【県庁前】珈琲 貴族館

ここは4年半前にも一度来たことがあるが、そのときはモノレールではなくＪＲ本千葉駅からアクセスした。

県庁前からでも本千葉からでも距離的には同じくらいだが、ブラジルに比べると県庁色は薄い。県庁職員もここまでは来なそう。

大網街道という大きな通りからわき道にそれた、少し目立たない立地。

すぐに入らず看板を眺めていたところ、店の前にとまっている車から女性が１人颯爽と降り、「どうぞ、いらっしゃいませ」と声をかけられた。

ターコイズブルーの艶やかなワンピースを着た女性。一瞬で場の空気を明るくする、華やかな雰囲気を身に纏っていた。

妖精のような軽やかな足取りで店に入り、私もその後に続いた。

内装は以前と変わりなく。おそろしいほどそのまま。

貴族とは言っても、池袋の伯爵のような下品一歩手前のギラギラした内装ではなく、ここはトーンが重厚。テーブルそれぞれには、リンドウのような青い花が飾ってあった。

真鍮製だろうか？　渋いアンティーク照明。

奥には団体用にもなるソファー席。壁にはトランペットや銃がかかっていた。

カウンターより少し高めの位置にテーブル席はあった。

垂れ下がった鎖がパーテーションの役割も果たしている。

アンティークで重厚なシュガーポット。なぜか一緒のお皿に爪楊枝（笑）。

カフェオレ。

カップとソーサーは意外に普通。

前はこんな金ピカだったので、そのつもりだったが。

ＢＧＭは映画音楽。限りなく照度を落とした薄暗い店内で静かに瞑想をした。

「病院の帰りですか？」

ここはお客さんの顔ぶれは決まっていて、珍しい顔となると、すぐ近くの病院に来る人に限られるらしい。「いえ、喫茶店巡りで来ました」と答えると、「オーナーが聞いたら喜びます」。

オーナーとは、あのターコイズブルーの女性のことだが、お忙しい方らしく、「ついさっきまで居たのですが、出かけてしまって…。残念です」。

チラッとカウンターに目を走らせると、色とりどりの花がいっぱい。これもオーナーが花が好きだからとのこと。

「せっかく遠くから来てくれたのですし」

その中から薔薇の花を２輪お土産に頂いた。嬉しい！　私は花の中でも特に薔薇が好き。現在、自宅の花瓶で薔薇は花開いている。