨水」の2軒が立て続けに閉店する。
喫茶店の閉店情報は色んな経路で入ってくる。しかしその数はあまりに多く、真面目に全てを追うと閉店喫茶巡りに終始してしまうので、ある程度自分の中で「ここは行く」「ここは行かない」の線引きをしている。阿佐ヶ谷は馴染みのあるエリアなので、迷うことなく最後に訪問。
まず先に向かったのは、KEGON。
この光景懐かしくない?
高架下にあった阿佐ヶ谷ゴールド街。以前はここに「洋食クロンボ」や純喫茶「可否茶館」があった。
※クロンボは移転し高円寺にて営業。
現在は様変わりし、すっかり新しくなっている。
横断歩道を渡るとその先には阿佐ヶ谷を代表する純喫茶「ギオン」がある。同じ通りにこれから入るKEGONがあり、さらにナカヤ珈琲店という具合に3軒の喫茶店がある。
ナカヤ珈琲店は2017年10月末閉店
一応全店訪問してるが、訪問回数には偏りがある。立地的に一番近いギオンの利用が圧倒的に多く、後の2軒は1回入っただけである。
KEGONの入口には閉店を知らせる貼り紙が出ている。8月26日に閉店。
店内が綺麗目だったので古くても30年程度だと思っていたので、創業53年というのは意外だった。
モーニングは11時30分まで。コーヒーのみもモーニング価格になり、コーヒー+トースト、それに玉子とサラダ、サンドイッチなど、かなりきめ細かいメニュー設定。※コーヒーを紅茶に変更可
この後のことも考え、トーストと紅茶。
モーニングの時間終了ギリギリに滑り込んだのだけども店内は大盛況。
奥の4人掛けテーブルには「予約席」の札があり、その隣の2人用の席についたら、店員さんから「どうぞこちらへどうぞ」とお声掛けをいただきありがたく座らせていただいた。
前回の訪問は2014年。聞き忘れたのか、ないと言われたのか定かではないが、マッチを持っていなかったので、忘れないようにこの日はしっかりいただく。マッチはクリーム色で、それ以外はこの看板と同じデザインのブックタイプ。
しばらく午後4時に閉店するという案内もあった。
当初は仕事帰りに寄るつもりだったが、休日にしていてよかった。
次はハシゴしもう1軒の「珈琲 雨水」。
2015年開業という大変若くこれからの店で、いずれ訪問しようと思っていた矢先の閉店情報。阿佐ヶ谷でもこちら側にはあまり縁がないため、入店はおろか店の外観を見るのが今回初めてだった。
実を言うとなかなか見つからず迷った。迷うような場所じゃないんだけど?
スマホで検索したら、すぐそば。どこよ? キョロキョロと辺りを見まわすと!
注)最近長年親しんだガラケーからスマホにした。
えっ! これ?
さっき余裕で素通りしていた。全然気付かなかった。ていうのも看板の位置が悪い。建物の向かって右に付いてる。駅に向かって歩いている人なら見えるけど、駅から向かって歩いている人には見えない。
1階にも看板あるけど、引っ込んじゃってて葉っぱの陰になっている。
なんとか(^_^;)見付られたけど、これは隠れ家が過ぎやしないか?
ただ閉店するから言うわけじゃないけど、とても素敵な喫茶店だった。本物でないとはいえ看板に絡む植物だとか、店名のフォントとか、ひっそりとした佇まいといい、2階への薄暗い階段を上るときのワクワク感とか、喫茶店好きの心理をよくわかっていらっしゃる。
店内も照明を抑えて、漆黒のシックな落ち着いた内装。壁には品の良い絵が飾ってある。
無理に昭和レトロを演出している感じもないので、余計な気を使うこともなく、これは古い喫茶店とは別のツボにもうまくハマる。
控えめな店主の態度も好ましい。ちょっと近寄り難さは感じるが、もし通うならこのくらいよそよそしい方が丁度良い。
ブレンドコーヒーはこだわり抜いたといった感じの素敵なカップとソーサーに乗って登場。
さっきのKEGONで珈琲を飲まなかったのは、ここで飲むためだが、さすがツボを心得た美味しさ。好きなコーヒーにもいくつかタイプがあるけど、私が一番好きなタイプ。深いコクがあってうなる味。
自家製チーズケーキも素晴らしい。
あらかじめその評判は聞いてはいたが、これはなかなかのもの。同行者はガトーショコラにし、味見させてもらったが、かなりのハイレベル。密な固さがあった。
最終営業日は8月31日21時(L.O.20時)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
むう
2012年まで阿佐ヶ谷、高円寺に住んでおり懐かしい風景に鳥肌、その後涙が出ました。特にギオンの道を入っていくところに家があったので、、KEGONの閉店残念です。ゴールド街のところもこんな風になったのかあと家族にも見せしみじみしました。
現在、大阪在住で、こちらのブログを参考にさせてもらって純喫茶めぐりしてます。一番感動したのは船場の三輪とking of kingsです。涼しくなったら和歌山遠征もしたいと考えてます!これからもブログ楽しみにしてます!!
