「純喫茶 パール」を見つけたら、迷わず入るべし。
そう思わせるだけの魅力が立石のパールにはあったのです。広島のパールほどの圧倒的な重厚感はないが、内装は昭和ゴージャスそのもの。正統派の純喫茶でした。
東京都葛飾区東立石3丁目23
では、その内装をとくとご覧あれ。
赤いベルベットの椅子にシャンデリア。窓辺にはゆるやかに束ねた黒く透けたカーテン。観葉植物の配置も絶妙です。
L字型の造りになっており、曲がり角には木々を描いた壁。現役のゲーム機もいくつかあります。
ある意味、昔だったらどこにでもあった正統派純喫茶空間。ただし、現在でもこれだけ良い状態で保っている店は多くありません。お店の方が愛情込めてお手入れしていることが伝わってきます。
ところで、お客が全然いないのはどうして? やはり駅から遠いから?
と思うでしょう? この写真だけ見てると。
これには理由があります。
立石バーガーでお客さんのNさんのご案内で、ここまでたどり着いたことは前回お話しました。ただ、営業時間が分からない。
求人募集の貼り紙から午前8時から午後1時半までがピークタイムで、その後なら空くんじゃないかな、と勝手に推測。あえてその時間を外して訪問したのです。それが午後1時45分頃。(あまり遅いと閉まってるかも、とそこは小心物ゆえ15分だけ遅れて来た)
そしたら閉まっていた!
自動ドアの前で右往左往、ぐるっと廻って横から中を一生懸命覗きこんでみたり。ところがスモークガラスで、中からは私の様子が丸見えだったらしく、ママさんが表から顔を出しました。
「今日はもう終わっちゃったんです。日曜は1時半までなんですよ。他の日は6時までですが」
うわー!!! 裏目に出た。
次いつ来れるかどうか分からないし。よーし、こうなったら。
「厚かましいお願いは承知ですが、店内の写真を撮らせてください。お願いします!!!」
「あら、いいですよ。どうぞどうぞ。お好きな所を撮ってくださいな」
コロコロとした軽やかな笑い声でママさんは迎え入れてくれました。
と、このような次第で営業終了直後の無人の店内を写真に収めたのです。でも、運良くすぐに行けることとなり、再度パールへ。ランチタイム真っ最中だった。
駅から離れた住宅街なのだが、お客さんが次々入ってきます。おそらくご近所の方たちが中心でしょうね。
ゲームをしているお客さんもいれば、タバコをふかしているお客さんもいる。待ち合わせをするお客さんもいれば、カウンターでママさんと会話をするお客さんもいる。人のいない店内はそれはそれで落ち着くけど、私は人がそれなりにいるほうが好きだ。
100点満点のビジュアルだと思いませんか? ナポリタンはアルミ皿で出てきて嬉しくなる。見た目だけじゃなくて味も100点満点。私の理想とする太麺で炒めしっかり。だけど特に印象的なのは具材の玉ねぎ。噛みしめると甘みがギューっと出てきます。
ランチメニューは他にも肉生姜焼きライス、ミートソース、カレーライス、ヤキソバ、サンドウィッチなどもあり、試してみる価値ありです。
さて、こちらのパールですが、もしかしたら「モヤモヤさまぁ~ず2」に出たかもしれない純喫茶でもあります。
2011年2月14日の日付でテレビ東京大江アナのサインが飾ってありました。パール店内の撮影をしたが、番組では使われなかったそうです(2011年3月6日『荒川』の回?)。代わりに近くにある別の喫茶店(すでに閉店)が放送されたらしい。
「もしかしたら、特徴がないからかも」とママさんおっしゃってました。正統派ゆえですね。よく見ると、窓際の壁が赤のベルベット張りだとか、特徴あるんですが…。モヤさま的には、ううーんと特徴的じゃないとダメなんでしょうね (ノ_-。)
ちなみに2012年8月19日放送『立石』の回では、お花茶屋「亜呂摩(アロマ)」が登場したようです。亜呂摩といえば、珈琲ラーメンが看板メニューの”特徴的”な喫茶店であります。私も数年前一度入ったことありますが、立石バーガーと並び個性的な店でした。
振り返ってみると、ここに来るまで色々ありました。
立石バーガーから始まり、Nさんのご案内での立石探索、空振りの日曜日、カラオケ喫茶だった東水元。でも、すんなり来るより、あれこれ試行錯誤して、本当に楽しかった。
立石にある純喫茶パールを私は決して忘れることはないでしょう。
純喫茶 パール マッチ (2012年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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