新小岩駅南口から一之江、船堀にかけては典型的な鉄道空白地帯。
駅から離れているからむしろ下手な再開発の手が延びない分、昔ながらの風景が手つかずのまま残っており、純喫茶もぽつりぽつりと点在している。
たとえば、「喫茶甘味 すがた」。
東京都江戸川区松江1-1-27
閉店
この日は都バスの一日券(500円)を購入し、新小岩南口から葛西行のバスに乗り、江戸川高校で下車し「純喫茶マンボウ」まで来るもある理由から入らずスルーし、今度はそこから東松江一丁目で下車し、昭和すぎる商店街・ベルタウン松江をうろついた。
確実に高齢化が忍び寄るのどかでレトロな商店街であったが、寂れているというほどでもなく、ほどほどに人の姿も見られた。「イエス」という意味をくみ取りがたい店名の純喫茶がビルの2階にあったが、こちらも結局はスルー。
すがた! この平凡なキーコーヒーの看板が目印。
わき道にそれて、
「喫茶甘味 すがた」
店頭のショーケースには、食品サンプルと並んでモンチッチ。
扉の先は想像以上に時が止まった異空間だった。
その異空間ぶりにただただ言葉を失った。
素敵なのかそうでないのかさえも判断できない空気感。
和風喫茶???
って言っても、純喫茶に免疫がある人とない人では思い描く和風喫茶のイメージが違う気がするので、安易にこのジャンルを持ち出すべきではない気もする。
窓のない閉鎖的な空間には、岡山のキャッスルにあったようなオレンジの円盤型のペンダントライトがぶら下がっており、天井はカクカクしたアール(?)状。
壁には竹の模様が入っており、和紙でできた人形が飾ってあったり、大きな日本人形のポスターが貼ってある。思わず『妖鬼妃伝』を思い出してしまった。
相当年季の入ったエアコンがあった。
かと思えば客席で今風のワイド型の液晶モニターにてパソコン操作をするマスター。
昭和と平成が入り乱れ、異空間ぶりに拍車をかけていた。
看板に「甘味」とあったが、差し出されたメニューには特別甘味的なものはなかった気がする(それとも見逃したか?)。全体的に想像より少し高めの値段設定だったが、これも雰囲気代込といったところだろう。
蒸し暑く喉が渇いていたため、アイスティー。
BGMはラジオ。かなり良い音だった。天井に発信源のスピーカーが埋め込まれていた。ここで好みの音楽が流れたら、至福の時間が過ごせそうな気がする。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
kaijyun
久々にストライクですよ、近々訪問しなければ❗
2015/05/23 URL 編集
大介
「喫茶甘味 すがた」素敵ですね。広い空間に見えますが、落ち着けそうで、UFOが浮かんでいるような灯りもいいです。
それと、「バンビ」のプリンがとても好きでした。プリン目当てに何度か行ったので、閉店はショックでしたね。
2015/05/23 URL 編集
エムケイ
マダムが人形を制作されていて、展覧会(だと思った)に展示したときのもだそう。
源氏物語のものも作ったと言ってたような(すみません記憶がいい加減でうろ覚えですが)。
ぜひ訪問してください。
かなり独特の雰囲気で、決して普通でも無難でもありません。
2015/05/24 URL 編集
エムケイ
1回の乗車につき210円なので、3回乗れば元取れます(ケチくさい話ですが)。
新小岩駅南口~葛西までそれなりの数の純喫茶あります。
江戸川高校「純喫茶マンボウ」、江戸川区役所「フルサト」、西一之江四丁目「あすなろ」(最近空いてないみたいですが?)。
他にもまだありそうです。
「喫茶甘味すがた」は無難ではないとだけ言っておきましょう。
バンビの閉店は本当に残念です。
プリンとても美味しかったので・・・
2015/05/24 URL 編集
大介
都バスの一日乗車券を活用して、あちこち回ってみようと思います。
2015/05/25 URL 編集
エムケイ
都バス一日券、慣れないとかなり苦戦しますが、慣れるとかなりお得な券ですので、ぜひ!
2015/05/26 URL 編集