【足利】御食事と喫茶 富士屋

あまり食指が動かないジャンルがある。

その一つが、観光地にありがちな甘味兼お食事処系喫茶。

これから紹介する栃木県足利市にある、自慢焼きが名物の「富士屋」もそうだった。知識としては知っていて、さりげなく“行きたい喫茶リスト”に紛れ込んでいても、あくまでもその優先度は低いものだった。ところが実際に行ってみると……。

足利・富士屋

御食事と喫茶 富士屋

栃木県足利市通1-2701

結論から言おう!

富士屋は大変素晴らしい店だった。純喫茶度も高く、甘味兼お食事処系喫茶に対する思い込みが根こそぎ覆された。

こうやってつらつら文章を書きながらも、もう一回行けないだろうか、と思う。

では、今からレポート。

足利・富士屋2

営業してる、ん、だよね?

食品サンプルケースが表に出てはいるものの、人の気配がないし、なんだか薄暗い。

足利・富士屋3

純喫茶店内にありそうなパーラーチックなオレンジのライトが可愛い。

足利・富士屋4

ランチメニューも出てる。大丈夫だよね? 入っちゃう?

足利・富士屋5

アプローチいっぱいに幅広のショーケースが壮観。ドアにも風格がある。これはかなりの歴史ありそう。

足利・富士屋6

え? ええええーーー!

準備中?

この日、3回目のアタックだった。

○1回目:10:30×⇒ここで初めて今回強くプッシュしてくれた友人の報告表を慌てて確認(今頃)。営業時間が11:30~になっていた。
○2回目:11:30再び訪れるが、×⇒休み? 閉店? 焦ってお店に電話。
「12:00からになります」
○3回目:12:00(←今、ここ)

随分前にメモしたものでは10:00オープンだったが、11:30に変わり、12:00といことか。随分後にズレたなあ。ただ、その時間になってもまだ準備中( ノД`)

さすがにこれ以上は待てない!

足利・富士屋7

思い余ってドアに手をかけたところ、あっさり開いた。

足利・富士屋8

お店の人がパタパタ忙しそうにしてたが、入っても大丈夫か?聞くと、「すみせーん! 少し遅れてまして…。20分お待ちください」と言われ、席に着いた。

足利・富士屋9

「こちらをどうぞ」

女性週刊誌を渡された。忙しいのに、気遣いは忘れず(笑)。

足利・富士屋10 足利・富士屋11 足利・富士屋12

伝わるかな~ 伝わるといいな~

無理矢理に言葉を作るとすれば、土着モダン。

洒落たモダンな内装だが、場末感もある。これ以上場末だとヤバイかもという直前のギリギリの寸止め。腐りかけの一番美味しい所。絶妙なバランス感だ。これは…すごく良い。

足利・富士屋13

椅子、素敵!

ベージュと紫が交互に並ぶ。色の組み合わせは抜群。

足利・富士屋14

木彫りの細工が入った壁。店内は随所に凝っている。

足利・富士屋15

食事のメニュー。

足利・富士屋16

ドリンク類。

色々ありすぎて目移りしてしまい、さんざ悩んだ挙句、表に出ていたお勧めのナポリタンを注文すると、「食券を買ってください」と言われた。

食券? 券売機なんて見かけなかったけど。

足利・富士屋17

チケット売り場!

なんだか映画の発券窓口みたいだ。富士屋開店待ちで時間だけは充分過ぎるほどあり、ひたすら街中を散策している途中、『足利東映』という閉館した映画館跡に出会ったが、その風景とオーバーラップし、不思議な感覚に襲われた。

実際には食券は渡されず、“チケット売り場”で先払いで会計しただけだった。

足利・富士屋18

これぞ昭和レトロ。

店も昭和度濃厚だが、出てくる料理も昭和だ。楕円の銀の皿に乗った太麺のナポリタンは、うっとりするようなビジュアル。

大変おいしゅうございました。

足利の宝ともいうべき大変素晴らしいお店だが、心配事が一点。

人手不足。

最近喫茶店の店頭でバイト募集の貼り紙をよく見かける。喫茶店、というか飲食店、サービス業全体が人手不足らしいが、こちらも例外ではなかった。

「人がいなくて、12:00からなんですよ」

自慢焼きを買いに来るお客さん、喫茶のお客さん、かかってくる電話に、お店の人は何度もそう繰り返していた。

足利・富士屋19

バイト募集しても人が集まらない、とも言っていた。

足利・富士屋20

店を出る頃になって、やっとご主人が自慢焼きを焼き始めた。

※自慢焼き:大判焼き、今川焼きのこと。地域によって呼び名が異なる。茨城県鹿嶋市では「甘太郎」だった。

足利・富士屋21

ドアはまだ準備中のままだった。

【追記】
店内での喫茶及び食事は16時までになっていました。(2018年1月訪問時)

利用金額

  • ナポリタン 550円

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コメント

カカポ

No title
こんにちは
すみません。私やはり、エムケイさんの文章にやられてます。「土着モダン」! 聞いたことないっ。そして すごい伝わる。お店周りの地域性も含めて、店内がどんななのか 私なりに受け止めました🎵

エムケイ

>カカポさん
「土着モダン」に反応していただいたんですね(^^;
実際、そんな感じでしたよ(笑)。
純喫茶は個性的でどの店も違う、とは言いますが、それでもある程度の類型化はできます。

「○○に似てるな」「こんな店他にもあったな」「○○系」とか。

足利までは半端に時間がかかるし、その割に純喫茶が多い場所でもないのですが、富士屋はここでしか出会えない店です。
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