【北大路】純喫茶 翡翠

京都の凄いところ。

建物・内装等凝りに凝りまくった純喫茶が、普段使いされていること。そんな純喫茶がいくつもあること。層が厚い。

私の好みもあるが、北大路の「純喫茶 翡翠」は、そんな中でも存在が抜きんでていた。

北大路・純喫茶翡翠

純喫茶 翡翠

京都府京都市北区紫野西御所田町41-2

北大路・純喫茶翡翠

外観にも圧倒的な風格がある。

柱頭に特徴がある神殿みたいな柱。たしかコリント式って言うんじゃなかったっけ?

北大路・純喫茶翡翠

鮮やかな三色ラインに、TEA ROOM 翡翠。

北大路・純喫茶翡翠

喫茶翡翠。

北大路・純喫茶翡翠

純喫茶翡翠。

全部純喫茶でそろえてくれたらなお嬉しいが、一か所でも貴重。純喫茶度がぐんと跳ね上がる。

前にも書いたが、宝石の名前系の中でもパールと翡翠は珠玉率が高く、純喫茶の冠が付いてる確率も高い。

北大路・純喫茶翡翠

食品サンプルケースは壁に埋め込まれおり、アンティークな縁取りが施されている。

北大路・純喫茶翡翠

なぜに平仮名?

こーひーとおしょくじ

北大路・純喫茶翡翠 北大路・純喫茶翡翠 北大路・純喫茶翡翠 北大路・純喫茶翡翠 北大路・純喫茶翡翠

本気で凄い!

求めているものがすべて揃っているではないか!

(途中からシャンソン、クラシックに変わったが、しばらくはBGMがJ-POPだったので、それだけが唯一のマイナス点)

「見どころが店全体に分散していて、固まった場所がない」

友人から事前にそう聞いていたが、そっかそういう店ってたまにあるよね、と軽く考えていたが、今この場で心の底から実感。

店内は広く、場所によって趣向が異なる。であっても大抵の純喫茶なら、微妙な雰囲気の席も紛れ込んでいる。好みの席とそうでない席は割とハッキリしており、座るべき席を一瞬で判断できるが、ここはどこも魅力的。本気で迷い、困ってしまった。

経験上、全体を俯瞰できる奥の席がベストポジションだが、こちらはその法則性すら揺らぐ。プライベートを守るためだろうか、律儀に細かくパーテーションで区切っているので、奥に座ったとて全体を見渡すのは困難なのだった。純喫茶マニア泣かせの店である。

北大路・純喫茶翡翠

うろうろと行きつ戻りつし、人があまり居ない薄暗い真ん中の列に、ひっそりと収まった。

ただ、この選択も正しかったのか、すぐに自信を失った。

入口にある漫画の棚を見に、窓際を歩いたが、また一段と凝った椅子がそこに! 背もたれの上に紋章のような飾りがついてている。己の座っている椅子の様には無頓着に、漫画を読みふけっている男子学生を心から羨んだ。

この店を総て楽しむには、最低でも2回以上は訪問する必要がある。

北大路・純喫茶翡翠

碁盤の目になった京都の街のように、天井は格子状に区切られている。それぞれには同じ型のアンティークな照明が嵌め込まれていた。

長岡天神の純喫茶フルールにある一点豪華主義のゴージャスなシャンデリアも素敵だが、細工が凝った渋い照明で天井を埋め尽くすというのもまた豪奢なものである。

北大路・純喫茶翡翠

視線を少しズラせば、クラシカルなデザインのhisuiの店名入り。

北大路・純喫茶翡翠

団体席の天井は趣が異なる。

翡翠といえば、必ずこちらを思いだす。

ドレープみたくなった個性的な天井の装飾。どれだけお金かけたんだろうか? 現実的な金勘定が頭をよぎった。

北大路・純喫茶翡翠 北大路・純喫茶翡翠

メニューが大変充実。

可愛らしいイラストの入ったページもあれば、不健康が身上の純喫茶らしからぬ納豆定食、魚定食などもあり、栄養にも配慮されている。信州鍋そば、讃岐鍋うどんといった、京都と関係ないご当地グルメも並び、窓にかかれていたカフェ&レストランのコンセプトをそのまま体現していた。

店員さんは女子学生風だった。彼女らの意見もメニューに反映されてるのでは?

北大路・純喫茶翡翠

お腹に余裕がないのが残念。無難にカプチーノ。

この後は同行者とは別行動。京都を代表する名曲喫茶「柳月堂」に向かう。

出町柳行きのバスを待つ間に、京都純喫茶で私の心を大きくとらえた2軒のことを考えた。

フルールが華やかな乙女系なら、翡翠は渋い重厚系。続けざまに2軒訪問したが、期せずして相互に魅力を補完しあい、京都の純喫茶巡りが完成形に近づいた。その妥協のない空間作りには、時として私が苦手とする京都の矜持というものが根底にあった。

利用金額

  • カプチーノ 450円

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コメント

カカポ

No title
  こんにちは
  もう、サイッコーですわ。
  ホント 全部入ってる。
  そうなのよ、BGMは大事なのよ♪
  J-POPかける店、なに屋さんでも辟易しちゃう。

