東長崎では、喫茶店よりも食べる系の店が好み。
前回紹介した「キッチン長崎」の近くにある「中華料理 香蘭」。こちらも、じんわり記憶に残る良い店だった。
東京都豊島区長崎4-27-14
「寂れ具合では東長崎でも指折りのお店かと思うのです。」
という一文に惹かれて来てみたけど、これはなかなかの寂れ&場末。
ものすごく入りにくい!
実はこの店、一度キッチン長崎が中休みで入れず、そのとき代わりに訪れた。しかし、閉まっていてもなお滲み出るウェルカムな雰囲気のその店に比べると、営業中であっても何かの罠かと深読みさせる寄せ付けなさ。そういうの好きだけども(笑)。
とりあえず店の前を行ったり来たり3往復。
昭和な模様入りガラスにオレンジの帯が入った引き戸。中からはテレビの音が聞こえてくる。もしかして競馬中継? ますます入りにくい。
セロハンみたく透明のオレンジの細い帯から中を覗くと、男性1人ビールを飲んでる姿が見えた。ああ、本当に無理。
飲む店には1人では入れない体質なのである。
それでも入るしかなかった。テーブル4人用が2つとカウンター。テレビは相撲だった。
カウンターには黄緑のアクリル板。油はね防止だろうか。見ようによってはスペーシーかも?
向かいの鏡に映りこんだりして。
床は花模様かな。赤い椅子とテーブル。レトロだけど、とても清潔。油汚れやベトツキなし。
壁の真っ赤なメニュー表がいい。一見乱暴だが実は達筆な字にも味がある。
壁には別に大きなメニュー表がある。龍の絵。飯之部、料理之部、湯之部。之部のくくりが昭和っぽい。
中華丼600円。
マスターが調理。カウンター前でママさんが受け取り運んでくれた。
あんかけ、白菜主体。もやし、にんじん、肉少々。漬物が美味しいのか否か判断に迷う。スープはベストの味。
ビールを飲んでる男性客はお会計をし、お客は私だけになった。お店の人(マスター&ママ)はカウンターに入り、いい感じで放置された。この感じいい!
写真を撮るかやめるか迷い、でも他にお客さんがいないし、今しかないかも。
「何に使うの?」と聞かれたので、「ブログに」と答えた。
「ブログってなんだろう? 興味ないけど」とマスター。
ママさんが横から、「色んな所に出てるみたい。お客さんから聞いた。私は見ないけど」。
どうです? この素敵なまでの返しは。
ブログ含めSNSなどネットに興味がない店主は私の大好物。ときめいてしまった。
探訪者とお店の人の間にある見えない壁。そこを踏み越え仲良くなるのも楽しみの一つだが、私はそこはあえてそのままにしておきたい派。いつまでも混じり合うことなき壁があることにこそ魅力を感じる。
「香蘭」を出てから、再度「キッチン長崎」の前を通りかかると営業中。お客さんが食事をしてる様子が丸見えだった。次こそはと、実際に訪れたのは8カ月後だった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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