「珈林(かりん)が12月20日に閉店するんだって」
稲荷町の喫茶店でランチ中に聞いた。もうビックリ! 急いで店を出、慌てて銀座線に乗り渋谷まで。井の頭線に乗り換え、浜田山に駆け付けた。
最後にもう一回だけ行っておきたかった。
東京都杉並区浜田山3-31-2
※2015年12月20日閉店
吉祥寺を始め、井の頭線沿線にはそれなりに喫茶店はあるものの、純喫茶らしい純喫茶は少ない。あるのは、うっかりカフェに転んでもおかしくない雰囲気の喫茶店ばかりである。
だが、この珈林だけははっきり純喫茶と言い切れる店。
そして、1年前に「じゅんじゅん会」で訪れた、私にとって思い出深い場所でもある。
ここがなくなるのは、井の頭線の危機!
建物に直に書き込む店名、3連アールの窓。カーテンの隙間から覗くシャンデリア。嗚呼、純喫茶!
あれは!
閉店のご挨拶。
2階の喫茶は閉店するが、1階の大衆割烹「みち草」にて和風弁当は継続するとのこと。
そういえば店内で弁当を食べているお客さんいたかも。あれのことかな? 1階と2階のオーナー一緒だったなんて知らなかった。
これが最後の訪問になるんだな。
思ったよりは混んでいなくて、半分位席は空いてた。
とはいえ、適度にお客さんもバラけて座っているので、たいした写真は撮れず、
これや
これは1年半前の写真で代用。
できたら窓際の端っこのパーテーションで隠れた席が良かったが、ご近所マダムのグループがワイワイ歓談中。
反対側の窓際へ。ここも良い席。
リンゴと桃のケーキは切らしてるが、それ以外は全部あり、シフォンケーキが焼きたてでお勧めとのこと。
シフォンケーキか……。透明のケースに入ったホール状の姿が見えた。
う~~ん(^^; どうもシフォンケーキの良さが分からないのだよ。あのフワフワし過ぎた手ごたえのなさが物足りないというか。
チーズケーキのセットに。
お店の方に、「今日はたくさん出たので食事が一部品切れ」とも言われた。なるほど確かに食事のお客さんが多かった。一人でお弁当を食べている方、サンドイッチやご飯もの等をグループでシェアしている方もいた。
私も以前ここでドライカレーを食べたことがあるが、レトロな店内に似つかわしくない今風な盛り付けで、味も喫茶離れした美味しさだった。食事の後でなかったら、ここで最後に何か食べたかった。
華やかな柄の臙脂の椅子。
純喫茶のシンボルとも言うべきシャンデリア。
ゴージャスながら品もあって。
名残惜しむように1時間ほど過ごした。
普通と言えば普通だが、こういう王道の調度品で固めた純喫茶は、井の頭線で他には見当たらない。
駅前一等地であること、席がゆったりとしていて余白も多く、1人客でも気前良く4人用テーブルに座らせてくれることもあり、帰り間際には満席になってしまった。
しかもほとんどが長居客。私より先に居たお客さんの半分が、私より後まで残っていた。居心地が大変良い証拠。
駅のホームから見た、店の裏側。
コーヒーの香りに包まれて・・・ ゆったりした気分
喫茶店らしいコピーがいいね。閉店後もこの看板は外さないで欲しい。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
あかりのまま
年末に名店の閉店はさびしさもひとしおですね
2015/12/23 URL 編集
エムケイ
年末の名店の閉店は立て続けですね。
寂しくもありますが、この流れを止めることはできません。
2015/12/25 URL 編集
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2017/03/18 URL 編集
エムケイ
常連客がほとんど亡くなってやっていけなくなった、という話。
きっと多くの喫茶店が直面する現実なんでしょうね。
教えていただいてありがとうございます。
2017/03/21 URL 編集