2014/03/08(土)  CATEGORY:高田馬場・早稲田近辺

【高田馬場】珈琲&スナック ピッコロ (閉店)

久しぶりに高田馬場を散策した。

一見すると、あまり変わっていない気がしたが、実際には少しづつ変わっていた。

まず駅前。F・Iビル1階には「ここでもか!」のドン・キホーテ。九十九電機の入っていた頃が懐かしい。早稲田松竹の並びで異彩を放っていた有名廃墟「名曲喫茶らんぶる」は取り壊され、さかえ通りの「純喫茶プランタン」は建物は残っているが、すでに閉店している模様。

このままだと、あの純喫茶もきっと……。雨降る中、諦めにも似た気持ちで、向かうとなんと営業中!

珈琲&スナック ピッコロ

珈琲&スナック ピッコロ

東京都新宿区高田馬場4-17-16
※2015年5月31日閉店

「ピッコロ」

ここは純喫茶巡りを始めて日も浅い頃、「ただひたすら歩き回る作戦」で見つけた純喫茶。

けれど、当時の自分にはとても入る勇気が出なかった。

珈琲&スナック ピッコロ

2階を見上げると、植物で鬱蒼として怪しい「珈琲&スナック」。

当時はスナック(バー)だと思い込み、ただただ指をくわえているしかなかった。あの時の私に教えてあげたい。スナックは軽食の意味だよ。コーヒー&スナックは、普通の喫茶店だよ、と。

珈琲&スナック ピッコロ

近寄ってみれば、ほら。食事メニュー。ポークジンジャー、カレー、エビピラフがある、普通の喫茶店。

んっ!? よく見ると普通でもない? 親子丼? なすバター焼セット?

まあ、いいや。急な階段を上る。

珈琲&スナック ピッコロ

コーヒーカップを象った手作り風の看板が可愛い。

珈琲&スナック ピッコロ

うーん。看板が多い(笑)

ドアを開けて中に入るとカウンター。

珈琲&スナック ピッコロ

床の模様が、かかか、かわいいっっっ!!!

数年来気にかけていた純喫茶だけど、期待裏切らず素敵。ぼーっと突っ立ってると、カウンターでお客さんと楽しそうにお話していたママさんが、パッと外向きの笑顔になり、「いらっしゃいませ。おひとり?」

はい、と答えると、窓際のテーブル席に案内された。

珈琲&スナック ピッコロ

小さなテーブル2つ。それぞれ黒い椅子が1つづつ。すっぽり埋もれるおひとり様専用席。「良かったら、隣の椅子に荷物置いていいわよ」

ありがとうございます!

珈琲&スナック ピッコロ

外から怪しく見えた魅惑の窓際は、内側からはこう見える。ぽってりしたグリーンの庇が雰囲気ある。植物と絡みあって、素敵な眺め。いいね、いいね、この特等席。

メニューは特に手渡されず(笑)。カウンター内にメニューがあるので、それを見て選ぶ。

珈琲&スナック ピッコロ

コーヒー。薔薇の絵の入ったカップが素敵。シュガーポットもお揃い。実を言うと、このトレイに爪楊枝が乗っていたのだが、一旦脇にどけて撮影(笑)

こじんまりした店で、カウンターでママさんとお客さんは盛り上がっていたが、不思議とアウェー感はまったくなく、手持ちの本の世界に没頭できた。

と、いきなり、これまでついていたテレビが消えた。カウンターのお客さんが帰ってしまったのだ。クラシック音楽に変わった。

このタイミングで丁度、本の中で心に響く箇所に当たった。

OUTは、私という作家をブレイクさせてくれた作品だが、同時に私をOUTな作家にしてくれたらしい。それは、決して王道を行けない奇妙な小説家としての道でもある。(中略)誰も味方はいない、一人でやるしかない、というあの思い。だが、孤独は作家を鍛える。再び、同じ思いをして自分を鍛えたい、と最近思うのである。

言葉を噛みしめながら手帳に書き写してから本を閉じた。そろそろ出ようかと帰り支度を始めたところ、ママさんから「この辺の方?」と声をかけられた。

やはり見知らぬ一人客(それも女)は珍しいのだろうか?

「そうでもないわよ。結構、女性一人で入ってくる方多いのよ」

えっ! 女性一人客?

自分も人の事を言えないが、チャレンジャーな彼女たちだ。失礼ながら、魅惑的ではあるが、なかなか入りにくい外観。よく入ったなぁ…。率直な感想。

珈琲&スナック ピッコロ

「そろそろ肥料をあげないとね」

鉢植えに肥料の粒を与えながら、植物について話してくれたが、思わず見失いそうに。ママの着ているニットは、目の覚める鮮やかなグリーン。周りに溶け込む保護色だったのだ。グリーンお好きなんですね。

まあ、それはよしとして(笑)

植物の名前はカッポレだったか、カップレ、だったか、そのような名前。手すりにタグが付いていた。もう30年にもなり、時折枝葉を切らないと、丈夫で育って育って仕方ないのだとか。よく見ると小さな鉢から根がはみ出て苦しそう(笑)。

「でも、これが客寄せにもなるのよね」嬉しそうに言う。

「喫茶店というのは、常連客だけじゃなく、フリのお客さんも大切なのよ」

ハッとした。純喫茶には商売っ気はなく、どこか浮世離れした道楽だと思い込んでいたのだ。これまで来てくれる 馴染みのお客さんを中心に現状維持なのかと。思えば、この高田馬場は学生街。新陳代謝の激しい街でもある。

さらに、こちらは高田馬場の喫茶店には珍しく日曜日も営業している。それについても、「世間が休むときに仕事をする。人と同じことをしてちゃダメなのよ。」

リアルな言葉として心に響いた。

珈琲&スナック ピッコロ

2015年5月31日閉店

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珈琲&スナック ピッコロ マッチ (2014年)

利用金額

  • コーヒー 400円

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