以前からたまにやり取りしていた方からのご連絡で、1月27日で純喫茶みちが閉店したと知り、仕事帰りに浅草へ。
電気が消え真っ暗。閉店を知らせる貼り紙を見ながら、在りし日のみちを思い、しばし感慨にふけった。100円の美味しいペリカンのトースト、The純喫茶路線ど真ん中の内装、白いカバーが背もたれにかかった臙脂の椅子、競馬中継中に1人アウェーだったこともあったっけ。
その後、どうせならと国際通りにある「サンパウロ」に行ってみることにした。有名なナポリタンが食べてみたくなったのだ。
東京都台東区浅草2-14-16
ずいぶん前から存在は知っていたけど、ズルズル入らずじまいだった。
それは落ち着いた外観のせいもあったと思う。
どうしても第一印象でハートを奪われるのは、分かりやすくゴージャスを連想させたり、場末感を漂わせてる外観の店だったりする。
国際通りには、サンパウロ店主のご兄弟が営業されている喫茶店「ペガサス」「フラミンゴ」があるが、3店どこも入ったことがなかった。個人的好みとしては、ギッラギラに輝く「ペガサス」に一番興味を持っていた。
サンパウロは看板から1961年創業の老舗であるのは読み取れたが、建物は新しく綺麗。しかもCAFEと謳っているし、うーん。
…つい後回しに。
だが、純喫茶は入らないと分からない。
1階と2階に分かれており、私が入ったときは1階が禁煙、2階が喫煙席に分煙化されていた。
1階は奥まった半地下になっており、人通りの多い外からは隔絶された隠れ家のよう。
内装はシックで、モダン。綺麗だが、かといって、わざとらしいほど真新しくピカピカしているわけでもなく、古臭くもない。ちょうど良く落ち着ける。
いつでも探し求めている昭和ど真ん中テイストではないが、素敵な内装だと思う。計算なのか天然なのかは分からないけど、絶妙に居心地が良かった。
壁には葡萄の形をした照明。オレンジの明かりが放射状に伸びて、漆喰壁に当たっては立体的な陰影を創り出している。奥には一面の大きな鏡があり、奥行きが深みを与えていた。
高級感のある椅子はどっしりしている。カウンターの近くに置いてあった棚から持ってきた雑誌を読みながら、背中をぐっともたれ、注文したナポリタンを待った。
大きな丸ごとウインナーが2本乗ったナポリタンは、事前に知っていたビジュアルそのもの。
極太麺で甘目の味付け。求めていた期待通りのもので、満足。
コーヒーは食後とお願いしていたが、ナポリタン、セットのサラダとスープが空になった瞬間、店員さんがコーヒーを持ってきたのに驚いた。完全に店員さんがいるカウンターからは死角になっているんだけども。
帰るまで1階はずっと私だけで静か。遠くからラテン音楽が微かに聞こえてくるだけ。
帰り際、ちょうど入れ違いに入ってきた団体のお客さんが、階段を上っていくのを見て、今度2階へ行こうと決め、店を出るのだった。
それから、2ヶ月経ち、雨の日に再訪問。
たびたびこのブログで言ってるけど、私は非喫煙者だが、周りでタバコを吸う人がいても平気。
…てことで、迷わず2階へ。
1階が見下ろせるゲーム機テーブルの席が一番良かったんだけど、「ゲームをする方用」と書かれたいたので、諦めて奥の席へ。
…でも、その後から入ってきた男性2人客は普通に座っていた。
今回は店側オススメの「焦がしバウムクーヘン」にしようと思ってたのに、土壇場で前と同じナポリタンに変更してしまった。なんかクセになってるみたい。
サンパウロ マッチ (2013年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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