マックモアが消えていた。踊り場の看板は別の店のものに、店だった場所は扉を閉めきっていた。
2013年7月に一度だけ訪問した、築地場外市場にあった喫茶店の記憶をここに残しておきたい。
あの日は築地メインで純喫茶巡り。ひよ子、マコ、マックモアの順に回った。あれからすぐひよ子は閉店し、現在も残っているのはマコだけである。
マックモアはなかおち定食が食べられる喫茶店として有名で、随分前から機会をうかがいながらも、なかなか訪問できずにいた。
行けるときに限ってお腹が空かない! タイミングがなかなか合わなかったのだ。
正直、この日も空腹とは言い難く、直前のマコですら名物のとりぞう煮は厳しいと判断しジュースにしたのだから、定食をいただくにはベストではなかった。
だが、築地自体滅多に行かない私にとって、次の機会はまたずっと先になってしまう。
コーヒーだけ飲むのもありかな。
飲み放題コース(^^; ちょっと居酒屋チック。
なかおち定食は1日限定何食だったなと思い出し、急に勿体ない気持ちになり、覚悟して注文。
味わうより残さず食べることに集中したので、美味しかったのかどうかも全然覚えていない。
食後のコーヒーもしかり。
軒数をこなすだけの訪問には、我ながら嫌悪感を覚える。自分の中でこれを訪問とは認めたくないため、後日再訪問しようと誓うが、不本意にもこれが最後の訪問となった。
ただ、嫌悪感と書いたが後悔しているかといえばむしろ逆で、こういう思わぬ閉店に度々遭遇すると、やっぱりあの時無理してよかったと心から思う。変な自意識を思い切って捨てたい……。
また、味わうことは別にしても、その空間で過ごした記憶は今でもしっかり残っている。
実際入店するまでは、食堂ぽい内装だと思い込んでいたが、しっかりと純喫茶していた。
店内はパーテーションで大きく2つに分かれている。私が座ったのは背もたれが十字にくり抜かれた木製の椅子。他店でもたまに見かけるタイプだ。
ペンダントライトも花模様が入った可愛いらしいもの。
パーテーションの向こうのカウンターは、緑色だった記憶がある。
壁には薄型テレビが設置され、バラエティー番組が流れていた。客の入りはまずまずで、満席近くになっては引いたり、入ったり。ほどほどに活気があった。
帰りにマッチを求めると、お客さんの忘れもののライターをごそっと渡され…そうになったが、固辞してしまった(^^;
築地市場は2016年に豊洲に移転する。
だが、移転は場内のみで、場外は築地に残ることが正式決定している。ただ、場外は場内あってこそ。雰囲気大きく変わるだろうなと思う。
そこまで知ってか、場内・場外関係なしに人でゴッタ返しており、歩きにくくて仕方ない。まだ築地には入ってみたい喫茶店があるが、この混雑を思うと、しばらくは控えたい。
(2013年7月マックモア訪問)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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