【平塚】白い箱 （閉店）

建物はまさに白い箱。２階を見上げれば、窓から突き出た３本の白い棒。断面には店名。白　い　箱。

窓のコーヒーのイラストと、バーの黒猫のシルエットが絶妙にマッチ。

なんてオシャレ！

伸びる、伸びる。長い線が独特。

階段上って２階へ。

ここ、凄くいい！

レトロだが現代的でもある。

おそらく元は白だったろう黄ばみがかかった壁には、等間隔に溝が入っている。テーブルは一見したところ変哲のない木製だが、よく見ると角を落とした八角形。

少し色の褪せた紅い椅子が個性的。

素っ気なくあっさりしすぎな風を装って、実際は細かい部分が凝っていて、いちいちときめく。

BGMもジャンルは分からないが、こだわっていそう。タンゴ？　いやクラシックの現代音楽？

メニューは使い込まれ、手書きで可愛らしかった。食事もドリンクも種類豊富。

男性１人客で黙々とナポリタンを食べてる方もいた。

ブレンドティーをいただく。

ブレンドコーヒーは喫茶店なら大抵どこにでもあるが、ブレンドティーがあるのは珍しい。お店側で茶葉をブレンドしているのだろうか？　紅茶には疎いが、薫り高くて美味しかった。

ふと考える。冒頭で「まごうことなき純喫茶」と書いたが、本当にそうなのか？

ベタな純喫茶とは言い難く、古びてはいてもアート的なオシャレ感がある。

もしかすると、最初は最先端のカフェだったのかもしれない。それが時を経て、いい感じに熟成し、純喫茶になっていった。そんな気がする。

古くなれば純喫茶。それは強引ともいえるが、カフェと純喫茶の定義は、そもそもがいい加減なのである。