いちプロ

No title
柳月堂は お値段が高いですが、京都に少なくなった本格的な
名曲喫茶です。かつてはミューズ、ハイドンのような名曲喫茶、
「しゃんくれーる」「蝶類図鑑」のようなジャズ喫茶 が ありましたが すべて閉店です。
それから柳月堂の並びには「カミ家」という珈琲とカレー
とハヤシライスとホットケーキの美味しい店が ありましたが
ここも閉店です。

エムケイ

>カカポさん
本当に最高です。
他にも見てない場所があるので、次に訪問しても新たな発見があるでしょう。

いくら京都の純喫茶が珠玉が多いとはいっても、ここは別格です。

BGMに共感していただいてありがとうございます。
J-POPは非日常からは遠ざかります。演歌でなかったのがせめてもの救いです。

エムケイ

>カカポさん
柳月堂は「本格的にもほどがある」。
ここ以上にこだわる名曲喫茶って他にあるんだろうか?

京都で現役の名曲喫茶はここだけみたいですね。

かなりの緊張を強いられましたが、とても素晴らしいと思いました。

あかりのママ

No title
飽きさせない喫茶店ですね。
内装、ざせき、そしてメニュー。
つい通ってしまう要素が満載ですね。
柳月堂のレポ、楽しみにしています。
私は近くまで行きながら、当時はパンとお菓子に凝っていたので、出町の豆大福に集中してしまいました。今、思うと惜しい事をしました。

うさぎ

No title
きゅんきゅんする要素が至る所に散りばめられていて本当に素晴らしい純喫茶ですね…。思わず唸ってしまいました。

大阪で用があり、先ほど第一ビルのマヅラさんとKing of Kingsさんに初訪問してきました。純喫茶に興味がなかった関西に住んでいた頃は気にも留めませんでしたが、まだまだこういう喫茶店が残っているのは本当に喜ばしい限りですね。「純喫茶ブログで知り伺いました」とKing of Kingsのママさんに伝えると、掲載していただいてありがとうございます、とのことでした。

来週はエムケイさん一押しのTEA ROOMアリアさんにも足を運んでみたいと思います。開いてたら、の話ですがf^_^;)

長文失礼しました。

エムケイ

>あかりのママさん
私も純喫茶を好きになる前の方が京都に行っていました。
当時は観光名所を回ったり(当たり前か)、当時好きだったミュージシャンのライブに行ったりとか全然純喫茶と関係ないことをしていました。

柳月堂は手書きで書き残しているので、私の記憶が消えてもいつかブログにアップしたいと思います。

エムケイ

>うさぎさん
大阪に行かれたのですね。

マヅラ&King of Kingsの初訪問。どちらも大物ですね。
アリアは一押しです。
写真映り的には、先の2店には負けますが、雰囲気がとてもいいんですよ。
行けばわかる!

無事行けたのでしょうか?

ヤマザキ

ご無沙汰してます。
今年の年明けに出産し、直後夫の転勤で京都に引っ越し、いま出町柳から少し北に行った所に住んでいます。
妊娠してからカフェインタバコNGになってしまい、未だに乳児を抱えているので喫茶店好きには辛い時期が続いていますが、もう少し子供が成長したらきっと!とその時をジリジリ待っている状況です。
北大路に、こんな素敵な店があるんですねー!
どうせしばらく行けないからと、あまり調査していなかったので知りませんでした。
2~3年で東京に戻る予定なので、いるうちに是非行こうと思います。
柳月堂のレポ、私も期待しています。

エムケイ

>ヤマザキさん
お久しぶりです。

いつの間にか京都に住んでいらしたとは!
純喫茶翡翠、素敵ですよ。広い店ですので、タバコ吸ってる方いらしても離れた席なら大丈夫かも?
カフェイン以外の飲み物もありますし、もし行かれる機会がありましたらぜひ。

駒込ですが、シャルルが別の店に変わってしまいました。外観が栗色になり、marronあるいは栗まろん。
どちらの店なのか店名が2つあるので正確なのは分かりませんが、スナックみたいです。

中を覗くと、シャルルのとき使ってた店名入りパネルにマロンの名前が入ってました。
果たして店内はどの程度シャルルの面影があるのか?

話は脱線しましたが、柳月堂のレポ。
今となっては書くのが若干面倒になってますが(記憶もだいぶ薄れてるので)、逆にそれでも覚えている部分を骨子に書きたいと思います。
でも、もうちょっと待っててね(笑)。

訪問してる店で書ききれない店がとんでもない数になってて、しかもそれが続々と閉店してます。

紅茶っちゃ

なにオーダーしたんだろう?
この喫茶店、デヴィッドボウイが、お酒のCMロケで京都を訪問した時に入った喫茶店なんですが、一体何をオーダーしたのか気になります。パフェ?うーん、彼は無表情な時が多いから似合わないですね。

エムケイ

>紅茶っちゃさん
そういえば、店内にデヴィッドボウイの写真が飾ってあるみたいですが、なんでだろう?と思ってたら、本人が実際に入ったんですね。

一体何をオーダーしたんでしょう?
私も気になる。
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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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