2017/08/24 URL 編集
エムケイ
> 2012年まで阿佐ヶ谷、高円寺に住んでおり懐かしい風景に鳥肌、その後涙が出ました。特にギオンの道を入っていくところに家があったので、、KEGONの閉店残念です。ゴールド街のところもこんな風になったのかあと家族にも見せしみじみしました。
阿佐ヶ谷、高円寺に住んでいらっしゃったのですね。
あの頃からすると、阿佐ヶ谷のゴールド街あたりの風景は大きく変わってますね。今はビーンズ阿佐ヶ谷という名前になってるみたいです。いつもはただ素通りするだけですが、この日は同行者が「なんか新しくなったね」みたいなことを言ってたので、写真を撮り掲載しようと思いました。
ギオンの道を入っていくところに家があったというと、KEGONは身近な存在だったのですね。
> 現在、大阪在住で、こちらのブログを参考にさせてもらって純喫茶めぐりしてます。一番感動したのは船場の三輪とking of kingsです。涼しくなったら和歌山遠征もしたいと考えてます!これからもブログ楽しみにしてます!!
ありがとうございます<m(__)m>
大阪は何度も行ってますが、行けば行くほどまた行きたい店が出てきます。
三輪もking of kingsも大阪の宝ですね。
和歌山遠征もぜひ!
2017/08/24 URL 編集
みこと
2017/08/26 URL 編集
エムケイ
この日にあった会合の参加者もケゴン行ったらしく報告ありました。
いつ再オープン決まったんでしょうね?
私が訪問したとき、気が利く若い男性がいたのでこの方が中心になるのかな?なんて勝手に想像しちゃいました。
どうなんでしょうね?
いずれにしても無理せず今後も続けて欲しいですね。
2017/08/27 URL 編集
村田
2017/11/24 URL 編集
エムケイ
ええっ! 知りませんでした。
肝心のケゴンは再開することになり、ナカヤ珈琲の方が閉店とは…
一度訪問したきりで、またもう一度と思ってましたが、それも叶わず。
残念です。
2017/11/27 URL 編集
ユートーモ
「ギオン」は私が子供の頃は、入口のドアが分厚いガラスだったように記憶しています。
「遠方近方」は、カウンター中心の明るい店でした。
「茶居花」は10年くらい前に別ブログで記事を書かれた方が居て、そのコメント欄にマスターの娘という人が、父は故郷に戻って酒屋をやっていますと書かれていた記憶があります。
「プチ・パレ」は南口の住宅街にあった瀟洒な白い建物で、1階が喫茶店で2階は
レンタルルームだったと思います。
北口スターロード商店街にあった「プチ」は、小学生の時は店の前を通って通学していましたが、大人になってから1度しか入ったことは無いです。
他にも、北口アーケードの入口にあった「阿佐ひ」は父親が友人との待ち合わせによく使ってました。
スターロード商店街には、「ぽえむ」もありましたし、ダイヤ街の向かいの通りの2階にあった「アランフェス」。
北口の中杉通り沿いにあった「西瓜糖」。
まだまだ、数え上げればキリが無いです。
2021/10/21 URL 編集
エムケイ
よく覚えていらっしゃいますね。現在でしたらSNSの普及などで写真を撮る人も多いのですが、おそらくそういう時代ではないですよね。
もし今当時の写真があったら、とんでもなく貴重な資料になると思います。
私も時々純喫茶巡りをする前の昔に訪れた喫茶店をネットで検索したことありますが、有名店でないので、まったく見つけられませんでした。
何度も訪れた喫茶店で、店内の様子もわりとくっきりと覚えてるのですが、なぜか店名が出てこない。
もし今その喫茶店の写真を見たら感動してしまうなあと思いました。
「アランフェス」が気になります。
音楽系喫茶でしょうかね。
2021/10/28 URL 編集
ユートーモ
昔のことって、よく覚えていませんか?
ご推察の通り、「アランフェス」はクラシックギターの曲が延々と
流れていました。
でも、名曲喫茶のようにおしゃべり禁止でも無かったハズです。
珈琲の値段が、周囲の喫茶店よりも安かった記憶があります。
カメラ付き携帯が普及してから、皆当たり前のように手軽に写真を
撮れるようになりましたが、私が阿佐ヶ谷に居たころは携帯電話すら
普及していませんでした。
なので、写真は残ってないですね~
2日に「ドイツコーヒー夢」に行く予定ですので、また報告いたします。
2021/10/30 URL 編集
エムケイ
ハッとしました。
現在の感覚だと覚えてられないのですが、昔の事は案外覚えていたりします。今の事はついさっきの事でも忘れてたりしますし……
「アランフェス」は思った通り!
クラシックギターの曲が延々と(笑)
想像通り、アランフェス協奏曲が由来の喫茶店なんですね。
阿佐ヶ谷は音楽系喫茶が強いんですかね。
「名曲喫茶ヴィオロン」もいまだ現役ですし。
2日に「ドイツコーヒー夢」
というと、明日ですね。
素敵なお料理と素敵な空間。楽しみですね。
2021/11/01 URL 編集