神経を研ぎ澄ませながら甲府の中心部を廻る。
県庁や市役所からも近い商店街オリオンスクエアへ。特に主張がない外観の「画廊 珈琲 みちくさ」はあまりにもひっそりとしているため、気付かず通り過ぎてしまいそうになった。
山梨県甲府市丸の内1-16-1
※閉店
オリオンスクエアは元はオリオン通りという名称だったらしく、六曜館で見かけたマッチにもそう記載されている。オリオンと云うほど輝かしいものではなく、実際は入ったと思えばすぐ出口の短いアーケードであった。
珈琲よりも画廊の方が10倍目立つ看板。
入ってすぐの階段は画廊へと続く。喫茶スペースは1階。
黒で統一されたスタイリッシュな内装。レザー張りの壁には、所々ライトが白く輝き、額が掛かっていた。
カウンターには品の良いマダムが黒い服を着て、まるで保護色のように溶け込んでいた。
装飾は控えめだが、上質でセンスの良い空間。同じくギャラリーを併設している岡山の「B三共」をミニマムにした感じ。ど真ん中ではないものの、かなり好きな系統。
メニューもごくあっさりしたもので、ドリンクとケーキ程度(いい加減な記憶なので、他にもあったらごめんなさい)。
甲府は寒い。だが、日中に街中を自転車でぐるぐるしていると、体は暖まりむしろ喉が渇いた。
繊細な薄手の白いコースターに乗って出てきた、アイスティー。
ボサノバが流れている。
外のレンタサイクルを見られたのか、地元の人間でないことを見抜かれ、カウンター越にマダムから声をかけられた。
壁の書について説明してくれた。中込かず(難しい漢字で変換できず)さんという作家の作品だとのこと。前に2階の画廊で個展を開いたこともあり、かなり好評だったとのこと。「2011 画廊みちくさ 中込かず童謡書展」というタイトルの図録を見せていただいた。「月の砂漠」「どんぐりころころ」を始め童謡をテーマとする作品が載っていた。
せっかくなので2階も拝見。
1階喫茶が黒基調なのに対し2階は白を基調としていた。
5分位で見終った。
一見したところそれほど古く見えないが、創業66年、この建物で45年だという。甲府で一番古い純喫茶ではないかと思う。
2009年に一度閉店しているが、後に画廊併設喫茶として再開したのだという。
現在マッチはないとのこと。こちらも六曜館に飾ってあるマッチで代用。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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