江戸川区西一之江。電車で行くには不便な場所だ。
新小岩からだと尋常でなく遠い。強いて言えば、一之江? いずれにせよ、駅から歩くのはかったるい。
東京都江戸川区西一之江4丁目(西一之江四丁目バス停前)
※閉店(近隣の方からの情報)
とはいえ、私は新小岩から、いくつかの純喫茶をたどりながらここまで辿り着いたので、さほど苦にはならなかった。
派手さはないものの、ツボを押さえた良店に出会うこともできたし、本当の意味でほっこりできた。
その中で、特に印象に残っている1軒をこれからレポートする。
「正統派珈琲の店 あすなろ」
まさしく、歩くにはかったるい、江戸川区西一之江。バス停の前にある。
※ちなみに、新小岩から徒歩10分圏内にも、同店名の喫茶店「あすなろ」が存在する。住宅街にある隠れ家っぽい小さな喫茶店で、モーニングが午後2時まで。
ダークブラウンの椅子が艶々光っている。
店内は広々しており、珈琲専門店の教科書ともいえる、茶系の渋い内装。あすなろの店名の入ったカウンターには老マスター。クラシックだろうか。癒しの音楽が店内を包んでいた。
先客はご近所マダムのグループ(6人位)。賑やかにお喋りで大盛り上がり。
「こちらへどうぞ」特等席と思える、窓際の席に案内された。マダムの喋り声もここまでは届くまい。
小さな多肉植物が置いてあるのが、気に入った。
メニューは珈琲中心。ブレンドコーヒーにし、飲む前に写真を撮った。
「あなた、コーヒーがお好きなんですね。」
高齢のママさんに声をかけられた。
どうやら、写真に撮らずにはいられないほどの「珈琲マニア」だと思われたらしい。
「もしよろしければ、コーヒーのお替りをタダ(無料)で出しましょうか?」
「アメリカンですけどよろしい?」2杯目が出てきた。
なぜか、ゆで玉子まで! 黄身が半熟で美味! サービス良すぎ!
これには、理由があった……。
「しばらく閉まってたから、もうやめちゃったかと思ったわよ」
マダムのグループが、ママさんに声をかけてるのが聞こえた。
ご病気をされ、3か月ほど店を閉めており、この日が再開2日目なのだという。お客様にご迷惑おかけしたし、せめてもの感謝のしるし、なんだとか。
(狙っているわけではないが、最近、こういう偶然がやたら多い。)
そうだったんだ。なんとも言えぬ運命のいたずら。いや、偶然の出会いに、私こそ感謝。
夕方の強い西日に照らされ、濃く、くっきりと、壁に店名が映し出されていた。
帰りはバスに乗って葛西まで行った。
正統派珈琲の店 あすなろ マッチ (2014年)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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