ここからが倉吉の純喫茶巡り本番。
喫茶店も多く集まり、倉吉観光の要ともいえる白壁土蔵群に向かう途中、同行者がバスの中から喫茶店を発見。
「ああああっ!」って目の前を通り過ぎていったので、バス停で降りてから慌てて引き返した。
鳥取県倉吉市堺町2-942
これね! たしかにいいかも。閉鎖的で入りずらい、怪しげなオーラが出てる。
でも、と一歩後ずさり。
看板に「カラオケ」の文字があったからだ。喫茶は喫茶でもカラオケ喫茶? っていうか、スナック?(^_^;)
一方こちらは「純喫茶」。
今時ドアに純喫茶の文字入れてる店なんてないよ。これは激しくそそられる。
カラオケ vs 純喫茶
どちらが勝つか?
「とりあえず中覗いてみてよ」
私に様子を探れということか?
同行者に急かされ渋々ドアを開けると……。んっ? これは、いい。いい、いい、いいじゃないの~~~!
「なんか凄いよ。中に『ぐいーん』ってカーブしたパーテーションがあって。絶対入った方がいいよ」
純喫茶の圧勝。
これが、そのパーテーション。
理屈抜きに素敵!
高度経済成長期の内装がそのままここにある奇跡。
もろに70年代の内装(実際は1967年に開店)。こんなの最近入ってなかった。
パーテーションはもちろんのこと、黒い球体のペンダントライト、天井のアール、なんだこりゃ!
純喫茶血中濃度が一気に上がった。
カラオケ熱唱してるお客さんはいるけどね(笑)。
いつもはカラオケ喫茶だと分かった瞬間回れ右で引き返すのだが、ここはダメと言われても居座りたい。
ママさんから、「何にしますか?」と聞かれた。
おおっ! 居てもいいのね。
メニューはありますか?
ところが、こちらもまた古い純喫茶のお約束。メニューはなく、「コーヒーとかコーラとか……」と口頭でママさんがメニューを読み上げた。
選んだのはコーラ。
1曲歌い終わったお客さんがこちらを振り返り、「(歌って)すみませんね」と頭を下げてきた。そんな、とんでもない。私らこそ単なる闖入客なのだから。
「今はカラオケ歌うお客さんが多いのよ」。ママさんから説明があった。
もう50年やってて色々直して、とも言ってた。そのときは内装の素敵さに舞い上がって流してしまったが、後に本当の意味を知った。
2016年10月21日14時7分。鳥取中部地震である。私はこの日三重県津市の「中村」でコーヒーを飲んでいた。三重県でも震度2程度だったが長く揺れた。すぐ店内のテレビは緊急地震速報になり、震源地が鳥取であると報じた。不謹慎ながら、離れてて良かったと安心したものだ。
あれから2年経って、その地にいる。
倉吉での被害は大きく、震度6弱だったという。こちらの店舗も被災。しばらく休業していたそうだが、2017年9月1日に営業を再開し、知事が激励のため店を訪れたという新聞社の記事を見つけた。そこではカラオケを導入したいきさつについても触れている。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
あかりのまま
ここで、わたし、ビージーズ歌いたいです。
2018/12/01 URL 編集
エムケイ
お花綺麗でした。
2018/12/05 URL 編集