【日進】コーヒーショップ　マロ（maro）

日進はＪＲ川越線で大宮駅の隣だが、随分と前に一度来たことがある。友人の家に遊びに行ったのだが、その時車で行ったからか、今こうして駅に降りても懐かしさが少しもわかない。

だらだらと歩き１５分ほどで五差路。

五差路に立つと、前後左右４方向の直観的な感覚がかく乱されるので苦手。ただ、区画整理されていない場所にこそ五差路はある。純喫茶を探すなら、五差路、、、だったりして。

マロが建っているのは、五差路の角。鋭角に沿った独特の形。

無理やり具合が千住のシビアと似ている。

店内は薄い。だが、通りに沿って一面大きな窓なので明るく、窮屈な感じはなかった。

なんとなくココア。

「今日は寒いですね」とママさんから話しかけられた。もしかしたら、見知らぬ客を訝しんでいるのだろうか？

とりあえず、「そうですね」と答えた。

緑色のブランド越に古めかしい建物が見えた。

私は交差点の喫茶店が好きである。行き交う人や車を眺めるとあっという間に時間が過ぎてしまう。ただ頭をからっぽにして、外を眺めた。

「寒い、寒い！」

常連のお客さんだった。ナチュラルに世間話が始まる。固い空気が破られ、一気に和やかになった。

その雰囲気につられ、存在感のある大ぶりのランプの話が少し訊けた。

フィリピン製のもので当時は高価なものだったらしい。花以外の部分は元は緑色だったが、このようにセピア色に変色したのだという。