【上田】珈琲 木の実

甲州屋のある交差点から、夜の世界へ続くわき道があり、そこには蔦に覆われ鬱蒼とした純喫茶がある。

その名も「珈琲 木の実」。

木の実

珈琲 木の実

長野県上田市中央2-4-9

ドアを開けた瞬間、「しまった!」

店主のみの静まり返った空間。入ってもよかったのかと気後れしたが、とりあえずカウンターの前に並ぶ大テーブルの一つを選び座った。

メニューは出てこなかった。

「珈琲でよろしいですか?」

これまでの経験上メニューのない店で出されるもので、目の玉が飛び出るほど高いケースは皆無で、それよりはむしろ安すぎるケースばかりだったので、こういう場合はお店のお勧めを頼むようにしている。

座った席からカウンターが見えるが、サイフォンで淹れているようだった。

ミルクと一緒に花柄のコーヒーカップでコーヒーは出てきた。想像より濃い目だったので、ミルクを加え味を調整しながら飲んだ。

たしかBGMはなく、ひたすら無音だったと記憶している。

痛いほどの静けさ。本は持参していなかったため、ニュースコーでもらった須坂市の観光地図を取りだし、隅から隅まで熟読した。まったく観光せぬまま須坂市を離れたが、こんなときに役立つとは……。

見上げるとエスニック風の民芸品がずらり飾られており、見下ろせば煉瓦。独特の雰囲気である。

どうも落ち着かない気持ちになり、そわそわしながらコーヒーを飲むが、決してこの感じはイヤではない。旅先では寛ぎよりはむしろ違和感、異空間ぶりこそを私は望んでいる。


コーヒーの値段は180円。ずっとこの値段なのだという。

「感謝の気持ちでやっています」

特別なことではないといった感じで、店主はきっぱり言い切った。

木の実

木の実というのは純喫茶にわりと多い店名で、これまでその意味を深く考えたことはなかったが、もしかしたら木の実全体を指しているのではなく、コーヒーの木の実を指しているのでは?

この店を出たときそう思った。

利用金額

  • コーヒー 180円

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コメント

バクゼン

店内の写真も撮れないくらいの違和感、異空間だったのですね。
エムケイさんが「しまった!」と感じる喫茶店とは、どんな所なんでしょう、興味あります^^
それにしても、一杯180円…飲んでみたい。

エムケイ

>バクゼンさん
「しまった!」はたまにあります(笑)。
こちらの店は、気まずいの意味です。

どちらかというと死角のある店が好きなのですが(逃げ場が欲しいからかも?)、なかったので。
他にお客さんがいたら違ったかも?

白あずき

私も「しまった!」と思いました(笑)
でも後悔はしなかったですね。逆に知っていたら入れなかったと思うし…。
そしてコーヒーの値段にもびっくり。
色々心配になりました。

エムケイ

>白あずきさん
同じく「しまった!」なのですね。そして、後悔はしなかったというのは私も同じです。

イマドキの純喫茶は入りやすく、明るく、誰にでも開放された雰囲気に改装されがちで、このような自身の哲学というか信念を感じさせる、ある種の「近寄り難さ」はとても魅力的に映りました。

お値段は同じく…大丈夫かなあ?と思いました。

あかりのママ

No title
昨日行って参りました。私が行った時は先客が二組あり、カウンターの右端にすわったら、その前がマダムの定位置でしまったとおもいました。お店は10時までやっていて、お酒も飲めるそうです。「私が飲めないものは置いてないのよ。」とビール好きのマダムがきっぱりとおっしゃってました。
木の実は60年の歴史があるため、地元の人はみなさんご存知だそうですが、入り口の入りずらさの為、お客さんは県外の方が多いそうです。

エムケイ

> あかりのママさん
長野市・上田市でまわった純喫茶の中で一番印象が強いのがこちらの店です。
記事の中でも書いてますが、入った瞬間、しまった!と思いました、色んな意味で(笑)。
でも入った良かったと思ったことも事実です。
先客が2名いたということに驚きです。

>「私が飲めないものは置いてないのよ。」とビール好きのマダムがきっぱりとおっしゃってました。

その様子が目に浮かびます。

あかりのママ

No title
先客はなんと、2組、3人でした。1組は初めてのお客さんで、もう一方は地元の方。実は夜、飲みに行きまして、その時も常連のお客様がビールを召し上がってました。その後、外国の方もコーヒーを飲みに来ました。
お店には鳥の凧が飾ってあります。セピア色になって私には南米のイメージがしてコンドルかと思いましたが、白鳥だそうです。お店に上げられた当時のバードカイトの白さに思いをはせ、マダムのキリッとした真っ直ぐなお人柄を思いおこしました。

エムケイ

>あかりのママさん
夜に飲みに行かれたのですね。
あの立地といい、店内の雰囲気といい、コーヒーもいいですが、バーとしても良さそうですね。
独特な感じですが。

あかりのまま

No title
バータイムは独特感が減少するように思えます。
次行くときはバータイムにいって、締めにコーヒーをいただこうかなと思います。自家製の野沢菜漬けが美味しかったです。

エムケイ

>あかりのままさん
バータイムは独特感が薄れるのですね。
自家製野沢菜、ローカル度が高いですね。
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エムケイ

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