≪飯坂温泉で温泉に入らない旅 その1≫
どこかで聞いたことが?
無意識に似てしまったと言いたいところだが、確信的に付けたタイトルである。その元ネタについては各自のご想像にまかせたい。
「ふしぎのくにのアリス」からバスで福島駅に引き返し、福島交通飯坂線というローカル線に乗り、終点の飯坂温泉で下車。しかし温泉に入る予定はなく、目的は純喫茶である。
とはいえ飯坂温泉に純喫茶が多いわけでなく、もっと言えば福島は純喫茶がとても少ない。
※念の為、ここでいう福島は県ではなく市を指す。福島市のこと。飯坂温泉も福島市である。同じ福島県でもいわきはなぜか純喫茶が多い。
福島で純喫茶巡りをした方からも少ないと聞いていたし、別の純喫茶事情通の人からも「ほとんどない」とも聞いてたが、それは貴方たちの探し方に真剣さが足りないのでは? 私なら何とか探せるのでは? 愚かにも自らのリサーチ力を過信してしまい、見切り発車で福島行きを決めてしまい、直前になって、
やっぱりなーーーーい!
音を上げた○| ̄|_
県庁所在地じゃないか! 怒りすらわいてきた。福島の純喫茶の少なさは情報がないレベルの話でなく、実際の数が少ない、分母が少ない(ソースはiタウンページ)という根本的問題なのだった。
ていってもね、視点を変えれば、“今が一番多い”のも事実である。これから坂を転げ落ちるようにみるみるうちに減っていくことは確実、風前の灯なのだった。将来的に同じ状況であっても、5年、10年後でもそれなりに純喫茶が残るであろう名古屋や京都といった花形は後回しにしてでも福島に行くのがベストの選択に思われた。
結果から言うと、実際に来てみてやっぱり福島には純喫茶が少ないのだが、不思議と今振り返ると、少なからず出会えた純喫茶にはとても愛着が沸くのだった。京都の文化財のような珠玉店はないのだが(これは言い切っておきたい)、私の中では一軒一軒宝物になった。
ローカル線素晴らしい!
飯坂線の電車からの風情のある景色を楽しんだ。これは都市部では体験できない。
飯坂温泉駅には午後2時過ぎに到着。電車を降りると水の音がするので雨かもと思い改札を出ると、
窓から川が見え、滝のようなものがあり、その水が落ちる音だった。駅前から懐かしく鄙びた雰囲気がぷんぷんする。
駅前に一軒の純喫茶「トミー」。
ちょっといい感じの外観だが、とりあえずスルー。
緩い勾配とカーブのある道を進む。
見下ろせば川。
川沿いには旅館やホテルが並ぶ。
「ホテル渓谷」
なんて風情のある名前だろう。ここに泊まって、ゆっくり温泉に入る。そんな日が私にもいつか来るのだろうか? 想像すると素敵だが、どうも他人事にしか思えず、我が身には現実感が沸かなかった。
商店街が見えてきた。
この先に2日前電話で営業時間の確認をした目的の純喫茶がある。
一抹の不安はあるが、他に選択肢があるはずもなく、行くしかなかった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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