純喫茶といえば、やはりこちらのように異彩を放った怪しげな外観に惹かれる。
浜松町、大門の純喫茶界隈では圧倒的存在感を放つ「珈琲 モト」。
東京都港区芝大門1-4-16
ビルの立ち並ぶオフィス街に似つかわしくない植物でぐるぐるに覆われた外観。勢い余ってその上の電線にまで絡んでいるのを目撃したこともある。
店先には般若の面がかかっていたり、水槽のそばには『ワニに注意 店主』などという、洒落なのか本気なのか分からない謎の注意書きもあり、そのカオスな妖しさに一撃で虜になった。
冒頭の写真は最もパワフルな夏場に撮影したもので、冬だとこんな感じ。季節でその姿が変貌する。
まるで骨董屋。
所狭しと絵画やら、像やら、パワーストーンみたいなピラミッド状の石やら何やら他に色々置かれている。美術品だけでなく雑貨というかガラクタもどきまでもが混然一体化している。どことなく無国籍な感じ?
かといって片づけられない人の自宅化した感じは微塵もなく、外とは隔絶した異空間というか。非日常感たっぷり。
天井にはシャンデリアがあったり、ゴージャス要素もあり。
歩くと、カタッカタッと音がする。
忍者対策? 床にパズルみたくはめ込まれた木のピースがカタカタと音を鳴らしているのだった。
チチチチ……。鳥のさえずりまで聞こえてくる。
窓辺の木には鳥が集まり、ガラス越に枝から枝に軽やかに飛び移るのが見える。なんと巣箱のようなものがあった! ここ本当に都心?
巨大な蝶もいるしね。
万一これが本物だったら、筋金入りの蝶嫌いな私にとってそれは命がけの罰ゲームとなる。阿鼻叫喚するまでもなくものの数秒で憤死してしまうだろう。
こんな事書いたら完全犯罪に利用されるかしら。
一応蝶全般ダメなわけではなく、蝶モチーフは平気だし好きな方だが、図鑑やジャポニカ学習帳レベルのリアルな再現力は勘弁願いたい。本当言うとこのライトも羽の模様が細かすぎるのでもっとデフォルメして欲しいところ。
店内は2手に分かれており、年恰好の似た男性2人がカウンターを中心に行ったり来たりしている。
モーニングはAとBがあり、シンプルなトースト付のA。ゆで卵はあらかじめテーブルにセットされていた。
11:00まではモーニングサービスでコーヒーにゆで卵付。
奥の部屋ではテレビがついていたが、途中からクラシック音楽に切り替わった。不思議空間から一気に極上の空間へ。
現実逃避するのにはうってつけの秘密基地だった。
営業は平日のみらしく、時間を作ってせかせかと出勤前にモーニングをしたが、できたら休日にゆっくり過ごしたいところ。それだけが残念である。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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