「えこひいき」したくなる純喫茶に出会った。
えこひいきだとイメージ悪い? んー。なら、全力で応援したくなる純喫茶、と置き換えてもいい。
でも、やっぱり「えこひいき」がしっくり来る。だって、このところ素敵な純喫茶にたくさん出会っているけど、それでもなお、他を差し置いても、まっさきに紹介したい、って思ったから。
さて、そんな私の心を大きく揺り動かした純喫茶は、蔵前橋通りという大きな通りに面しているのだが、両国からも、錦糸町からも微妙に離れている。
東京都墨田区石原4-18-4
ちなみに、私は本所吾妻橋からアクセス。
「純喫茶 静 (しず)」。この看板も時代がかってますね(^^; 昔の黒澤明監督の映画タイトルが、こんなフォントだった記憶がある。
よく見ると、「静」じゃなくて、「靜」?
少し字が傾いていますね。右肩上がりに、とかそんな意味だろうか? そして、今更ではありますが、「純喫茶」。
純喫茶!純喫茶!純喫茶!
こうやって純喫茶めぐりをしてはいても、純喫茶を冠に付けてる店、非常に少ない。
そして、ドアにも純喫茶。
内装も素晴らしく純喫茶!
飴色の広々した空間でございます。
大きなシャンデリアもあります。
観葉植物がパーテーションになっています。
壁が鏡になっています。
ゲーム機テーブルもあります。昔はインベーダーもあったけど、今は麻雀ゲームだとのこと。
レジ周りも雰囲気あります。
漫画いっぱいの本棚あり。右上に注目!
王道こそ素晴らしき哉。純喫茶好きが100人いたら、100人は認めざるを得ない、教科書通りの純喫茶スタイル。
で・す・が!
この先は、純喫茶の教科書にも書いてありません。( ̄ー ̄)ニヤリ
相撲グッズが満載です。
手形、番付表、力士の絵、色紙、その他。特に相撲好きではありませんが、カッコイイと思いました。
両国に近いからでしょうね。と、勝手にひとりで納得していたところですが、「お客さんには、お相撲さんもいらっしゃいます」と教えていただきました。
純喫茶ポイントのチェックはこのくらいにして、注文をしましょう。
端っこが日に焼けたのか変色し、メニューも年季が入ってます。
古い純喫茶にしては、食事も飲み物も充実してます。本来の純喫茶はコーヒー・紅茶を主にした店で、食事はトースト等軽食少々というのが基本ではありますが、個人的な意見としては、色々と選べる方が楽しいと思っているので、評価はますますうなぎ上り?
そういえば、東大宮の「純喫茶 ジュリアン」で、こんなこと言われました。「純喫茶の『純』を外して喫茶にしようと思ったことがある。純喫茶だと食事ができない、と勘違いされるから」。
そのときは、軽く流していたのですが、もしかしたら、元々純喫茶だったのに、看板を新しくすると、喫茶になってるケースがたまにあるけど、あれはそういう理由からだったのかな、と。
このブログをどれだけの純喫茶店主が見るか別にして、言っておきますね! 「それでも純喫茶を死守せよ。今に時代が追いつく」
『純』---たった一文字ですが、あるかないかで、大きな差があります。そのうち、純喫茶マニアでなくとも、『純喫茶』だから、という理由で熱い視線を浴びる、と思っています。
さてさて、選ぶ楽しみがどうとか言いつつ、この日は4軒目。コーヒーのみで。
コーヒーは濃い目。おしぼりが熱々のタオルなのも嬉しい。
漫画棚から、ドン引きされかねない、強烈な表紙の漫画を選び、小1時間読み耽りました。
長居してしまったので、そろそろ帰ろうかと、トイレに行き、席に戻る途中、目に飛び込んできたのは…
えっ!? これって!?
超超アナログテレビ。昭和30~40年代製では?
もしかしてチャンネルは回すタイプ? すごーいいいい! あまりにもビックリして、思わず、「写真撮らせてください」と拝み倒してしまいました。
「どうぞ!どうぞ!40年以上前のものなんですよ。もちろん、もう映りませんが、しっかりしているので…」
はっ! もしや!
作業台として再利用。昔の家電って、今と比べるとデカいですからね。伝票、シュガーポット、ミルクピッチャーなどが置いてありました。狙っていない本物のレトロ。たまに、大正浪漫風に小奇麗に、レトロカフェ路線を狙う純喫茶がありますが、まったく食指が動きません。こういうのこそ、本物のオシャレというのでは?素敵です~~~
そして、なによりも素敵なのはマスター。当たりが良く丁寧な方でした。私が「えこひいき」したくなったのは、このマスターのお人柄。実際にお会いすれば、実感していただけるはず。
つい最近、ぴあに掲載されたらしく、それを見たお客さんが来てくれると、ニコニコしながら話してくれました。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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