今年に入ってから築地には何度も行ってるが、どうしても訪問できない店が一軒。
スタンドタイプの喫茶店「コーヒー 網兼」。
東京都中央区築地6-27-3
営業時間が7時から10時の3時間。朝に弱い私には厳しい。だが、この日はものすごく頑張った。3月に入ってから純喫茶の閉店が相次ぎ、焦りがあったからかもしれない。
なんとか築地駅に9時到着。駅からして混んでいたが、地上に出るとさらに激混み。網兼の場所は充分把握していたものの、人波に押され通り過ぎてしまった。えー!ないない!もしや閉店?ビクビクしながらそろりそろりとゆっくり引き返すと、あった!あった!
想像以上に小さい。
カウンターのみ6席。手前の2席は入りきらず歩道まで飛び出ている。そして満席。
せっかく早起きしたのもあり諦めきれず店先で突っ立っていると、数分ほどで席が空き、どうしようか迷っていると、「入った方がいいよ、すぐ埋まっちゃうから」と手前に座るお客さんに促され、するっと奥に潜り込んだ。
漁師町出身の私からすると、網元という言葉には馴染みがある。同じく網の字繋がりでこちらの店名網兼も漁に関するネーミングだろうかと思った。
こじんまりした空間ながら壁には絵が飾ってあるが、その中で特に目を惹いたもの。
紐を結んだものが額に収めてあった。漁師はこんなのよく編んでいたような、と思い、カウンターの中にいる女性に訊くと、ヨットに使うものでお客さんが持ってきてくれたものだという。
ヨットというと同じ船でも加山雄三のイメージ。漁師とは少し違うか……?
とても小さなカウンターには高齢の女性が2人。より年嵩の女性がコーヒーを操る。お湯を張ったボウルではコーヒーカップを温めている。「耳が遠い」とカウンターに貼り紙があった。もう一方の女性はサポート役なのか、笑顔で明るくお客さんの対応をしていた。
メニューは特に見当たらないが、他のお客さんを見る限り、コーヒーが唯一の選択に思えた。トースターが見えたのでトースト位はできるのかもしれないが、後から立て続けにお客さんが入店。急いでコーヒーを注文。
コーヒーはビックリするほど美味しい。カウンターには北海道濃縮ミルク(だと思う)とラベリングされた缶があった。半分ブラック、残りミルクを入れた。これまた美味しい。
値段は250円! 築地の喫茶店では破格!
再訪問にはハードルの高い店だが、また来たいと強く思った。
エムケイ
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コメント
muramura
2016/08/18 URL 編集
エムケイ
お孫さんですか? コメントいただいて光栄です。
店名からして、漁や海に関係するとは思っていましたが、釣り船を貸す業をされていたのですね。
店内の写真はお祖父様が撮られたものだったんですね。
築地市場の移転は場内だけで場外は関係ないと思っていましたが、網兼さんも移転と同時に閉店されるのですか。残念です。
>7時に開けて9時には閉めていました
ハードル高いですね(笑)。
今年の冬(2月頃?)たまたま平日朝8時頃行ってみたら運良く開いてたので、再訪問できましたが、機会をうかがってもう一回行ってみます。
2016/08/21 URL 編集