【名手】サンスイ(1)

バイパスは後回し。岩出から名手へ移動。紀の川市である。

名手もまた駅前が寂しい。事前に調べていた喫茶店を地図に従いたどるが、どうもパッとしない。刻一刻と暗くなっていく初めての土地。

やっと住宅街から逃れ、国道に出た。車のライト、店の明かり、そしてサンスイ!

サンスイ

カフェ&レスト サンスイ

和歌山県紀の川市藤崎341

もう見た瞬間、当たりを確信したね。

建物の天辺にサンスイの看板。ゴージャス&大箱の匂い。

サンスイ

遠くからでも丸分かりな大きな看板。ギラつく矢印がたまらない!

サンスイ

その割にひっそりとした入口周り。

サンスイ

電気の消えかかった儚げな食品サンプルケースに郷愁をそそられた。

サンスイ

お子様ランチ! 日の丸の立ったチキンライスを見て童心に帰った。無理だが、食べたい。

ここで問題が1つ。営業してるか。

駐車場には1台も車が止まってなかった。ひっそりとしている。これだけ胸高鳴る純喫茶に出会って門前払いされたら泣くにも泣けない。まあ、そしたら別の日に来るだけだが。ドキドキしながら入店。

サンスイ サンスイ サンスイ

大丈夫だった!

営業時間を確認すると、18時までとのこと。余裕で1時間以上ある。

想像通りゴージャスで、とても広い。天井も高く、迎賓館とかにありそうなゴージャスなシャンデリア。気品もある。これはスゴイ所に来てしまった。スケールの大きさに圧倒された。

充実したメニュー表から、ミックスピザを選んだ。

出来上がるまでの間、店内の撮影。

サンスイ

シャンデリアに灯りがともる。

サンスイ

店内は立体感があり、1階席と半地下に分かれている。高低差は無条件に大好き。

サンスイ

窓の向こうは和風庭園。残念ながら暗いので岩や木のシルエットが見える程度。

ママさんの説明によると、以前は滝が落ちるようになっていたとのこと。

滝、ですと? バブリーな話だ。今、そんな純喫茶一体どこにあるのだろう? ただ、滝はないにしても、今でも池には鯉が泳いでおり、暗闇からもぼんやり見えた。本格的な庭園である。店名のサンスイは枯れ山水とかそんな意味だろうか?

大きいは正義。

ここに立つと、浮世の細々したことも一気に吹っ飛ぶ。大きいことって素晴らしい! スケール感にヤられてしまった。

惜しむらくは、和風庭園がよく見えないこと。本当にそれだけが残念である。

この辺りは昔、純喫茶が多く集まり、「喫茶銀座」と呼ばれていたそう。サンスイは昭和54年創業。他店との差別化を図るため、なにか特色をと考え、ゴージャスに創り上げたのだという。

「今は喫茶店はうちぐらいしかありません」

ああ、同じ言葉を何度聞いたことだろう。日本全国どこも一緒である。

こちらによく通うお客さんには定年退職後の方が多く、のんびり過ごしているのだという。これだけ広いと長居も気兼ねないだろう。

サンスイ

「どうぞ冷めないうちに召し上がってください」
高揚した気分を落ち着かせながら、席に再び着いた。ミックスピザと一緒に出てきたのは、紙ナプキンにくるんだナイフとフォーク。嬉しい店名入り。当然ながら伝票も店名入り。

「もしかしたら、興味ないかもしれませんが」
店名入りマッチをそっと渡してくれた。なんですって! 興味ないどころか、興味ありまくりだって! とても嬉しい。

「また、いらして下さい」
今度は早い時間に来て庭園を眺めたい、と本気で思った。帰りも国道をてくてく歩き、名手駅に向かった。これは後から気付いたのだが、例のバイパスもこの国道24号にある。

カフェ&レスト サンスイ マッチ
カフェ&レスト サンスイ マッチ (2015年)

利用金額

  • ミックスピザ 600円
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コメント

バチコ

本日行ってきました
初めまして、和歌山在住で最近純喫茶の魅力に開眼した者です。
いつも楽しく拝読しています。

きょうはブログを参考にサンスイに行きました。
これまでも色々参考に行かせていただきましたが、ここは本当に感動しました!
感謝です。

エムケイ

>バチコさん
和歌山在住の方ですか!
地元の方に和歌山記事読んでいただけるとは大変光栄です。

サンスイにも行かれたのですね。
私も本当に感動しました。広さ、天井の高さ、ゴージャスさ。
たくさんの純喫茶を見ている私でも一瞬で逝ってしまいましたよ(笑)。

もし和歌山でここぞという喫茶店あれば教えてくださいね。

バチコ

〉エムケイさま
本当にあのゴージャスさは虜になりました。
地方の中でも和歌山の記事が多く、とてもうれしいです。
もしまた来られる機会ありましたら、和歌山市砂山のネストをおすすめしたいです。パーラーファッションから20分くらいの所です。

先ほど気づいたのですが、Coffee浜の記事でつけられた新聞記事の参考リンク《http://www.nwn.jp/old/kakokizi2014/20140308/hanseiki/4.html》、実は私の同僚が書いたものなんです。
何だか不思議なご縁を感じました。笑

私はつきじ横丁近くのスマートボール店をこよなく愛しています。純喫茶との親和性バツグン、こちらも機会があればぜひ!

エムケイ

>バチコさん
なぜか和歌山に愛着があります。
温暖で海がある環境が私の故郷に似ているからでしょうか。
きっとDNAに組み込まれているのですね。

ネストお勧めですか!
実を言うと、次回和歌山で筆頭候補でございます(笑)

浜の新聞記事のリンク。
同僚の方が書かれたのですか?
あの記事は単なる参照だけではなく、とても当時の時代背景・考察がなされていて良い記事だったのでリンクさせていただきました。
と、確認したところリンクが切れてましたので、リンク先も変更しました。

つきじ横町飲食街の近くのスマートボールの店。
私、あの日に見かけてます。バチコ様がそのときいたりして(笑)。
純喫茶との親和性は抜群ですね。

これからもよろしくお願いします!
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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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